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魔物

 その後、野宿をして夜を明かした。魔物には襲われなかった。


「クロ、たちはまだ寝てるか」


 か、可愛い。クロがモフラを抱きしめながら寝ていて、それに寄り添うようにルルも寝ていた。


「……癒される」


 それから数十分後にクロたちは起きた。


「朝ごはん食べたら行くよ」


 昨日の夜に作っておいた朝ごはんを食べ、街道を歩き始めた。


「ん、あれは……看板だ!」


 すぐ先に二手に分かれる看板が置いてあった。


ーーーーー

クロウリン←左 右→ミュルク村

ーーーーー


 今僕が目指しているのは街であるクロウリンだ。始めての、異世界の街に興奮が抑えられない。


 まだ、全然街が見えない森の中で、僕たちはピンチに陥っていた。


「ま、魔物だ」


 初めて見る魔物に僕たちは草むらに隠れていた。体から迸る魔力はそこに居るだけで人に恐怖を与える程の威圧感を放っている。

 そんな魔物はごく一部の本当に強い魔物だけだけどね。


「やばい、どうしよう。誰も戦えないのに魔物と遭遇しちゃうなんて」


 このままやり過ごそうと息を殺していると、魔物がこっちを振り向いた。


 ッ!! 気づかれた!?!?


「走って!!!」


 クロはモフラを口で咥えて走り、ルルも全力で走り出した。


 やばいやばいやばい!!!

 後ろから聞こえるドスンッドスンッとした、地面を揺らす足音に怯えながらひたすら走っていく。


 その時、甘い匂いが鼻に入って来た。


「あれ?」


 それと同時に魔物の足音が止まった。


「あそこって、甘い匂いがした場所だ」


 助かったのかな?


「ん、モフラからこの匂い出てないか?」


 モフラの方を見ると、してやったり! みたいに腕の中でピョンピョン跳ねていた。


「ありがとな、モフラ」


 魔物から振り切れた、は良いがーー


「ここどこだ?」


 魔物から逃げている時に、街道を外れて森の奥深くに逃げて来たのだ。そして、場所が分からない。


「んー、どうしようかな。遭難したらそこから動かない方が良いって言うけど、助けてくれる人がいたらって話なんだよな。居なくなったことも分からなければ、助けに来る訳ないんだよね」


 それからも、足元の悪い森の中をフラフラと歩いていく。


「はぁ、はぁ、はぁ。もう……ダメだ……」


 そして、僕はそこで倒れてしまった。

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― 新着の感想 ―
[一言] つか親子揃って馬鹿よな(笑)普通なら鍛錬だの稽古だのつけて戦えるようにしてから放り出すのに(笑)
2020/01/30 19:02 退会済み
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