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8:必需品の購入

「すいませんキャロルさん、私、以前に冒険者登録していたのですが、どうなりますか?」


「一度奴隷となられてますから失効してますね、新たに加入してギルドカードを発行する必要があります」


「加入時の説明は以前聞いてますから省いて登録をお願いします」


「わかったわ、この書面に必要事項を記入してもらえる? それと飛び級制度は利用しますか」


「マグロ様は利用したのですか?」


「さっきちらっと話したが、四日以内に試験を受ける予定で申請してるよ」


「では、私も利用するのでお願いします」


 スラスラ書き直ぐに手渡す。


「飛び級制度の利用在り、と、ハイエルフ、エルフだと思っていたわ、ではこのカードに血を一滴垂らしたら完了ね。

 それとPT登録を、PT名は如何します?」


「ああ、それでだな、俺の座右の銘だが、敵意には敵意を、善意には善意を、遣られる前に遣れ、だな、意味解かるか?」


「聞いたことが無いのですが、座右の銘とはなんです?」


「生きてる上での行動理念とでも言うべきかな、敵意を向けてくる相手にはそれなりの対応、相手が善意で接して来るならこちらも善意で迎える、って事だな。

 ただ、この辺りの常識がさっぱりでな、常識的な視点から見た場合は、この考えはどうなんだ?」


「マグロ様の考えはこの辺りでは普通ですね、悪意を持って接してくる相手に譲歩なんて必要ないですよ。

 自分の命が掛かってますから遣られる前に遣れ、は、特別掲げなくても全員がそうだと思いますよ」


「なるほど、マグロさんの決闘での行動理念はそれだったんですね、それは一般常識の範疇です」


「特別な考えかと思ってたけど一般常識の範疇だったんだね、それならPT名も簡単だな」


「それで、マグロの考えたPT名は?」


「そうだな【真摯の断罪者】でどうだ?」


「物騒ね、他に候補は無いの?」


「此方の行動理念を表すとこれしか思い浮かばないんだよね、罪を断つとの意味もあるけど、関係を断つって意味も含まれてる、相手を倒せば関係は切れるからな、この行動理念を掲げて真摯に取り組むって事だな」


「なるほど、マグロ様の行動理念がPT名と言う訳ですね」


「だけど、ちょっと物騒ね」


「正面切って敵対する相手以外には無害だぞ、それじゃセレスの試験も同時にって事で頼めないかな、時期がバラバラで向かう時間がずれていては手間だからな」


「わかったわ、クエスト発注に付け加えておくわ、マグロさんの戦闘方法は知ってるので確認はしませんが、セレスさんの戦闘方法はどうなのかしら? それに合わせて募集するから1手でも良いから教えて貰えるかしら?」


 戦闘方法を教えるのは冒険者としては悪手だからな、それに対して対策を取られては敵対した時が厄介だ、それでキャロルは試験の際に使う戦闘方法を聞いて来たのだろう。


「セレス、警戒しなくても大丈夫だと思うぞ、種族からある程度の戦闘方法は分かるもんだ、エルフは火を嫌うが水と風を好む、それに細剣や弓の扱いに長けてる事は自明の理、その一つに絞って試験を受ければ良い、この後弓も買うから魔法でも弓でもどちらでも良いぞ。

 ちなみに、俺は近接が得意そうな竜人族だが、攻撃手段は今の所魔法しかない、ギャップがすごいだろ?」


「それでは弓でお願いします、魔法は規模が狭いのもありますが、殆どが大規模で試験に使うには不向きですから。

 マグロ様、戦闘方法に関しては後程話し合いましょう、あまり詳細に話すべきではありませんから」


「では、それに合わせて追加発注しておきますね、他に何かありますか?」


「そうだ、アストロウルフを11体倒して持っているんだが、これ如何したらいい?」


「牙と肉に毛皮は買い取るわよ、Bランクに上がった場合はポイント加算されないわね、今売っても良いし、ランク確定後でも良いし、判断はマグロさんが決めて下さい」


「肉が腐ったらお金にならないから今売るか、肉は1体分売らないぞ」


「かまわないわ、必要なのは討伐証明の牙だけですもの」


「そうか有難う、明日の夕刻に改めて来るよ、セレス早いけど昼食にしよう」


 アストロウルフの肉を1体分残し売却後、適当に食堂を見つけて入って行った、無論腕を組んでだ。


「大将、今日のおすすめセットを二人分と、何かアルコール以外を二杯頼む」


 セレスティーナはなぜか正面に座らず、すぐ横の椅子に座った。


「セレス、正面に座らないのか?」


「マグロ様の隣が良いです」

 

 理由は分からないが、まあいいか、セレスの好きな場所で全然問題ないしな。

 食後、少しだけ話す事にする。


「準備が必要だから武器屋に防具屋と雑貨屋などに向かうぞ、服も買わないとその一着のみだろ?」


「確かに着替えが無いと不便ですね、よろしくお願いします」


「うんうん、美人だから何を着ても似合いそうだよな」


「ありがとうございます」

 

 と、突然ほっぺたにキスされた、いかん、心臓バクバクいってるぞ、美人にされては反則級の攻撃をされた気分だな、場所が宿屋の部屋なら押し倒したい位だ、だが我慢するのだ!


「話は変わるがお風呂とかはどうしてるんだ?」

 

「お風呂は貴族のお偉い方の邸宅のみにしか無いと思われます、お湯を沸かすのもお金が掛かりますので裕福な方のみでしょう。

 一般の方は水で洗ったり、お湯で体を拭いたり、浄化魔法で汚れを消すのが一般的でしょうか」

 

 浄化魔法? 気になってたんだよ、着替えが無いからな、洗い替えがないから死活問題だろ? 考えて見れくれ、一ヶ月着っぱなしとか、ありえん!


「確かにお金は掛かるだろうな、大量のお湯が必要なことだし、浄化魔法とは何だ?」


「生活魔法と呼ばれる魔法のうちの一つです、汚れを取り去り奇麗な状態にしてくれる魔法です、他にも少しの水を出したり、火種を出したりもその内の一つですね」


「それを覚える方法は、どんな方法が有る?」


「覚える為のスクロールが売ってあります、雑貨店か魔道具店なら在庫が有るかと思いますよ」


「それなら雑貨店に無ければ魔道具店に行かないとな、だが、場所が分からん、セレスは知ってるか?」


「位置的には雑貨店から西門よりですね」


「それじゃ、無かった場合はそちらも行こう、いや行くか、他にも欲しいのがあるからな」


 冒険者ギルドでちらっとクエストを見たが、大半は魔物退治だ。

 転移もののライトノベルだとダンジョンがつきもの、この世界にもダンジョンはあるのかな?

 在れば行きたいな、罠とか厄介そうだが、外を探す手間を考えれば、魔物の巣窟との概念があるダンジョンの方が効率良さそうだし、聞いてみるか。


「ここに(この世界に)ダンジョンってあるか? 在れば効率良くレベルアップできそうだよな」


「ここサパンには有りませんが、帝都にあったはずですよ」


「それは良いな、是非体験しないとな、それならこの町で揃えるより、本格的な装備は先方で揃えるか、首都なら一番品物が集まるはずだしな」


 食事も済み雑貨店に向かい店舗へ入る。


「いらっしゃいませ」


「前回買った品と同じものを一揃え全部売ってもらえるか、それと毛布を4枚頼む」


「此方で準備させて頂きます」


「浄化魔法を覚えたいのだがスクロールはあるか? それと帝国の地図がほしい、ざっくり町の位置が分かればそれで良い」


「スクロールはございます、生活魔法取得スクロールですね、金貨1枚になります。

 地図ですが軍事機密扱いなので正確なのはございません、荒く書かれた品ならございます」


「では両方頂く、スクロールは2枚頼む。

 HPやMPポーションなのだが自分で作ってみたい、製作キットの様な品は無いか?」


「製作キットは存在しておりますが、此方には置いてございません。

 ポーションでしたら製作用のスキルが存在します、それを覚えれば加熱し抽出などの手間が省けますが大変に高価です、ですが、そのスクロールは帝都の商人ギルド本部でしか手に入りません」


 それは朗報だな、是非手に入れたい、時間短縮が可能なら量産も可能だろうからな。


「ちなみに具体的な金額はご存知か?」


「金貨100枚になります」


「それは大金だな」


 俺には安い買い物だが。


「大変実用的なスキルの為にあまり販売したくないとの思惑もあるのです」


「なるほど、スキルを覚えたとして、必要な機材は何になる? それと原料の薬草などは販売してるのか?」


「機材は手作業かスキルか、それぞれセットとして商人ギルドで販売して御座います、原料も同様に販売して御座います」


「ふむふむ、セレス、他に何か必要なのはあるか? お金に関しては気にしなくて良いぞ」


「長旅する訳ではないですし、現時点では事足りてますが、避妊用ポーションを100本売って下さい」


「ブファ! 必要? と言えば必要なのか?? まあいいか、では店主殿、トータルいくらになる?」


「金貨116枚と銀貨20枚になります」


 金貨117枚を渡す。


「それは情報に対するお金も含まれている、お釣りは不要だ、それだけの価値が有ると思ったのでな」


「ありがとうございます」


「世話になった、ありがとう」

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