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18話 奴隷を拾ったんだが②

今日は馬車で移動しながらではなくその場で話すことにした。同じ女の子のフランがいた方がいた方が安心出来るだろう。なのでフランを近くに置くため馬車を動かせない。


まぁ、腰を据えてゆっくりと話すのも悪くないだろう。


「自己紹介がまだだったね、俺はユウキだ」


「フランだよ!」


「わ、私はミリアと言います」


「さて、ミリア。どうしてあんな惨状になってたの?」


「私を運んでいた奴隷商人は非合法なやり方をしていたので関所を通らず街を渡るためにこの道を通っていたんです。そこを魔物に襲われて······」


まだ、思い出すと怖いのか少し震えながら答えた。


「なるほど······ちょっと、失礼[遊戯補助(ゲームアシスト)]起動」


「えっ?」


ミリアを抱えてその場から飛び退く。次の瞬間ミリアのいた場所に黒い影が通過した。


「襲ってきた魔物って、アレ?」


ミリアに確認をとる。


「そ、そうです······あの、あの魔物です」


ミリアは、震えながら答えた。


[進行補助(ヘルプ)]。アレは?


『解。巨大蝙蝠(ジャイアントバット)です。危険度はDランクです。』


大したことないな。


『告。反応が増えました。数100以上。』


「はぁ!?」


[地形表示(マップ)]を見ると一部が真っ赤に染まっていた。


『告。別方向からも来ます。』


おい、どれだけ来るんだよ!


「フラン!向こうから来るやつを頼んだ」


「うん、わかった」


[不正能力(チート)]の[一撃必殺]を起動させコウモリを石を投げて撃ち落としていく。フランは魔法で撃ち落としているようだ。一体一体はすぐ倒せるが数が多い。


「うぉおおお!!」


俺は石を投げ続けた。


▼▼▼▼▼


「ぜぇぜぇ」


やっとの事で全ての魔物を撃ち落とせた。そのせいで体力を消耗してフラフラだ。フランも魔力が枯渇気味だ。


その時、そこに追い打ちをかけるようにやつは来た。

姿は人で魔物ではないように見えるが背中から生える黒色羽がそれを否定する。


今までの魔物と比べ物にならない程の威圧感。間違いなく今まであった中で1番強い。


意識を集中させ相手の動きを伺う。その男は霧のようになった瞬間、ミリアの後ろに現れた。


「きゃ────」


悲鳴をあげる前にミリアの姿が消えた。


「────何をした?」


「······」


男は答えずにそのまま消えてしまった。

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