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バスアの終了

「やっと見つけた」


 そう言って茂みから出て来たのは、今回の大会で1番恐れられている相手だ。


「おぉ、精霊までいるよ。これは楽しくなりそうだ」

「セイラ、なんか、あいつ、やばいよな」

「えぇ、きみの悪さを感じるよ」

「おいおい。二人で話してないで俺を……混ぜろ!!」


 そいつは、拳を振り上げて僕とセイラの間に入って拳を振るって来た。


「うわっ!?」

「きゃっ!?」

「お? 今の避けるか。いいね〜」

「あいつ、早過ぎじゃないか?」

「えぇ、でも、魔法を使ってる感じも感じない。ただの、身体能力だけだよ」

「まじかよ」

「ご主人は走って逃げて、貴方は魔力以外取り柄ないんだから」

「うっ、わ、分かってるよ。それじゃ、頼んだよ」


 僕は逃げる為に走り出した。


「あ? 逃げるのかよ。追いかけるか」

「行かせないよ」

「まさか、お前あんな奴に仕えてるのか?」

「えぇ、そうよ」

「ははは!! そうか。楽しくなって来た!!」


 そいつは、全身に真っ黒な魔力を纏った。


「へー、黒魔法使い、か」

「あぁ、そうだよ。さぁ、行くぜ!!」


 そいつは、黒魔法を全身に纏ったまま攻撃を仕掛けて来た。拳を振るうと、それと同時に黒魔法がセイラに飛んでいく。


「うわぁっと、ほらほらどんどん来なさいよ」

「当たり前だ。こんなんじゃまだまだ終わらない!!」


 そいつは更に拳を振るい蹴り上げセイラに攻撃を仕掛けるが、セイラはそれを尽く交わしていく。


「はぁ、はぁ、なんで攻撃が当たらない!!」

「そんなの、あんたが人で私が大精霊だからに決まってるでしょ? さっきは主人がいて怖がられたくなくて攻撃を仕掛けなかったけど、今は遠くに逃げてる事は確認し終わってるから、直ぐに終わらせるわよ」

「おいおい、嘘だろ? 大精霊様が相手だったのかよ……」


 そして、セイラはそいつに風魔法で小さい台風を作り出して空に飛ばし、地面に叩きつけた。


「カハッ! ぐ、うぅ……」

「あら、まだ意識あるのね。でも、もう動けないでしょ? 審判さん見てるでしょ? 私達の勝ちよね?」


 そして、ハズアは僕たちの学園の総合優勝で幕を閉じた。

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