14話 オークが大量発生したんだが①
フィーゲル領に来て数週間後。
何となくギルドへオークまんを食べながら来ていた。
やはり、このオークまんは美味いな。
ギルドに入るとなんだか騒がしかった。
どうしたんだ?
「ん?おぉ!!ユウキ君にフラン君!!丁度いい所に来た」
「それはどうも。で、どうしたんですか?」
「実はな森で魔物が大量発生したんだ。それを討伐しに行くんだ。どうだ?一緒に来てくれないか?ちゃんと報酬は出るぞ」
「討伐か······」
正直面倒くさな。
やりたくない俺とは反対にフランを見るとやる気満々だ。ワクワクが体から溢れている。
「倒した魔物はその倒した奴のものに基本的になるから魔物を倒せば素材なんかでもお金が稼げるぞ」
「でもなぁ······」
お金は充分ある。正直あんまり惹かれない。
「そう言えば、盗賊する魔物は何なんだ?」
「言ってなかったか?オークだ」
「よし、行こう。早く行って肉を集めるぞ!」
俺は即決した。肉の為に。
▼▼▼▼▼
フィーゲル領の東側の森に向かう。ここは盗賊団の鳶が隠れ家にしていた洞窟があった森だ。もっともオークが大量発生したのは洞窟があった場所より北の方だ。
普通のオークの危険度はEランク。という事でこのクエストはEランク以上のパーティ、単独ならDランク無いと参加出来ない。
Cランクになっておいて良かった。
「今日は集まってくれてありがとう!!冒険者ギルド、フィーゲル支部ギルドマスターのガルツだ。今回の討伐対象はオークだ。正確な数は不明だがかなりの数が予想される。また、オーク・ナイトやオーク・アーチャーなどのオークの上位種も確認されている。危険と判断したら無理せず戦線を脱退して欲しい。いいか、絶対に無理はするな。みんな気を引き締めていこう」
「「「「「「うぉおおおおお!!」」」」」」
冒険者達が一斉に動き出す。
さて、肉を集めに行きますか。
「[遊戯補助]起動。[難度変更]普通から簡単へ」
[宝物倉庫]からナックルを取り出し身につける。フランにも大剣を出してあげる。
最近自分の力の強さが分かってきた。
なんにも使わない状態だどランクEの冒険者ぐらいなら倒せる。ただし魔物になると倒せない。人相手ならある程度戦えるから人型ならある程度出来るだろう。
今さっき使った[遊戯補助]、[難度変更]を使う場合はランクCぐらいなら無双出来る。ランクBになるとちょっとキツイ。ランクBの下級竜も倒せなかったしな。
まぁ、今回はオークだし大丈夫だろう。
────そう思っていた時期が俺にもありました。
初めての人型の魔物。予想以上になんか精神にくる。
豚みたいなんだが人型だ。豚みたいだけど。
考えろ、思い込め。あれは豚、あれは食料、あれは肉。────よし!大丈夫だ。
「ゆうき〜いっぱい倒したよ〜」
フランが顔に返り血を付けながら笑顔で戻って来た。フランが来た奥の方を見ると数10体のオークが倒れていた。
少じ、いや幼女が返り血を浴びながら無邪気な笑顔を浮かべていたら怖いよ。
フランが倒したオークは[宝物倉庫]に入れておく。さらに[分解調合]を使って血抜きをしておく。血抜きを早くやった方がさらに上手くなるって昔テレビでやっていた気がするし。
さて、フランに任せっぱなしは不味いから頑張らないとな。
おっ、オーク発見。数は3匹か。
俺は先頭のオークに急接近する。
「グォオオオオオオ!!」
先頭のオークが俺を発見し雄叫びを上げ切りつけようと斧を振り上げる。
「遅せぇよ!」
「グォッ!?」
手の甲でオークの顎を突き上げる。オークの体の重心が少し浮き後ろに傾く。即座に屈んで足を払い転ばせた。斧を奪い取り後ろに投げ新たなオークの追撃を牽制する。投げた斧は回転しながら1匹のオークへ飛んでいくが斧で上へ弾かれてしまった。
しかし、上に弾かれた斧は一旦空を舞ってから落下しオークの頭に突き刺さった。オークが突き刺さったオークは絶命し倒れた。
自滅しちゃったよ。
もう1匹はこちらに突っ込んで来る。さっきひっくり返して目を回しているオークを引っ張り壁にして斧を防ぐ。斧は盾にしたオークの肩口を切り裂き、盾なったオークは死んだ。
よし、あと一体!!────コイツ、何してんだ?
オークは斧が抜けなくなったようで慌てて引っ張り抜こうとしていた。俺はニコッと笑顔でオークの方を見る。オークの方も苦笑いのような笑を浮かべる。
「オラッ!」
「グギャァア!!」
オークの顔に蹴りを決め首をへし折る。3匹目のオークは倒れた。
「うぇ、汚い」
オークの血を浴びてしまった。うー、ベトベトする。────なんでこんな落ち着いてんだ俺?最近まで普通の高校生だったんだぞ。普通気持ち悪いですむか?······まっ、気にするだけ無駄か。
お肉──ゲフンゲフン。オークを回収する。
「いっぱい倒せたね」
「こんなぐらいなら相手にならないな」
「そーだね。上位種も出てこないしね」
フランさんや、それは出るフラグです。
「ぎゃぁああああ!!」
遠くから悲鳴が聞こえる。
早速、フラグを回収したようだ。