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海水浴〜3〜

 僕が誘われた理由を聞いてみると、


「暇そうで、誘いやすそうだったから。かな」


 らしい。


「それで、何をするの?」

「「ビーチバレー!!」」


 そう言って、双子のメイとイヤが上着を脱ぎ捨てた。

 メイとイヤは、僕よりも身長が高く、僕の目の高さに肩が来る。

 そんな2人が目の前で上着を脱ぐとどうなるか。


「っな、な……」


 もう、目が奪われてしまう。


「「どう? 可愛いでしょ?」」

「え? あ、え、えっと、うん、可愛い。です」

「「でしょ?」」


 2人とも、まだ13歳なのに成長速度が素晴らしい。


「ほら、ミルも脱ぎなさいよ」

「え、いや。私は……」

「何言ってるの。ビーチバレーは水着でやるからいいんじゃない!!」


 そう言って、無理やり上着を脱がせた。


「う、恥ずかしい」


 さっきまでの威勢はどこに行ったのか。腕を体の前で交差して、しゃがみ込んでしまった。


「ミルは、昔から肌を殆ど見せない服装を選んでて、上着でギリギリ大丈夫だったんだけど、水着みたいに肌を露出する服を着て、それを隠す上着を脱がされて羞恥心であんな風になってるんだよ」

「……な、なるほど」

「「ほら、なんか言いなさいよ!」」

「え、えぇ。この変な空気作ったのお二人じゃないですか」

「「行かないなら、あんたも脱がすわよ」」

「やめて下さい!! 分かりましたから、行きますから」


 下を脱がしに来る2人から逃げるように、あっちでしゃがみ込んでいるミルさんに方に行くと、ミルさんがぶつぶつと何か言っている。


「……私なんて……みすぼらしい肌を……恥ずかしい……」

「あ、あの。ミルさん?」

「み、見ないで!! 私の肌を見ないで!」

「ミルは、箱入り娘だったんだよ。その弊害で肌を見せるのにものすごい抵抗があるんだよ」

「よくそれで、水着を着て海に来れましたね」

「「がんばった!!」」

「そ、そうですか」


 気合を入れて、ミルさんに話しかける。


「ミルさん」

「……何よ?」

「ミルさん。綺麗ですよ」

「え? みすぼらしくないの?」

「みすぼらしいなんて、そんな訳ないじゃないですか! とても綺麗ですよ!」

「……綺麗?」

「はい。とても可愛いです!」


 そう言うと、パァっと笑顔になってバッと立ち上がった。


「さぁ! ビーチバレーを始めるわよ!!」


 ミルさんはそのままビーチバレーが出来る場所に向かっていった。


「「「ちょろい」」」


 それが、みんなの共通認識になった。

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