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アシスタント

-- 『錬成』ホムンクルス。

-- 『錬成』トレント。


そう唱えた瞬間、ゴブリンの時と同じように、錬成ウインドウに表示されていたスラッシュの右側の数字がマイナスされ、目の前に複雑な図形が二つ浮かび上がり、そこから何かが落ちてきた。


1つは30cmくらいの立方体の透明な箱に入った、蹲った小さな人形のようなもの。

もう一つは1mくらいの高さで、幹に禍々しい顔のような穴が開いており、根がグネグネと蠢いている樹である。


トレントというのは樹木の怪物だったはずなので、多分この小さな人形がホムンクルスで、樹がトレントだろう。


目的はホムンクルスとトレントを合成してできる「ホムンクルス・エルフ」なので、

錬成ウインドウにあるホムンクルス・エルフの欄が錬成可能になるのをまち、そのまま合成する。


■ホムンクルス + トレント → ホムンクルス・エルフ


-- 『一次合成』ホムンクルス・エルフ


そう唱えた瞬間、視界がウインドウで埋め尽くされた。


驚きながらもいくつかのウインドウを見てみると、どうやらホムンクルスの個体名や体格、魔力や膂力、更に使用可能なスキルに関する設定ウィンドウのようだ。


また、後程わかった事だが、この設定ウインドウを開いて設定している間、世界の時間は止まっているらしい。

時間をかけてもいいから、間違った設定のホムンクルスを生み出すなという温情措置かもしれない。


それはさておき


-- 設定項目どれだけあるんだよ…。


-- えーと名前は……デフォルトでいいか。

-- 「アシュリー」な。


-- 性別は女性っと。商売の売り込みをするなら女性に限る。

-- 古今和歌集にもきっとそうかいてある。


-- 次はパラメータか…。

-- 未知の場所へ送り出すわけだし、ある程度の自衛は出来ないとまずいよな…。

-- 知性と魔力と精神は設定できる最大値にしておこう。

-- その影響で膂力と体力は最低値になっちゃうけど、まぁエルフは魔法特化のイメージだし大丈夫だろ。


-- スキルの数も膨大だなぁ…。

-- とりあえずお約束の風と土の魔法は確定で、あとはこの『商売人』てやつと『調査』ってのと『交渉』ってのを入れておくか。

-- 商売に有効活用できそうだ


-- あと悪人に騙されてもまずいから、この嘘が見破れるとかいう『真贋の見極め』ってのも入れておこう。

-- それと自衛の為に『護身術』と『気配察知』っと。

-- あぁ、言葉が通じないと困るな。んじゃ『言語翻訳』も。



-- どうもスキルの取得数とパラメータに関連性が見えるな…。

-- 見た感じ高パラメータにするとその分取れるスキルが減るってところか。

-- まぁ納得の措置かな。


-- 次は基本装備と戦闘スタンスか…。

-- なんか段々楽しくなってきたぞ!

-- よし、まず戦闘スタイルは魔法を基本にして武装は…


偉い人は言いました。。

セッションはキャラシ作成が一番楽しいと。





そうしてたっぷり時間をかけ、地球の知識とダンジョンコアとしての知識を総動員し、恐らく現状最善だろうというホムンクルスのパラメータが出来上がった。



【名前】

アシュリー


【種族】

エルフ


【個体値】

生命力:C

魔力 :A

膂力 :E

知性 :A

体力 :E

精神 :A

敏捷 :B

生産 :E

運 :C


【スキル】

『風魔法』

『土魔法』

『回復魔法』

『調査』

『交渉』

『真贋の見極め』

『護身術』

『気配察知』。

『言語翻訳』


【戦闘】

主武器:ロッド

副武器:短刀


遠距離からの高コスト魔法による先制攻撃を主体とし、

接近戦では低コスト魔法と護身術の併用で対処する。



【その他】

寿命 :なし

生成時衣類:エルフ基本形

性格 :温和、貪欲

自立性能 :高



とまぁこんな感じだ。

スキルにしてもパラメータにしても、詳細を知りたいと願えば詳しい内容がポップアップしてくるから困惑する事なく選べ、実に楽しかった

まぁ『真贋の見極め』があれば多少のトラブルは防げるだろ。


-- 設定間違いは…なさそうだな。

-- んじゃ合成!



そう唱えた瞬間、視界を埋め尽くしていたウィンドウが一瞬で消え去り、目の前には典型的な美少女エルフが立っていた。


金髪碧眼で耳は尖っており

トップスは草で編まれているらしい緑の洋服。

ボトムスは緑のチュールスカート風で、見た目のイメージは清楚なお嬢様だ。


売り込みに行くこと考えると、若干相手に舐められそうな危険な雰囲気があるが、まぁスキルの存在もあるしある程度は大丈夫だろう。

と思いたい。



…と、それよりもまずは彼女の性格を確認しなければ


-- あーあー。アシュリーさん?僕の声聞こえてる。


「はい。もちろんですマスター。」


ふむ。声は柔和な感じ。


-- うん。実は君を錬成したのは交易を行って欲しいからでね。

-- で、お願いしたい内容なのだけど…。


「はい、全て理解しておりますマスター。」


-- 近くの集落に…え?



「私のように知性がA以上で錬成されたモンスターは、生成時のマスターの思考を継承して産まれるのです。

ですので、マスターが考えている内容は全て理解できております。

お任せくださいませ。」


おおう。なんという親切仕様。

説明の手間が省けたぜ。


-- そうだったのか。それは心強い。

-- …その継承って知性がA以上の時だけ?


「いえ、D~Bのモンスターを錬成する場合は直近の部分的な思考に留まりますわ。

全て継承するのがA以上という事になります。」


…ふむ。

なれば一切継承させたくないモンスターを作る場合は、知性はE以下で作る必要があるのか…。

覚えておこう。


あまりそういう状況に陥るとは考えたくないが

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