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予兆

 起きたら、日が暮れていた。


「やってしまった」

「起きたか、ご主人」

「うん。クロありがとうね」

「いや、大丈夫だ」


 周りを見ると、そこには数体の魔物が倒れていた。


「どうする?」

「そうだね。今から戻っても門を開けてもらえないと思うから、今日はここで野宿だね」


 僕の膝の上にはまだウミがスヤスヤと寝ている。


「クロ、どうしたらいいかな?」

「あー、そうだな。夜だし起こしても大丈夫だと思うぞ」

「だね。ほら、ウミ起きて。もう夜だよ」

「ん、んん? 夜? あ、寝すぎたの」

「寝起きいいね」

「まぁの」


 ウミに膝から起きてもらい、ご飯を作るために立ち上がろうとした時ーー


「う、動けない」

「だ、大丈夫か?」

「いや、足が痺れて動けない。助けて」

「すまん、ご主人。回復は分からん」

「ウミ〜」

「すまん。妾も覚えてない」

「そんな〜。ルル〜?」

「出来ない!」

「ガーン。モフラ〜」

「無理よ」

「だ、誰も回復魔法覚えてないのか……」


 そこから、10分ほどして、やっと立ち上がることに成功した。


「や、やっとだー。よし、みんなお腹空いてるでしょ? 今から作るよ」


 バッグからフライパンなどなどを取り出して、夜ご飯を作った。


「おまたせ。どうぞ」


 みんな美味そうに食べてくれる。嬉しいね。


「そうだ、ご主人」

「どうしたの?」

「なんか、魔物が多い気がするんだ」

「魔物が?」

「そうだ。一応、ギルドに報告しておいた方がいいと思うぞ」

「うん。クロが言うならそうしとこうかな」


 そして、次の日。朝になってから王都の中に戻った。


「それじゃ、僕はギルドに行ってくるよ」

「行ってらっしゃい」


 クロ達に見送られてギルドに向かった。


「一人でギルドに来るのも久し振りだな」


 ギルドの中に入ると、冒険者と受付嬢達が慌ただしく動いていた。


「なぁ、何かあったのか?」

「ん? なんだ、イサミか」

「なんだって事はないだろう」


 近くにいた、ケイドに話しかけた。


「それで、なんでこんなに慌ててるんです?」

「あぁ、大量の魔物が王都に向けて進行中らしい」

「あぁ、やっぱりそうなんですね」

「やっぱりってなんだよ」

「僕も、魔物がいつより多いって報告しようと思って来たんですよ」

「そうだったのか」


 僕とケイドが話していると、ギルドの扉が勢いよく開けられた。


「はぁ、はぁ、ほ、報告します。はぁ、はぁ、魔物の数がおおよそ分かりました。その数、10万です」


 その数に、ギルド内にいる全員の動きが止まった。

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