表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/151

新鮮な魚

 食卓には、豪華な料理が並んでいる。

 新鮮な魚のお刺身の盛り合わせ。あら汁。そして、パン。


「お米じゃないのか……」

「お米? なんだそれは?」

「えっと、そうですね。こういった料理に合う主食ですね」

「へー、そうなのか。今あるのか?」

「まぁ、少しだけ」

「だったら、それを少し食べさせてくれないか?」

「ちょっと、あんた。何言ってるの? ちょっとしか無いって言ってるじゃない!」

「あ、いえ、大丈夫ですよ。僕の両親が毎月少し送ってくれるんですよ」

「そうなのか」

「と、言う事で、キッチン借りますね」

「良いよ」


 僕は、袋からお米を出して鍋に入れる。そこに水を入れてお米を研ぐ。二回水を入れ替え、そこに水を入れて火にかける。


「フャイヤー」


 それから、約30分後。出来上がった。


「これを、茶碗にって、無いか。しょうがない。お皿によそってっと、よし! お待たせしました」


 食卓では、みんな仲良く談笑していた。


「お、良い匂いだな。それが、さっきの硬い小さいのか?」

「はい。これを、お刺身と一緒に食べると美味しいんですよ」

「へー、それは楽しみね」


 お米を4人分によそって、それぞれの前に出した。


「さ、食べましょうか」

「はい」


 お刺身を一つ取り、醤油に少しだけ付けて食べる。


「うんうん」


 そして、ご飯を口に運ぶ。

 ケダンさんは、二回三回と噛むと目を見開いた。


「な、なんだこれは……」

「口に、合いませんでしたか?」


 僕は、不安げに聞いてみた。


「……ん。美味すぎる。なんだこれは!? 滅茶苦茶合うじゃないか!!」

「ほ、ほんとですか!? 良かったぁ」

「こんなもの食べたら、もうパンと一緒に食べれないじゃない」


 2人とも、お米にはまったみたいだ。

 どんどんお刺身と一緒に食べて、ご飯がなくなってしまう。


「くっ、後一口しか無い」

「こんなに美味しいものがこの世にあったとは……」

「こうしちゃいられん! すぐに、商人の人と掛け合うぞ! これは、どこで取れるんだ!?」

「えっと、ケイレードの領主に掛け合えば、良いと思いますよ」

「そうか! 分かった!!」


 そう言って、ケダンさんは家を出て行った。


「全く、あの人は……。ごめんね。あの人、思い立ったらすぐに行動する人でね……。いつも、振り回されちゃうのよ」

「あはは、そうですか。でも、良いじゃ無いですか」

「そうね。そこも、あの人の良いところなのよね。あ、そうそう。お米。とても美味しかったわ。ありがとうね」

「はい! お口に合ったようでなによりです」

「あ、そう言えば、私自己紹介して無かったわね。私は、メーデルって言うわ。ゆっくりして行ってね」

「よろしくお願いします!」


 そして、ケイレード領のお米は、しっかりとカイガランスに輸入される事が決まった。

 後日、父様と母様から手紙が届いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ