闇
今回はどうにか投稿出来ましたo(*⌒―⌒*)o
その頃、魔王城ではアルペシル国に属する近隣の村で民が冒険者を名乗る集団に襲われると言う事案について会議が始まっていた
「陛下!いっその事不法侵入者として裁くと言うのはどうでしょう!」
「「「「そうだ!その方が後々拗れずにすむ」」」」
「いいや。それでは甘過ぎる!人間を抹殺した方が我らの平和のためだ」
「「「「そうだ!人間ごとき抹殺してしまえ」」」」
「フュルスト侯爵様の言う通りだ!人間ごとき取るに足りん奴らなど殺してしまえ」
「その様なことをしてしまえば全面戦争は免れぬぞ!ここはグラーフ辺境伯殿の方が良いのでは!」
二つの派閥が対立するなか、中立派と陛下ら側近は一切口を挟まず毎回おこる口論を見ながら各々の配下から送られてくる内容と現状を冷静に見比べていた。彼らの口論中グラーク辺境伯の手元に一通の報告書が届き、フュルスト侯爵の相手を傘下の者に任せ彼は暗号化されている内容を読み解き始めた。また、彼フュルスト侯爵の元にも一通の密書が届いた。それを読み彼はニヤリと笑みを浮かべると
「マルキシオス侯爵殿いえ、王弟殿下」
マルキシオスは王弟殿下と呼ばれ陛下との会話を一時期止めフュルスト侯爵に
「臣下に下った身。王弟殿下と呼ばれる理由がないが、何かあるのだな?」
「あなた様にとって家督を継ぐ大切なお嬢様のことですよ。陛下にとっても可愛い従弟について是非お耳に入れておきたい事案があります」
マルキシオスと魔王はお互いに目線を交わし
「我が許す、話してみよ」
「はっ!」
彼は背筋を正すと
「先ほど隣国であるアルペシル王国に潜入していた私の配下からの密書でこう書かれておりました」
『マルキシオス侯爵の一人娘リゼルレディシオ侯爵令嬢様が、魔の森からアルペシル王国へ向かってきたが途中人混みに紛れ姿を見失った。辺り一帯を探したが見当たらずそれらしき人影を見たものもおらず、至急お知らせします』
「との事です」
ザワツク中フュルスト侯爵は追い討ちをかけるかの様に
「ですから、今すぐ人間を滅ぼすか支配下におき奴隷として使いましょう!どうですか!?」
ここぞとばかりに言う彼にマルキシオスは勿論の事魔王と宰相も一切言葉をはっしず数分いや数十分だったか経ってから
「出来損ないであるアレが、勝手に行き勝手に捕まった。ただの自業自得だろう。知らせてくれたところ悪いが、アレごときの為に陛下の政を揺らがすとでも思ったか?」
「・・・・で、ですが唯一の跡取り亡くすことに!」
「それがどうした?また、産ませばすむ話だ」
「「「なっ!?」」」
読みが外れたフュルストは驚愕し次の策を練り始めその他のもの達もあまりの言いように愕然とした。だか、彼女の事を知る唯一の3人は『また遊んでいるのか』と思っていた
「裁決を下す。アルペシル王国に一定の抗議文と共に『次回不法侵入、又は民に牙を剥けばその者達の身柄を預かり我が国の法で裁く』とする」
陛下の言葉の後に続き
「何か異が有るものはいるか?」
「「「「「・・・・・・・」」」」」
「異を唱えるものがいないようなので、この内容で行う」
「「「はっ!」」」
陛下とその側近が退出し執務室へ向かいながら彼らは誰にも聴かれないよう防音魔法と張り
「・・・・あやつ等は、あの娘の恐ろしさを知らんのか?」
「無能な奴らは気付かないだろうな」
「いえいえ!あの娘は隠密も暗殺者も真っ青ですよ。気配もそうですが魔力が一切漏れておらず、あの髪や瞳の色を誤魔化していないと思い込ませる演技力。私も言われるまで気づきませんでした」
「俺もだ。あの娘と街中で会った時だって気づけなかったし謁見する時にこう言われてようやく気づいた『陛下。街中をお一人で歩かれるのはどうかと思います。また、見知らぬ少女に手を差し伸べ悪意から救おうとした事には称賛致しますが小道に案内され堂々と付いて行く者がおりますか!私でなければ、確実に傷を負わされていましたわ』とな」
陛下もグラテフス宰相もライゼルの方を見ながら内心『『あの娘を何処へ向かわせるつもり(なん)だ』』と思いながらもそれを口に出せば何をされるか分からないため二人とも口を閉ざした
「それよりもリゼルとは連絡が付いたのか?」
「全く連絡なしの消息不明。俺の影でさえも見失ったまま見つけられてない」
「では、フュルスト侯の仰った通り拐われたか人身売買に捕らわれ身動きが取れないのでは?」
「「それはない!」」
「流石、ご兄弟。息がピッタリですね」
「ゴホッ!本当にザイゼルの影でも分からぬのか?」
「今回ばかりは、痕跡を全て途絶えているから流石の俺でもお手上げだな」
「魔力では?」
「無理だ。今現在、人間の国にいるんだから魔力の波長や性質・身体能力・嗅覚など全て合わしているだろうから俺らでは見つけられないな」
執務室に到着し各々の紅茶をグラテフスが置きソファに向かい合う様に座り、防音と侵入阻害・盗聴阻害を複数部屋にかけ
「では、彼女の闇では?」
「あ~それも不可能だな」
「何故だ?」
「お前も兄さんも知っていると思うが、隠密を行う者達は主の命令に絶対で主が『隠せ』と言ったら自害してでも隠しきる」
「ああ。だが、魅了と洗脳をかけておけば情報を聞き出せるだろう?それが無理でも魔法封じと奴隷印を付けこっち側に絶対服従させれば死ぬこともなく話すだろう?」
「普通の隠密ならばね」
彼の言い方に何やら聴いては行けない国家機密並のヤバイことだと今更ながら理解した二人は、逃げ出そうとするがすでに遅し彼らをザイゼルは押さえ物凄く良い笑顔で
「あの娘の隠密・・・闇は、まず捕まらないし何処にいるか他の隠密でも見つけられない。そもそも姿を見たことがない」
「「・・・・」」
「なあ、弟よ。あの娘を敵に回したらこの国でも滅ぶって言わないか?」
「そうとも言う」
「いやいやいや!!そうとも言う・・・じゃねぇよ!?俺、魔王を辞めて他国へ行こうかな」
「陛下、私も同行しても?」
「ああ、共に行くか!」
「この話を聞いてそう易々と逃がすとでも?」
「だよな」「ですね」
二人は揃って溜め息を付き、ふと気になったことをこの際に聞くことにした
「弟よ。何故、あの娘をフルネームで呼ぶなと言っていたんだ?」
「あの娘のフルネームって確か『リゼルレディシオ・ギネカ・マルキシオス』侯爵令嬢ですよね」
グスタフがフルネームで呼ぶとザイゼルは、『あ~あ言っちゃった』とでも言うように顔をひきつらせていた。彼の思った通り
「お呼びでしょうか?グスタフ宰相様」
と何処からともなく彼らの所に現れた。グスタフと陛下が機械のようにぎこちなく声がした方へ振り向くなかザイゼルは笑顔を浮かべ
「お帰り、リゼル」
「お父様、ただいま戻りましたわ。ですが、残念なことにもうしばらくかかりますので火急のご用件がないのでしたら戻らせていただきますわ」
「・・・リ、リゼルレディシオ嬢。どうやってこの部屋へ?」
グスタフが硬直から立ち直り聞くと不思議そうに首を横にかしげ
「普通に移動魔法で来ましたわ」
「・・・・この部屋には頑丈に侵入阻害などの多数の魔法が張られているのですが・・?」
「波長を合わして一時的に解除しただけですわ」
リゼルの服装は真っ赤なドレス姿や人間の格好でもなく闇に溶け込むような真っ黒の上下と帽子を被っていた。そんな彼女が苛立ったように
「ご用件がないのでしたらもう、戻ってもよろしくて?」
流石にただ、呼んだだけと言ったらヤバイことを察知した陛下は
「用件はある。我が国の民が魔の森付近で誘拐されている可能性があるそれも人身売買の可能性もある」
彼女は艶美に笑うと
「それが本当でしたら探しだして黒幕ごと全てに体裁を下さなくてはいけませんわね」
と言うなりザイゼルの方に向き直り彼女は「リタ」と一人の名前を呼び
「お父様、この一件の資料など全てこのオスクリタにお渡しください。では、私は戻りますわね」
と言い来た時と同じように姿が急に消えた。残されたザイゼル・グスタフ・陛下はあの娘に呼ばれ現れたリタと愛称で呼ばれたオスクリタと言う名前の少女?少年の4人
「「「「・・・・・・・」」」」
「オスクリタ。君は私の娘リゼルの闇に所属している者だな?」
「・・・・・」
彼らは沈黙は肯定と受け取り話を進めた
「リゼルは今、何処にいるんだ?」
「我が主は、貴殿方の命令でアルペシル王国に潜入している」
何も話さないと思っていたが質問に答えた事に内心驚く彼等は表面上は取り繕っていた
「アルペシル王国の何処にいる?」
「・・・・」
「我は、この国の王で魔王だ。お前達は我等に害を成すつもりはあるのか?」
「我らは主様の願いに添うだけだ。それ以上も以下も有りはしないそれにもう、姿や声を見聞きさせることはない。今回は主が望んだゆえ姿を見せたのみ資料などはその辺に纏めて置いてあれば勝手に持って行く」
彼?彼女?はグスタフが集めた資料を瞬時に取り姿を消した
「闇に会えたことは収穫だ」
「そうだな」
「・・・ところで、フルネームを呼べばあの娘が来るのならもとから呼べば良かったのでは?」
もっともの質問をするグスタフにザイゼルは苦笑いを浮かべ
「火急の用件無しで呼び出してみろ!リゼルは怒り任務遂行後、休暇をとか言い出し他国へ行ってしばらく戻らないか姿を消して見つけられないかだぞ」
「そんなことがあるはずが「・・前科がある」えっ!?」
「そう言えば、あのとき迂闊にもフルネームで呼び出してしまい用件がくだらないものだと知った瞬間『この任務終わりました休暇を無期限でいただきますわ』と言って三年はこの国に帰ってこなかったな」
「に・い・さ・ん!!あの時いきなりリゼルが姿を眩ませたのは兄さんのせいだったのか!!」
「・・ま、まてザイゼル!し、知らなかったんだーーー!!」
グスタフは危険を察知し巻き込まれる前にそっと陛下の執務室から出た




