★の頃……
あのさ、ちょっと笑える話、聞いてくれる… 誰にも言っちゃいけない、私の秘密…… あの夏、私達は、激しさと非凡さばかりを追い求めていた 高校生のくせに勉強ってのは三の次で、高校って所には、ファッションとLOVEと刺激の為に行っていた あいつさえ隣に居れば、すべてが満たされていて、恐いものといえば、教師でも親でも警察でもなく、刺激ばかりを追い求め続ける、自分自身だった あれから9年経った今でも、あの時間を引き摺り続けている 日常の、ある瞬間に、今だにあいつが出てくる そして、たまに開く高校のアルバム…あいつのおどけた顔を見て、自分の想いが、まだそこに残ってるか?…確認する そこには、今26歳の私からみれば、あいつは、綺麗で若く、可愛いと思う少年にしか写っていない そして毎回、『…まだまだ私も駄目だな…(笑)』って思う 9年前のあの夏、私は自分で自分に暗示をかけた 『生きていく中で、あいつ以外の男は決して愛さない』って そこに、頑固者の私らしい後悔が、今はある でも、あの頃は、そうでもしなければ自分が本当に壊れてしまうんじゃないかという位の激しい毎日を過ごしていた あいつを愛する事で、自分の生きる意を見い出したかった… 時を経て、現在、誰よりも安らぎと愛しさをくれる人と出逢い、日々、幸せを感じている 今、思う事は、卒業写真のあいつにではなく、私は、9年前のあの夏に心を残してきてしまっているって事… これは誰かに伝える事でもなく、決して口にすべき事ではない 一日止まない雨に、想いが蘇ってきてしまう時は、そっと一人、笑みを浮かべる…… そのくらいで、丁度良い