断罪の間
帰還後、リゼルは魔王城一部屋に我が物顔で入って行った。その後をついて入ろうとしているディナンをアスターが引き連れて来賓用の部屋に連れて行った
「お嬢様。お風呂のご用意が出来ていますが、お入りになられますか?」
リゼルは、出された紅茶を飲み一息ついてから
「そうね・・・先に入るわ」
「畏まりまりた」
侍女に体を浄められている間リゼルはこの後やらなければならない茶番劇にため息をこらえた
きっとお父様の事だから全て揃えていながら私を試すのでしょうね。陛下・・・いえ、アスターには今回の全容を明らかにし道化を演じさせる方かまたは何も教えず私達だけの推察と証拠だけでやらなければならないのか。今回はどちらでしょうね?
お風呂から上がり侍女に紅茶を用意させると下がらせた
さてと、あのとき感じた魔力は2人分。学園長と・・・あの3年の先輩の魔力。だけどそれを更に変更し一定の魔力以上で発動するよう文字を変え、魔方陣を隠蔽したものが居るはず・・・・・今から見に行っても消されているだろうし、こうなったら記憶で再現するしかないかしら?
リゼルが考えに更けているときにドアのノックオンで一時思考を止め
「どなた?」
「リゼル様。陛下が執務室に1時間後に来るようにとお呼びです」
どこの執務室でしょう?ですが、陛下がおよびと言うことなら扉の向こうに居る彼が案内してくれるはずよね?
「分かりましたわ案内お願いできるかしら?」
「いえ。私は場所を存じておりませんのでご案内することは出来かねます」
「そう。伝言ご苦労様」
「では、失礼致します」
はぁ~さっきの従者が知らないと言うことは、教えていないそれなら場所はあそこね。別名、断罪の間。歴代の王が公開処刑のみならず、態々側近を集め反逆罪やその他のことで処罰を与える場所。主に貴族がそこで裁かれる・・・のだけど今回は、誰に消させるのかしら?
リゼルは場所が場所だけに服装を変えるため侍女をベルで呼び出しクローゼットの中にある彼女の真っ赤なAラインのドレスを取り出し侍女に髪をあげて貰うと
「もう下がっていいわ」
「はい。失礼致します」
彼女が出て行った後リゼルも廊下に出ると扉を壁に変え、姿と気配を魔法で消すなり物音一つ経てずに呼び出された執務室へ向かった
◆◆◆◆◆
リゼルは執務室に着くなり扉をノック無しに開け一歩左へ避けた
リゼルが立っていた場所には、深々く刺さるナイフと白い霧がその場所に止まっていた
はぁ~なんて物騒な所なんでしょう。普通の人ならナイフを避けたとしてもこの霧を知らぬ間に吸って即死だと言うのに
リゼルは毒霧をパープル色の宝石に変化させ、ナイフは飛んできた方向に投げ返した。部屋の中には既に陛下、宰相・魔王軍総司令官。そしてゼッルがいた
リゼルは丁寧にカーティシーを行い
「陛下におかれましてはご機嫌麗しく何よりです」
「定型文は良い。それよりもここに呼ばれた意味は分かっているだろうな」
「はい、存じております。先の魔方陣書き換えと隠蔽に関する学園側への追求です」
「リゼル様。確かにそちらも行いますがもう一つ有るのですがお分かりですか?」
リゼルはハッと閃きまさかと思い魔王軍総司令官である父親に目線を一瞬向け自分の考えが間違っていない事を理解した
なるほどね。今回の隠蔽は私の仕事って言うわけね
この僅かな時間ですでてを理解したリゼルは口角を上げ
「軍部の事ですね」
「ああ。処分は本来なら総司令官であるザイゼルに任すのだが、今回はその方リゼルレディシオに任せる」
リゼルは膝を付き胸元に右で宛
「はっ。その任この私リゼルレディシオ・ギネカ・マルキシオスがしかと承りました」
「では、そっちの方はリゼルに任す。それで構わないなザイゼル」
「はっ。なんの問題もございません」
はりつめた空気を壊すように宰相が
「はいはい。ここからは私が今後の流れをお話するので、皆さんソファに座ってください」
リゼルは空気が軽くなったことで表情をもとに戻し各々の前に紅茶とお茶請けを出し父親横に座った
全員が座ったことを確認すると父親の前に座っている宰相は明日の天気について話すように
「学園長には消えて貰うことに成りましたので、少し手間がかかると思いますがリゼル様。何処かに処分してきてください」
「分かりましたわ」
ゼッルとリゼルはこの時ふと思った
あの狸ジジイ(学園長)はグラテフス宰相の再従兄弟じゃあ(では)なかったか(かしら)?
リゼルは内心ひきつった笑みを浮かべていた
そしてまたゼッルと思いが重なった
あいつ(この方)は再従兄弟であっても容赦ねぇ(ないわね)。彼奴(あの方)だけは敵に回したくねぇな(ないわね)
それから話は進みアスターは疲労で寝込んでると言うことになり、リゼルとディナン・ゼッルが学園長と対峙することになり陛下や宰相・総司令官は別の部屋でその話を見物することになった
ゼッルが最後まで嫌がっていたが宰相の目が笑っていない笑みで快く了承した




