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ポセイドンの進化

 ポセイドンの体にどんどん水が集まり、どんどん大きくなっていく。


「一体、どんな魔法を使ったんだ?」


 クロは、至って冷静だった。聖獣故の余裕なのかもしれない。


「ふっふっふっ。お前ももうおしまいだ」


 そして、海が無くなるのかと思ったが、ポセイドンに集中していた渦巻が消えた。


「でかくなったな。ポセイドン」

「これで、お前も終いじゃ!!」


 水を纏ったポセイドンの攻撃は恐ろしいほど強くなっている。

 1発のパンチが海に当たった時、周り2kmの範囲の水が衝撃で吹っ飛ぶほどの威力を兼ね備えていた。


「ちょっと、それはやばくないか?」

「そんなゆっくりしていて良いのか?」

「何故だ?」

「俺は、海の王だぞ? 傷を負っても水に浸かってるだけで回復するんだぞ」


 ポセイドンは瀕死の状態だったが、水を大量に纏いその中心にポセイドンがいる状態、既に全回復しているのかもしれない。


「それを、我に教えてどうする?」

「ただの、余裕だ」

「そうか」


 クロが音速を超えた速度でポセイドンに近づき、腕を思いっきり振った。

 しかし、ポセイドンの体に纏った水がその攻撃を防いだ。


「いや、違うな。周りの水がポセイドンに集まっているのか」

「分かっただろ? お前では俺に勝てない。ふんっ!!」


 ポセイドンが、腕を上に持ち上げると、今戦っている場所の水がどんどん上に持ち上げられていく。


「何をする気だ!?」

「焦っているな。この世界を海に沈ませるんだよ」

「そんな事、させるわけないだろ!!」

「ご主人!?」

「久しぶりだな。このスキルを使うのも。『召喚』!!」


 その、魔法陣から出て来たのは、ウミとルルとモフラだった。


「な、何だこれは!?」

「ちょっと、クロを助けてあげて。『強化Lv.3』」

「頼む。ちょいと、これは我1人では手に負えんかもしれない」

「分かった。僕、頑張る」

「頼むぞ。ルル」

「そんな、ちっこい仲間を呼んで何になる? もう、お前たちはこの海に沈むんだよ」


 そして、僕たちはポセイドンの海に沈んだ。


「ぼぼぼぼ」


 海に沈んだ瞬間に僕は召喚スキルで新たな仲間を呼び出した。


(頼む。誰か、助けてくれ! 召喚に応じてくれ!!)


 そして、召喚陣の光が強くなり、どんどん大きくなる。


「ネネの事呼んだ?」


 現れたのは、水色の衣を纏った美しい女性だった。

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