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おにぎりの試食

祝100話!!

 クロたちが再び透明になり、僕たちはミルさん達が試合する会場に着いた。


「ミルさん達は何試合目かな?」


 壁に貼られている試合表を見てみると、四つのブロックの中、それぞれ三つにミルさん、メイさん、イヤさんがそれぞれバラバラに設置されていた。


「最初の試合は、Aブロックのイヤさんか」

「見つけたのか?」

「うん。僕、ちょっとイヤさんに会って来るよ」

「それじゃあ、私たちで席取って待ってるよ」

「ありがとう!」


 僕は、これから試合する人の控え室に行ってみた。


「すみません。この先は、選手では無い人は入れません」

「あぁ、そうです、よね」


 僕は、とぼとぼと帰って行くと、後ろから僕の事を呼ぶ声が聞こえた。


「おーい! イサミくん!!」


 その声は、選手以外立ち入り禁止の中からだった。


「あ! イヤさん!」

「久しぶりだね!」

「久しぶりって今日の朝も会いましたし、一昨日だって会ったじゃないですか」

「・・・え? 一昨日? まぁ、いいか。ねぇ、中で話しましょう! いいでしょ?」

「僕は良いですけど、中に入れないんですよ」


 チラッと、警備の人を見ると、


「と、特別良いですよ」


 と、言ってくれた。


 イヤさんに連れられ、控え室に入った。


「さて、何しに来たの?」

「ただ、会いに来ただけですけど、応援しに来ました」

「あはは、素直だね。ま、嬉しいけどね」

「あ、そうだ。試合前ですし、これ食べますか?」


 魔力袋からおにぎりを取り出した。


「ん? これはなんだ? 初めて見る食べ物だね」

「それは、おにぎりって言います。僕の父の領地で取れたお米と言うものを使った食べ物です」

「へー、それじゃ頂きます」


 イヤさんが一口パクッと食べると、その状態で固まってしまった。


「あ、あれ? お、美味しくなかったですか?」


 そう聞いても、イヤさんは動かない。

 と、思ったら。バクバクッ! と、いきなり食べ始めた。


「う・・・」

「う?」

「うまかぁ!!」

「・・・え?」

「あ、えっと、すっごい美味い!! こんな美味しいもの初めて食べたよ」

「そ、それは良かった」


 おにぎりは喜んでもらえた。にしても、うまかぁって方言? だよね?


「あ、あのさ……今の聞かなかった事に出来る?」

「え……あ、はい。ボクハナニモキイテマセン」


 そこからは、沈黙が流れたが、その後直ぐにイヤさんは試合の時間になり部屋を出て行った。


「イヤさん。上で見守ってます。頑張ってくださいね」

「……ふふ。ありがとう。頑張るね」


 控え室を出て、上に戻ると丁度試合が始まる寸前だった。


「イサミ! こっちこっち」


 レイドの声は人混みの中でも耳によく届く。


「はーい」


 手を振り返して、そっちに向かった。

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