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見た事のある食べ物

 さて、今日はバトル・スリーアカデミーの選考会がある。


「それじゃ、リュメル。頑張ってね」

「うん。頑張るよ」


 この数日間。朝と放課後の数時間をリュメルに魔法の使い方を教えて来た。途中でミルさん達に見つかり、ミルさん達にも教えていた。

 そして、今日。練習の成果を発揮する日だ。


「僕は上で応援してるよ」

「うん。ありがとうね」


 選考会のやり方は勝ち上がり戦だ。

 リュメルは、3回戦目だった。


「にしても、ものすごい人数が応募するんだな」

「当たり前だろ」

「……え? 誰……ですか?」

「酷いな。同じクラスだろ?」


 そう言われて、その人の顔をじっと見るとなんとなく、分かった。


「あぁ、なんとなく。覚えてる……かもしれないです」

「まぁ、そうだなぁ。あまり話しかけに行かなかったからな。俺は、レイド・プレイルだ」

「イサミ・ケイレードです。よろしくお願いします」

「敬語はやめてくれ。俺だってこんな喋り方なんだからな」

「分かったよ。レイドって呼んで良い?」

「あぁ、もちろんだ。俺も、イサミって呼ばせてもらうぞ」

「うん。それで、さっきの話に戻るけど、なんでこんなに人数多いの?」

「そうだな。理由はそれぞれあるが、一番の理由は就職する時に、バスアに出てたってなると色々と優遇されるからな」

「へー。そうなんだ」

「まぁな、それに出ただけで、魔法とか剣が上手く使えるって事になるからな」

「なるほどねぇ」

「そうだ。イサミは出ないのか?」

「出ないよ。僕はそこまで出る理由無いからね」


 僕は、この旅を終えたら領主になるんだ。


「そっか。ま、俺も出る意味無いからな」

「じゃさ、バスアの間一緒に観戦しない?」

「おう! もちろん良いぞ!」

「じゃ、僕ちょっと軽い食べ物と飲み物買ってくるよ」

「おう。任せた!」


 その場を離れて、何か良いものが無いかを探していると、肩をポンッと叩かれた。


「ん? って、イヤさん?」

「や。こんなところで何してるの?」

「あぁ、今日の選考会を観戦するために、何か良い食べ物か飲み物ないか探してるんですよ」

「あぁ、だったら、こっちに良いものがあるぞ」


 そう言えば、イヤさんと2人っきりって初めてだな。

 僕は、イヤさんに手を引かれて付いて行く。


「ここが凄く美味しいんだ。お姉さん。これ二つ?」

「あ、僕だけじゃないので、三つで」

「三つ下さい」

「はい。ちょっと待ってね」


 それから、少し待っていると、見た事のあるものを渡された。


「これが、凄く美味しいんだ。今は、一つしか味が無いけど、これだけでもまた食べたくなるんだ」


 そう、手に持って食べる。地球にもあった食べ物。


「クレープだ」


 僕が、そう言った瞬間。そのお姉さんがバッと僕の顔を見つめて来た。


「い、行こうか」


 僕は、その場から逃げるように、戻った。

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