3話 ギルドに入会したいのだが
俺とフランは街に向けて歩いている。
さて、[進行補助]君。[魔王の娘]という意味を教えてくれまいか?
『解。そのままの意味です。』
だろうね、知ってたよ。それにしても、この世界には魔王がいたんだ。
『告。世界には魔王と呼ばれる存在は数人存在します。フランはその中の一人の娘です。』
マジかよ。
『解。マジです。』
じゃあ、次の[魔王の卵]は?
『解。将来的に魔王になる確率が高いものに贈られる称号です。』
という事は、フランも最終的に魔王になるのか?
『解。可能性が高いだけです。』
絶対とは言いきれないと······
次はレベルの事だな。フランのレベルは48、これで下級竜には勝てるレベルか。下級竜ってこの世界でどれぐらいの強さなんだ?
『解。危険度Bランクに分類されます。』
危険度Bランクって何?
『解。冒険者ギルドが作った魔物の危険レベルです。上からS、A、B、C、D、E、F、Gに分類されます。』
下級竜がBランクか。ならあの蜂はどのぐらいだ?
『解。巨大蜂は単体ではEランクですが群れをなすことでDランクになります。』
ほー、結構弱いんだ。
『告。普通の人にとってはFランクでも充分に脅威です。』
まるで俺が普通の人じゃない見たいな言い方しないでよ。
「ねぇ〜、さっきからどうしたの?」
不意にフランが顔を覗き込んで来た。因みに今は俺が([分解調合]で)作った服を身につけている。可愛い。
「なんでもない」っと頭を撫でてやると「えへへ〜」っと嬉しそうに声を漏らした。
可愛過ぎる、なんですかこの生き物?えっ?龍人?知ってる。
いかんいかん可愛過ぎて手を出してしまう所だった。そんな事したら何処かに居るフランのお父さんである魔王に殺されていまう。
『告。フランの父である魔王は既に死亡しております。』
えっ、なに?じゃあ、手を出してOKなの?
いや、止めておこう。俺はロリコンでは無い。あっ、でもフランは見た目はロリだけど60歳だったな。ならOKなのか?
そんなこんなで街に着きました。物凄く高い壁が街中を囲っており、門の入口には列が出来ていた。
この列に並べばいいのかな?
俺はフランと一緒に列に並ぶ事にした。
少しすると、俺達の番になった。
「身分証明が出来るものを提示しろ」
「えっ?持ってないけど······」
「なんだと?」
門の兵士に身分証明が出来る物の提示を求められるが、そんな物持っていない。
「怪しい奴らだな。お前ら、コイツらを連れてこい!!」
「「はっ!」」
俺とフランは兵士3人に囲まれて門のすぐ横に備え付けられている部屋に連れてこられた。
どうしよう。逃げた方がいいかな?
『解。オススメしません。後々面倒なことになります。』
ですよね。
席に着いて待っているとさっきの兵士が何かに機械を持って部屋に入ってきた。
「さて、お前ら、これは、真実の鐘と呼ばれる魔法道具だ。今から質問するから正直に答えろ。嘘を言ったら1発で分かるからな」
魔法道具?本当にファンタジーな夢だな。
「まず、お前らは盗賊か?」
「違います」
「なら、何か犯罪組織のものか?」
「いいえ」
「何か犯罪を犯したことは?」
「ないです」
「そっちの子はどうだ?」
「ゆうきと一緒だよ!」
門の兵士はいくらか質問してから黙り込んでしまった。
「悪かったな。身分証明を出来る物が無いと、犯罪に携わっている奴らを街に入れないために、こういう事をやる決まりなんだ」
「いや、仕事ならしょうがないでしょう」
「そう言って貰えると助かるよ。───ほら、滞在許可書だ。10日間滞在できるぞ。それ以上滞在するなら街の役場に行って更新しろよ。衛兵に見つかったら罰金刑だからな」
「分かった。ありがとう」
門の兵士に頭を下げて部屋を出た。
▼▼▼▼▼
さて、思わぬことで時間を使ったが、次はどうするか。街(人がいる所)を目指して来たがその続きを考えてなかった。
『告。ならば冒険者ギルドで冒険者登録をするといいと思います。冒険者カードは身分証明も出来ます。』
成程。では、早速行こう。
「フランって、冒険者登録してるの?」
「うんうん。してないよ」
「なら、今から登録しに行くか」
「うん!!」
[地形情報]で確認しながら冒険者ギルドへ向かう。
門から数分歩くと周りの建物のより少し大きめな建物を見つけた。中に入り、受付みたいな所を目指す。
「冒険者登録をしたいんだけど」
「はい。手数料と入会金して1000ゴールド頂きますが大丈夫てすか?」
「大丈夫、2人で2000ゴールドだね」
[進行補助]に聞いて、2000ゴールドを払う。2000ゴールドは少し大きめな銅で造られた硬貨2枚だ。
早くお金についても覚えなければ。
「えっと、そちらの女の子もですか?」
「ん?そうだけど、問題でも?」
「いえ、こんな小さな女の子が登録に来るのは初めてなので、驚いただけです。では、こちらの紙に必要事項を書いたうえで、水晶に手をかざしてください」
この世界の文字は書けないし読めないが、毎度おなじみ[進行補助]さんに教えて貰い名前と性別だけ書き込む。その後、俺は水晶が付けられた機械に手をかざした。水晶が光り、画像が出てきた。
「えっ?レベル1?」
コラコラお姉さん。個人情報を漏らしちゃ行かんよ。
俺のレベルを聞いた他の冒険者達が後ろで笑いだした。
レベル1って、そんなに珍しいのか?
『解。余程のことが無ければ有り得ません。』
まぁ、不都合がある訳でもないし、いいけど。
続いて、フランも水晶に手をかざす。水晶に触る時フランの身長ではカウンターに届かなかったので持ち上げてあげた。
ぷにぷにしていて、いい匂いがして······はっ!!いかんいかん正気に戻れ、俺
「えっ?はっ、はぁ〜!?レベル48!?しょ、少々お待ち下さい!!」
お姉さん。また、ですかい。
受付のお姉さんは大声でフランのレベルを暴露してから、慌てて奥へ行ってしまった。
なんでだ?
『解。レベルが高いからです。フランの見た目の歳なら良くてレベル20です。』
それって、フラン位、(見た目が)若いのがレベル50近くだったら、大問題じゃね?
『解。大問題です。』
先に言えよ!!
なんか誤魔化す方法ないの?
『解。[不正能力]で隠蔽すれば誤魔化せます。』
[不正能力]はなるべく使いたくないので隠蔽は諦めることにした。
少しすると、受付のお姉さんが帰ってきた。
「申し訳ありません。こちらは故障したみたいなので別の物を持ってきました」
すみません。それ故障じゃ無いんです。
改めて手をかざすが、やはりレベルは48。お姉さんは諦めるように納得したようだ。
よし、これでカードを貰える────
「それでは、最後の段階に進みましょう」
────そう思っていた時期もありました。