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旅はゆっくりと

 エルフの森は何処にあるか誰にも分からない。まず、街中にはエルフやドワーフなどの、人以外の種族はいない。何処かで密かに暮らしいている。学園長のリーリエさんはハイエルフでも珍しく外に出ている人でもある。

 そんな中、俺たちは馬車を購入し、馬ではなくルルに引っ張ってもらって移動している。馬車を買うお金はウミが魔力袋から取り出していた。そんなお金持ってなかったと思うんだけど……。

 そんなウミは、エルフの森の場所を知っているのでウミに道案内を頼んで森の中を移動していた。


「なぁ、ウミ。エルフの森って何処にあるんだ?」

「すまんが、お主であってもエルフの森の場所は教えられない」

「そっか〜。そう言えば、なんでエルフとかドワーフは隠れて暮らしてるんだ?」

「それは、エルフの森に着いてから、本人達に聞いてくれ。妾は分からない」

「ウミも分からないんだね」

「当たり前だ。妾だって、調べたりしないと分からないものはある」


 そういえば、俺の家族はセイラを加えてから特に増えていない。猫とフェンリルのクロ、シルバーウルフのルル、幸運スライムのモフラ、九尾のウミ、風の大精霊のセイラ。なかなかに、珍しい家族だと思う。これも、極運のお陰だと思う。


 そんな家族は、ルルがこの馬車を引っ張っていて寂しそうなのを見てクロが猫の姿で一緒に歩いている。

 さっきまで話していたウミは小さい姿のセイラと話して盛り上がっている。

 モフラは俺の頭の上でいつも通り大人しくしている。


「なぁ、モフラ。俺が領主になったらみんなはどうすると思う?」


 俺は、それが少し心配だった。今は、旅をしていてみんな一緒に居れるけれど、領主になったらそうじゃない。みんな自然に帰るのかな?

 そんな想いを乗せて、モフラに聞いてみるが、特になんの返しもなかった。


「モフラはこのまま俺の頭の上で過ごして良いんだからな」


 そう言ってモフラを撫でてやると、嬉しそうに揺れた。


「ルル。そろそろ、お腹空いただろ。お昼にするぞ」

「やったー!! お腹空いてたんだ!」


 馬車を近くの空き地に止めて馬車を降りた。


「さて、何か食べるものあるかなぁ」


 魔力袋の中を探すが……


「あれ? 無い。米以外見当たらない……」


 ずっと、作り置きしておいたお稲荷さんが無く、米しか入っていなかった。


「なんで? なんでお稲荷さんも無いんだ?」


 俺が困っていると、ウミが申し訳なさそうに打ち明けて来た。


「お、お主よ。すまぬ。妾が全部食べてしまった」

「え? いつ?」

「その……お主が寝てる最中に……勝手に……」


 ウミが……勝手に? なんて珍しい!


「い、いや大丈夫だよ。お稲荷さんを作る材料はあるからまた作るよ。さて、お稲荷さんが無いので、クロ、セイラちょっと来て」

「なんだ?」「何?」

「二人にお願いがあるんだ。今日食べる主菜が無いから二人に取ってきて欲しいんだ。クロはお肉をセイラは野菜をお願い。山菜でも良いよ」

「了解した」「分かったわ」


 二人はそのまま森の中に姿を消した。

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