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ポセイドンvsフェンリル

 ポセイドンとクロの間には、バチバチと何かが弾けていた。


「……ふん!」


 先に動いたのはポセイドンだった。

 クロに向かって突き出すように槍を動かす。


「っな!?」


 その槍は、音速を超えていたのが分かったが、その槍の先には何もいなかった。


「こっちだ」


 クロはポセイドンの後ろに移動していた。


「何故、お前がそっちにいる!?」

「さぁな」

「っくそ!!」


 その槍を海も一緒にクロに向かって横殴りで動かす。

 そのせいで、とてつもない大きさの津波がクロに襲い掛かった。


「クロ!?」

「安心しろ。ちゃんと捕まっていろ」

「う、うん」


 その津波がクロを飲み込む数秒前に、クロが右の前脚をその津波に向かって振った。


「ふっ。お前も津波にには勝てないと知って、変な行動をし始めたか」


 そう言って、ポセイドンは大きく高笑いを見せている。


 しかし、その高笑いは変なところで止まった。


 津波が消滅したのだ。


「何をした!?」

「さぁな」

「お、お前!!!! 殺す!!」


 ポセイドンは、その尾びれを器用に使い、ものすごい速さでこっちに向かってくる。


「その速さも、海があってこそだろ?」


 クロが、海に向かって前脚を振るった。


 その瞬間。海が真っ二つに割れた。


「ゔっ……くそ」


 ポセイドンはその勢い余って、地面に強打した。


「お前は、王に相応しくない。王なら、近くの民も一緒に護るべきだったな。残念だ」


 クロが、貫禄を持ってそう言い渡し、とどめを刺そうとした時、ポセイドンの底力が姿を現した。


「なっ!? 弾かれた!!」

「……こんな……こんなところで……終わってたまるか!!! 俺は……全ての海を……支配するんだ……。俺の元に集まれ!!」


 ポセイドンが立ち上がり、何かの魔法を使い始めた。

 そして、海がポセイドンに向かって渦を作り始めた。


「……何をする気だ?」

「フフフ、ハーハッハッハッ!!! これで、お前もこの世界も終わりだ。この世界は俺の力で海に沈むんだよ」


 その渦はどんどん大きくなり、遂には、ポセイドンを飲み込んだ。


「……嘘……でしょ?」

「こんな力を隠し持っていたか。面倒な奴だ」

「クロ、行けるの?」

「……倒せはするが、殺してしまうな」


 クロは、あの時とどめを刺す気は無かった。心を改めてくれたら許す気だった。

 だが、それももう出来ない。


「……いいよ」

「……そうか。では、少し潜っておいてくれ」

「ん? どういこ……」


 どう言うこと? と言いたかったが、クロの毛に埋もれて喋れなくなってしまった。


「うわ、気持ちいい」

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