茶番劇のあと
彼の処分がすんだリゼルはごみ処理を従者達に任せ別室で見物している彼等のもとへ向かった
「リゼル、ご苦労であった」
リゼルは、彼らの向かいに腰を下ろし
「有り難きお言葉」
父親からの誉め言葉に言葉を返し侍女が運んできた紅茶を優雅に飲みながら、ようやく茶番劇が終ったことに安堵していた
「リゼル様に比べ貴方は何もしていないのでは?」
宰相の冷たい視線にゼッルは視線をそらし隣に座っていた教え子を見てニヤリと笑った
「それなら、このガキはどうなんだ?」
急に話をふられた彼は萎縮していた体を更に小さくさせ震えた
「彼はそこに居させることで、リゼル様だけでなく3人の中で一番力が弱いものが生き残っていることを証明させるためですよ」
「それなら、俺がいる意味は何だったんだ?」
「貴方には、リゼル様の補佐として送ったのですが・・・意味ありませんでしたね」
リゼルの方をチラッと見た宰相を言葉を締めくくり
「ディナンさん」
「はっはい!」
「ご苦労様でした。この事はどうぞご内密にお願いしますね」
宰相からの圧力に首振り人形化したディナン。それを見て遠い眼をするゼッル。我意に関せず状態で紅茶を飲んでいる親娘
「それでは、これで解散と致します」
と言い彼の手を握ると何かを手渡した
「こ、こんなの頂けません!!」
「これは一種のけじめですので、受け取って貰えないでしょうか?」
「で、ですが!!」
「これで、お母様のご病気を治してはいかがでしょう?」
「・・・・・」
このやり取りを聞いていたリゼルが何かを言うため立ち上がったが
「貰っておけ。高い給料のバイトをしたとでも思って受け取っとけばいいんだよ」
リゼルは事が収まりそうなので、ソファに座り直した
「・・・分かりました」
「それは良かったです。帰りは騎士に送らせますので、安心してお帰り下さい」
「何から何までありがとうございます」
頭を下げて、扉の外に待っていた従者が案内をしていくのを見届けた彼らは穏やかな雰囲気から一変し
「それで、リゼル様はどうお思いで?」
リゼルは、ただただにっこりと微笑み
「ばらすようなら私が、処理しておきますわ」
と言う。それを聞いたゼッルは顔をひきつらせ
「同じクラスで、グループも同じでも処分するのか?」
彼女は、何を今更。という風に首をかしげ
「何を言っているのかしら?今日の味方が、明日も味方とは限らないわ。一度でも裏切れば情け無用よ」
清々しく言いきった彼女に同意する総司令官と苦笑いを浮かべる宰相。驚くゼッルと三者三様だったが、ゼッルはそれが彼女に与えられた仕事だと割り切った
「ところで、リゼル様」
「何かしら?」
「陛下は何処に居られたのですか?」
「常に私の側にいましたわ」
キョトンとする宰相はさらに
「何故、その様なところへ?」
「さぁ?いつもの戯れではなくて」
何故、彼が学園に居るのかを知っているが答えないリゼルは宰相に
「御願いがあるのですが、まともな文官を育てて貰えないかしら?」
「・・それについては、此方も手を打っているのですが中々思うように育ちません」
「分かりましたわ。とにかく私が担当する者達だけでも育て上げておきますわ」
「助かります」
リゼルは、それでは と言って立ち上がると
「明日の午後は授業を受けずに登城してきてください。近々行われる物について確認を致しますので」
「分かりましたわ」
それだけ、返事を返しリゼルは帰宅した




