訓練所に天使
明けましておめでとうございます。今年もご愛読頂けるよう誠心して参りますので、何卒よろしくお願いいたします
城内の庭ではいつもと変わらない朝日が昇る中、騎士や軍が訓練をしている。その何気ない日常にそこには相応しくない淡いドレス姿の少女は憂鬱そうな表情をしている。その彼女に目の前の男性は手を握りなにやら熱心に話しかけているが当の少女は困ったように笑みを浮かべている
そんな彼女達を鍛練をしながら横目で見ている彼らは助けるべきか同僚達と目を交わし意思疏通を図り、その軍の団長だろうか?がたいの良い男性が同僚達に指示を出してから少女の元へ足を運んだ
「そう・・・ゴホン。お嬢様、どうか成されましたか?」
少女は少しの間の後に
「・・・この殿方が行きなり私に近づき手を握られたのですわ」
少し涙目になりながらも事の顛末を話し始めた。結論から言うと
少女が鍛練をしている騎士や軍の人達を見つめていたら背後から近づき『俺の天使!こんなところで再び会いまみえられるとは!』と男は感激のあまり少女の手を握り『イヤ!放して』と言うが男は持つ耳がなく抱き締めようとしたところ彼が来た。
団長らしき人は思い出すような素振りをしながら
「貴方は昨日人間界から来られた使者の方だな」
「!そう言う貴方は、城まで案内してくださった軍人では!?」
「そうだ。また会ったな」
彼は、少女の手を離し軍人である彼の手を握り
「昨日はどうもありがとうございます。お陰で何事もなく会談を終えることが出来ました」
「そうか。それは良かったな」
軍人は隣で怯えてる少女をチラチラ見ながら男性の手から逃れ
「聞きたいんだが良いか?」
「何なりと!」
「あ~その人間界では、女性に・・・手を握ったりするのか?」
男性はキョトンとしたが先程の事を思い出したのか顔が真っ青になり地面に頭をつけ
「お嬢様、ご無礼を御許しください。その、夢で会った天使様と雰囲気が似ていたため感極まりあのようなことを・・・どの様な罰でもお受けいたします」
彼の言葉で回りは静まり返り、軍人の方々は憐れむ様な視線を送り騎士は『それでこそ男だ』と感心したように見ている
その中で少女は困ったように微笑んだまま
「・・・ですが、その様なこと私では───」
「ここにいられたのですね」
眼鏡をかけた男性は彼女の側に近寄り何かしらを伝えてからもと来た道を戻っていった
「ごめんなさい。私、急用が出来ましたので失礼致しますわ」
と言い残すと少女は眼鏡の男性の後を追うように城内へ戻っていった
残された彼らは何事もなく終わったことに安堵し彼女に話しかけてた男は名残惜しそうに彼女の後ろ姿を見つめていた
「あの方は、この城に滞在されているのですか?」
団長は少し考えるそぶりを見せながらも
「今日は、仕事で泊まられていた。あとお互いに敬語をやめにしないか?」
「・・・分かった。それで彼女は何処の貴族の娘なんだ?」
「確かにあの方は貴族の娘ではあるが、何故分かった?」
「冷静に思い出してみると着ていたドレスの生地は高級なシルクだった。それにあの従者との会話時の表情は上に立つ者の顔だった」
「そうか。どちらにしろお前はあの方にまた会えるぞ」
「何故そう言える?」
「彼女がお前の案内役だからな」
「・・・・・はっ!?どう考えても高貴族の娘だぞ!!俺ごとき一騎士の案内役など畏れ多い」
「そういや俺ら名のってなかったな」
「あっ!申し訳ない」
「お互いに忙しかったからな。俺は魔王軍第三部隊隊長 アルキゴス・トゥリトスだ」
「俺はアルペシル王国総指揮官を務めている プサカス・ストラテーゴス と言う。昨日は入国許可を頂き感謝している」
「あれは、俺の力じゃねぇよ。さるおかたからお前が入国を求めに来るだろうから行けと言われただけだ」
「だか、そのお陰で入国出来たんだからトゥリトス殿に感謝してる」
隊長は頭をかきながら
「そろそろ朝食を取りに行くか?」
と問いかけると彼は
「俺には別の食事が出される」
「大丈夫だ。今日はあの方が来られるからストラテーゴス殿の食事も同じになる」
「俺を迎えに来られるなら着替えてくる!」
「いや、まて!あの方は軍服で来られるから着替えると浮いてしまうぞ」
「・・・それでは案内を頼む」
「ああ。こっちだ」




