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ミルvsメイ

 初戦はミルさんとメイさんの戦いだ。双剣vs槍の勝負だ。


「ミル。魔法では負けたけど剣では勝つからね!」

「そうだね。負けちゃうかなぁ」

「ムッキー!! 怒った。私怒ったからね!!」

「ほらほら、頑張って私に勝ってね」


 ミルさんは、メイさんを煽っている。あんなミルさん見た事ない。

 そして、開始のゴングがなるとメイさんが槍を構えて突進する。それをくるくると右に回りながら避ける。


「ほらほら、当てなさいよ」

「うるさい!!」


 ミルさんが避けた方向にそのまま槍を振るが、右手の剣でそれを防いだ。


「ほら!」

「っく!」


 ミルさんは左手の剣で胴体がガラ空きのメイさんに薙ぎ払いを行うがそれを後ろに避ける。


「ほらほら、まだまだ行くよ!!」


 そして、ミルさんはメイさんに向かって双剣を振りながら近づく。それを、メイさんは後ろに避けたり槍で防いだりする。


「いいの? そんなに後ろに下がって」

「え?」


 一歩、後ろに下がるとザリっと足が滑る音が聞こえた。

 もう、ステージの端っこに追い詰められていた。ステージから落ちたら負けてしまう。


「ていやっ!!」


 メイさんは、槍を地面に突き刺して跳んだ。メイさんはミルさんの背後に移り、少し距離をとった。


「はぁ、はぁ」

「あれ? もう息切れ?」

「あんたは、なんでそんなに剣を振り回してるのに息を切らしてないの」

「さぁ? 鍛え方が違うんじゃない?」

「いちいち、煽るような言い方して来て。怒ってるからね!」


 メイさんが、目を閉じて息を整える。


 空気が変わり、次の攻防が最後だと誰もが直感した。


 カッと目を開いたメイさんはこの試合で見たことのない速さでミルさんに迫った。

 それには、流石のミルさんも驚いていたが、難なくそれを受け流した。

 受け流されてもメイさんの速さは衰える事なく、足を踏ん張って方向転換を行いメイさんに向かって槍を振るう。

 が、それもうまく躱されてしまった。その後も、ひらりひらりとメイさんの攻撃を躱し続けるミルさん。


「なんで……なんで当たんないのよ!!」

「それはね、貴方の動きが単調だからだよ」


 そう言って、ものすごい速さで繰り出されるメイさんの槍の攻撃をミルさんは素手で掴んだ。


「ほら、ね?」

「……嘘」


 今までも戦って来たけど、ここまで圧勝されるとは思っていなかった。


「……降参……です」


 メイさんは、涙を流さまいと顔を上げていたが、その頬には一粒の何かが流れていた。

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