再会
授業の内容は結構難しく、見学するだけは少し物足りないと思う。
休憩時間になり、今まで教師の話をじっと聞いていた少女が立ち上がりこっちに向かって歩って来た。
「お久しぶりです。イサミ様。ウミ様。ルル様」
「あぁ、久しぶりだね。ミリア」
「はい!!」
「うわっと」
ミリアは、久しぶりに会えたのがそんなに嬉しかったのか抱きついて来た。
「そう言えば、ミリアって今何歳?」
「そうですね。13歳です」
「そっか。昔は小さかったのに背も伸びて成長したんだね」
「えへへ、ありがとうございます」
「にしても、頑張ってるね」
「はい。あの時、イサミ様が言ってくださいました。『私が頑張ればまた会える』と。確かにイサミ様の言う通りでした、また会えました」
「うむ。大きくなったな、ミリア」
「はい!!」
その後、お昼まで授業を見学し、食堂でお昼を一緒に食べていた。
「そうだ。王様は元気?」
「はい。元気ですよ。偶に貴方に会って話したいと、仰ってましたよ」
「そっか。その内、王都に戻ろうか」
「愚痴を聞いて欲しいと……」
「あはは、王様の愚痴を聞けるのは俺ぐらいしかいないもんね」
俺とミリアが話している間、ウミが隣でソワソワしていた。
「それじゃ、俺は一旦あっち行ってるから2人でゆっくり話してね」
「う、うむ」
「は、はい」
イサミが食堂から出たのを見計らって2人は席を立ち抱きしめ合った。
「会いたかったです!! ウミ様!!」
「うむ。妾も会いたかったぞ」
ひとしきり抱きしめ合った2人は再び席についた。
「「……」」
そして、一言も喋らないまま時間が進んでいく。
久しぶりに会ったが何を話したら良いのか分からない現象に陥っている。
先に口を開いとはミリアだった。
「ウミ様は、私と別れてから何をしていたのですか?」
「そうだな……」
ウミは、今まであった事をお昼時間いっぱい使って話した。
「おーい。ウミ、ミリア、そろそろ時間だよ」
「な、もうそんな時間か」
「うー、もっとお話し聞きたかったです」
「ミリアはどこに泊まっているんだ?」
「私は、父が用意してくれた高級宿屋に……」
「そうか。もし、学校が終わって時間があるならまた話さないか?」
「!? 良いのですか!?」
「もちろんだ。良いか? お主よ」
「うん。もちろんだよ。いっぱい喋って来なよ」
「うむ!」
その日の学校見学は終わり、ウミとミリアと別れて俺とルルはメアル宅に戻った。