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雨の日

 その日は雨が降っていた。


「うーん、傘があれば楽だよね」

「にゃー」

「クロも分かるか? あれは良いものだったよな」


 部屋の中から雨が降っている外を見ていると、1人の女性が後ろを見ながら悲しそうに走っているのが見えた。

 行かないと。


「すみません。ちょっと外行ってきます」

「!? イサミ様!!」


 近くにいたメイドさんにそう言い残し、僕は外に駆け出した。


「はぁ、はぁ。早く!!」


 大きい庭を抜け、敷地内から出ると左側に小さな木箱が置いてあった。


「これは?」


 その箱を中には雨に濡れた小さな子犬がいたのだ。


「ワフッ! ハッハッハッハ」

「このままじゃ風邪ひいちゃうな」


 僕はその子犬を屋敷の中に連れて来た。


「お風呂、入れますか?」

「? はい。入れますよ」

「ありがとう!」


 メイドさんにお礼を言い、お風呂に入った。


「綺麗な毛並みだな」


 その子犬は、銀色の綺麗な毛並みをしていた。犬と言うよりも狼にも見える。


「乾いたら、もふもふになるかな?」


 僕は、そいつの体をしっかり洗って湯船に浸かった。


「名前付けないとな。その前に契約するか」


 そいつを近くまで呼び頭に手を置いた。


「なぁ、俺と家族にならないか?」


 そう言いながら魔力を流すと、そいつは嬉しそうに尻尾を振った。

 更新されたステータスプレートには「シルバーウルフ」と書かれていた。


「シルバーウルフ。聞いたこと無いな、父様か母様に聞いてみるようかな」


 子犬じゃ無くて狼だったよ。名前どうしようかな。


「名前な。銀狼……は安直だよな。シルバーウルフか、シルフ、シルゥ、なんか違うんだよな。シウ、ルル。ルル良いんじゃね? お前の名前はルルだ!」


 ルルに向かってそう言うと、嬉しそうに「ワフッ!」と言った。

 その後、お風呂を上がり父様と母様にルルの事を紹介するとーー


「お前は、また新しい家族を連れて来たのか」

「大事にするのよ。よろしくね、ルル」

「ワフッ!」


 やっぱり、父様も母様も優しいな。

 クロとモフラにルルの事を紹介すると、直ぐに仲良くなり三体で遊んでいた。

 僕は、もふもふな三体が遊んでいるのを見て和んでいる。


「また、もふもふが増えてる。可愛い!!」

「はぁ、混ざりたいわ」

「せ、先輩!?」

「ん、んん。戻るわよ」

「せ、せんぱーい」


 またしても、怒られて連れていかれて行った。


「あの人たちは、仲良くなりそうだね」

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