万能型
サバイバルが終わり通常授業に戻ったが、1ヵ月後に迫るテスト対策に全員がおおわれていた
「範囲どこまでだった?」
「始めから48ですわ」
リゼルはアスターに答えながら可愛いブックカバーに隠された本を読んでいた
回りが問題の出し合いをしているのを聞くなり
「魔法属性の数を述べよ」
彼のいきなりの問にも動じることなく
「大まかに 光・水・風・火・土・闇・無系統 の7種に分類されます。そこに 光なら 回復・治癒・雷と言った属性が入り21種類になりますわ」
「……あってるな。だか!「無系統には複合も含まれるため実際の属性数は1000を超えていると言われていますわ」………」
「…………」
「…………」
彼は一切反応しない。リゼルも一切気にしないで本を読み進めていく
「光と闇属性の適合人数が少ないのは?」
「もともと闇属性は、暗殺に使われることが多く遥か昔にその一族が王位継承により勃発した戦いに巻き込まれ滅びたとされています。そのためその血筋の生き残りが少ないのですわ」
リゼルは読み終えた本を閉じると
「光属性は人間の聖職者が魔族に実験として無理やりその属性を使用出来るようにさせたからですわ。まぁ、本来は魔法が使える原理を知ろうとしたときの副産物ですけどね」
答えるだけ答えるとリゼルは席を立ち
「用事がありますので失礼致しますわ」
「おい、用事ってなんだ?」
彼女は振り返り
「アスター様には関係のないことですわ」
「お、おい!リゼルっ!」
彼が叫ぶなか気にすることなく教室を出て行った
リゼルが教室を出て行ったあとアスターは何気なく置かれた本をペラペラと捲り自分の鞄へしまった
翌日の授業は復習から入りテスト範囲内の内容を教え始めた
「パーティー編成にもよりますが、前衛・中衛・後衛 に分かれ攻撃することが一番セオリーな方法です」
教員は一旦席を見渡すと
「それではアスター君」
「はい」
「今ここで即席5人パーティーを作るとしたら誰をどこに配置しますか?」
アスターはチラリとリゼルを見るが当のリゼルは授業とは全く関係のない本を読んで視線にすら気づいていなかった
「僕なら………後衛にウィザードの水魔法の使い手レイナさん・無系統の使い手アベック君。中衛にアーチャーのディナン君。前衛にパラディン兼ガーディアンのリゼルとグラディエーターの僕。このパーティーが即席の中では一番生存率が高いと思います」
「「「「「「…………。」」」」」」
ドヤ顔をする彼とは反対にクラス中に沈黙が訪れた。彼の横でリゼルはため息をはきだし本がパサッと言う音と共に閉まると沈黙から一転しざわめく声が聞こえ始めた
「…………う、嘘だろう?」
「何であの落ちこぼれがパーティーに選ばれるの?」
「お、俺が選ばれた!?」
「それより何で俺たちのジョブを知っているんだ?」
『パンパン』
教員が硬直から立ちあがり手を叩くことで意識を自分へと向けさせた
「アスター君。何故、そのパーティーを選んだのですか?」
教員の視線はアスターではなくリゼルの方を向いていた。暗に『何故、そんなでき損ないを選んだ?』と聞いてくるように
アスターはその視線に気づきながらもわざわざ一から説明しだした
「まず、ウィザードの水の使い手レイナさんは攻撃として無系統の使い手アベック君は支援係り。中衛のアーチャー ディナン君は僕達の援護を………そしてリゼルは、現状把握能力はこのクラスの中でトップクラス。さらに、剣の腕も僕と互角だからです」
彼はコソット「まぁ、ウィザードとしてもこいつにかなうものはいないんだけどな」
それを聞き取り睨むリゼルだったが
「………り、リゼルさん。貴女は2つのジョブを??」
「はい」
その横でアスターが小声で
「ほぼ万能に近いんだがな」




