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事件

 女の子が、九尾を助けて数百年後。女の子は少し成長して、人で言う13歳に成長した。


「おーい! キュウちゃん! こっちに来て」

「分かっておる。危ないから走るんじゃ無いぞ」

「いやーだー! 早く来てよ!」

「全く。今行くぞ」


 キュウちゃんが、女の子に近づいた時、九尾が何かに気付いた。


「これは? なんだ……この気配の数は!?!?」


 九尾は、魔物の尋常じゃ無い気配を感じて、女の子を抱えて家に戻っていく。


「ちょ、ちょっと!? キュウちゃん、どうしたの!?」

「すまん。ちょっとだけ待ってくれ!!」

「え? う、うん」


 それから、数十秒後。


「キュウ!? 娘は!?」

「ここにいる。一体何があった!?」

「良かった。それが、魔物の群勢がこっちに向かって来ているんだ」

「数は分かっているのか?」

「あぁ、その数3万らしい」

「3万!? あり得ない!?」

「あぁ、異常な数だ」

「作戦は? 決まっているのか?」

「もちろんだ」


 この村には優秀な魔法使いが居る。その人達が、遠くから魔物を倒していく。そして、私と剣を使える者が前で戦うらしい。


「分かった」

「ねぇ、何するの?」

「娘は私に任せてくれ」

「うむ。よろしく頼む」

「キュウちゃん。そんな怖い顔してどうしたの? 遊ぼうよ」

「ごめんね。明日遊ぼうね」

「いや! 今遊ぶ!! お父さん離して!!」

「すまん。娘よ。スキル、スリープ」


 そして、女の子は寝てしまった。


「それでは、頼んだぞ」

「もちろんだよ。その子の事よろしくね」

「当たり前だ。私の娘だぞ」


 そして、戦いは熾烈を極めた。


「やっと、終わったのか?」


 戦いは数日続いた。その間、村は崩壊し何人もの人が行方不明になり、何人もの人が死んでいった。そして、9割もの人が怪我を負ってしまった。


 それから数日間は、村の復興や死者や行方不明者の名前を掲示板に書いたり、忙しい日々を過ごしていた。


「あの子は、何処に行ったんだ?」


 九尾が村の中を探すが、その子と父親の姿が見えなかった。


 九尾は重い足取りで掲示板に行った。


「……頼む……頼む……ここにだけは居ないでくれ……頼む……」


 そして、九尾は見つけてしまった。


 行方不明の欄にその子の名前とその子の両親の名前を見つけてしまったのだ。


「う、そだ。そんな、なんで……?」


 そして、九尾の名前が行方不明の欄に書かれたのは言うまでも無い。

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