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合否発表

 僕は今調理場に立っていた。


「さ、今から何か作りなさい」

「うん。分かった」


 僕は、ミルさん達にみられながらお菓子を作る事にした。


「やっぱり、包丁は大丈夫なのね」


 お菓子を作り終えたところで、なんでいきなり料理を作らせたのか聞いてみた。


「包丁は刃物で武器にもなるのに、なんで武器判定されないのかなって。多分、貴方の気持ち次第かなって思ったんだよ」

「なるほど」


 確かに、包丁は道具って思ってるし、それ以外の刃物は武器って思ってるもんな。


「にしても、イサミくん料理上手いね」

「あ、ほんとですか? ありがとうございます」


 それから、二日間が経過した。


「おーい、イサミくん。学園から封筒が届いてるよ」

「ありがとうございます」

「「早く開けてよ」」

「分かってますよ。そんな急かさないでください」


 手紙の封を開けると、中には一枚の紙ともう一枚何か入っていた。


「手紙だ」

「「「読んで!!」」」

「えっと……」

 

 手紙を読み進めていくと、そこには合格の文字が書いてあった。


「ご、合格だぁぁぁあ!!!」

「「「おめでとう!!!」」」


 これで、初めての異世界の学校に行ける!


「それで、もう一つの紙はあれじゃない?」

「あれね」

「あれって?」

「クラスが書いてあると思うよ」

「クラスか。ミルさん達のクラスはなんですか?」

「私達はみんな同じクラスよ。中等部の1年S組よ」

「S、組?」

「そうよ。クラスはE、D、C、B、A、Sの六つのクラスがあるの。Eが一番低くてSが一番高い。それで、イサミくんは?」


 僕は何組なんだろ?


「僕は、ん? なんで?」

「どうしたの?」

「一つ聞きたいんですけど、僕の年齢だと初等部の何年生からですか?」

「初等部の3年生からだと思うよ」

「ですよね。これ、見て下さい」

「「どれどれ?」」


 そこには、初等部6年Sクラスと書かれていた。


「「「飛び級!?」」」

「やっぱり珍しいですよね」

「珍しいなんてもんじゃないよ!! この学園が始まって以来の快挙だよ!!」


 話によると、今までも編入試験での合格はあったが、飛び級での合格は今まで無かったそうだ。

 これは、学園内部でも大きな話題になっていた。


 学園長自ら、飛び級での合格にしたのだから。


 確かに、この事に大きな不満を抱いた教員も居たが、その証拠となるものを提示すると、全員が納得した。


 そして、長期休みが終わったと同時に僕の新しい生活が幕を開けた。

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