34:崩壊
戦争状態から完全に戦争へと移行し行動を開始する、龍化し、嫁達を背に乗せて飛翔した。
リスタルはセクタルから南東と聞いていたのだが、街道沿いを進めば逃げる住民と接触しかねない、そうすれば逃げ足が鈍り、結果として死人が多くなると考え、東に飛び海岸線まで到達、そこから南へと舵を切った。
探知範囲のギリギリで町全体が入るまで接近し、とりあえずお試しブレスと言う事でMP1000をつぎ込んで発射した。
「やけに小さいブレスですわね」
「マグロ様の事です、きっと威力を見定める為にあえて威力を落としたんでしょうね」
そうこう言ってるまでに着弾し破裂する、放射タイプも出来たのだが、今回はファイアボールの様に圧縮して撃ち出したのだ、音も振動も無いが奇麗に地面ごと削り取られ町の全面積の1割ほどが消し飛んだ瞬間だった。
「マグロちゃんストップですわよ、話があるので着陸して人化して下さいな」
「ブレスで消し飛ばしたら新たに海が広がるにゃ」
仕方ないので言う通りにした。
「マグロちゃん、先ほどのブレスにいかほど込めましたの?」
「丁度1000だな、威力が分からんから低くも無く高くも無くこれ位かなと」
「ブレスは禁止にしませんか? これでは地形が変わってしまいますわ」
「うーんそうだな、カスタルの様にファイアボールを投げ込むか、あれなら規模を調整しながら潰せるし、接近して残ってる一般人を巻き込まない程度で吹き飛ばす方向にしよう」
「マグロ様、燃やせば延焼して巻き込みます、エアブラストで代用されては如何ですか?」
「そうだな、あれも一応面で吹き飛ばす事を考えて作ったんだがさすがに狭いが、数でカバーすれば良いかな、
それとどうせ接近するなら、奴の屋敷から資産をぶんどるぞ」
「屋敷が分かるのですか?」
「なーに、高級住宅地で一番デカイのが奴の屋敷だろ地位に見合った屋敷だろうからな、他の奴がそれより大きい屋敷を建てようものなら圧力をかけて白紙にさせるだろ」
有言実行だ、龍化するのも面倒なのでクララを抱きかかえて飛んで行く、あっさりとそれらしい屋敷を発見し、中に居る者達を24人ばかり皆殺し、家具から装飾品から見えてる範囲を全てゲット、アイテム一覧から不要な衣類などを捨ててさようならだ。
改めて龍化して家屋への攻撃の再開だ、逃げ遅れている者も居る為それを避け逆方向へ倒れるように斜めに吹き飛ばす、もちろん海岸線の船着き場の機能も潰しておいた。
全てが完了するまで約2時間、屋敷のがさ入れが一番時間が掛かったな、大した品は無いのでガサ入れは止めにするか、時間の無駄だし。
今度は街道沿いに北西へ向け飛び発ち、逃げてる一般人はそのまま放置、カスタルへ向け進軍している騎士団や、逃げる人達の護衛をしてる衛兵を対象として、点と面の魔法を使い分けながらすべて殺した。
カスタルも同じくあ此方も叩き潰しと宣言の通りに他の都市もすべて完了し、ライネルの宿屋に戻ったのは深夜だった。
そして翌朝、朝食の最中にまたも例の女性職員がやって来た、それも怒気を放って。
「マグロ様、昨日は和解の会談へ行かれたのではないのですか!」
「その和解が成立しなかったから戦争になった、それだけだ」
「先方は妥協案を提示したと聞いています、なぜ応じなかったのですか!」
「それじゃ、相手が提示して来た内容を聞いてるか?」
「彼方も避難誘導で時間が取れず、そこまでは聞いておりません」
「そうか、それなら半端に教えるより順を追って話してやる、1度目の会談の際に最終的に決まってたのが、俺達が罠を利用して倒した魔物を全て預けた後、2割を俺達が受け取る事、その倒した数だが70万体を優に超えていた、まぁ、飛んでる魔物以外全て倒したからな、それとBランクからSランクへの昇進、白金で作った特別製のカードの発行、それ+スタンピートの貢献に合わせた報酬、これはこの時点では決まっていなかったな、此処までが前回だ。
当然この際にドラゴンを一体売れと言われている」
「70万体以上を倒しその8割を提供、それほどの貢献をしたマグロ様達へあのような要求をして来たのですか」
「そうだな、それとブレイズドラゴンの全体量から1割を売ると言ったら高々冒険者風情がと馬鹿にもしてたぞ。
それで今回の会談だが、前回の提示した内容はそのままに、その時に決まっていなかったスタンピートの報酬として白金貨1000枚を提示された」
「白金貨1000枚とは破格だと思います、それでなぜ破談したのですか?」
「価格としては破格だろうさ、だけど金だけで解決すると思うか? そもそもその金は単なるスタンピートへの参加料だ。
それで破断した理由だが大まかに3つある、1つはドラゴンの件だ、俺達のPTだけでは使い切れないだろうと言われ5割要求された、この時点で彼方は反省の欠片もない事が分かった、反省するのなら此方の要求である1割売却に賛同、もしくは売らなくても良いとの判断が出るはずだ、ま、俺の感覚ではだがな」
「・・・・2つ目は何でしょうか?」
「2つ目は売れと言った3名をあの地位から引きずり降ろさないと俺達の二の舞になる奴が出て来るだろ、それで俺達からも戦争回避する為の3つの条件を突きつけた。
1:3人の役職を解き一般人にする事
2:資産を全て没収する事
3:元になったドラゴンを購入しないと一筆書く事
以上だがセクタルの領主は重すぎると言い、金で解決しようとして来た」
「2つ目は兎も角、1つ目と3つ目はマグロ様達としては絶対に外せない条件ですね、やはり地位が地位ですから金銭で解決しようとしたのでしょうか」
「そして最後だ、戦争仕掛ける風の言伝を送った奴が居ただろ、俺達が赴いたら建物の周囲に約500名、会談の部屋に入ると入口、そして壁に沿って100人ほどで塞がれたぞ、それも会談の最中に俺達を殺してドラゴンを奪うと言ってたな」
「それは何とも言い様が」
「それでどうやったら妥協案を模索する会話ができるんだ? そもそも相手は俺達を殺そうと待ち構えていた、教えてくれ、どうやったら戦争が回避できる? もしかして俺達にその場で死ねとは言わないよな?」
「大変申し訳ありませんでした、詳細も知らず無礼の数々、何卒ご容赦を」
「それなら謝罪代わりに一つ教えろ、PTとはどうやって組んでいる? 特殊な方法でもとらない限り経験の分割は出来ないだろ」
「それは・・・他言無用であればお教えします」
「なら話してくれ」
「本来であれば当人同士で組まなくてはならないのですが、カードに血を使い登録した魔力情報を元に組んでいます、ですがこれには上限人数が決まっており12名が限界です。
ご存知かと思いますがクランになりますとそれ以上の人数で組むことが出来ますが、これはカードに登録された情報をより強固にするために特殊な処理を施す為、別途金貨を要求してる訳です」
「そう言えばアンジェもクランを抜けたんだったよな、すまない、クランってのはPTの上位か何かか?」
「説明してませんでしたわね、12人を超える規模でPTを組む事は出来ないのですわよ、その場合は金貨50枚を支払いPTからクランへと変える必要があるのですわ、このクランへの変更によって人数による制限が解除されるのですわよ、それ未満でもクランへ移行は出来ますけどね」
「ご説明ありがとうございます、アンジェリカ様、当人同士で組む場合にはその処理は必要ありません、カードの情報量に限界がある為の処置だとお考え下さい」
「カード無しで組めることは分かったけど、その具体的な方法はどうやるんだ?」
「先ずは先にリーダーに成る方がする必要があります、メンバーからは加入は行えませんが脱退は行えます。
リーダーの方が相手に触れ、【パーティー編成相手の名前加入】です、脱退させる場合には接触は必要なく【パーティー編成相手の名前脱退】です、パーティーと言ってはいますがクランの様に上限人数はありません」
「なるほどな、それならパーティー編成アンジェリカ加入、で良い訳か。
だけど変だな、それだけだと矛盾点がある、死亡したらカードの紛失率が高いよな、PTが壊滅するほどの危険な状態ならなおさらだ、本人も魔物に食われて居なければ解散できずに頭打ちになる奴が出て来るんじゃないか?」
「やはりお気づきになりましたか、カードを作成するとカードからマスターとなる水晶体へ情報が流れます、それは全冒険者の魔力の集合体とも言えますね、それを利用すればカード無しでもPT編成も脱退も可能です」
「それだけじゃなさそうだな、それって加入時と死亡時の活動場所が違う奴も居るだろ、そう考えたら冒険者ギルド全てにその水晶体とやらを配置しておいてそのすべてに記録されるんじゃないか?」
「その通りです。
加入と脱退はそれで事足りますが、リーダーの方のみ一覧を表示させ、リーダー変更並びにメンバーを脱退させることができます、こちらは【パーティ構成一覧表示】と唱えて頂ければそちらから変更できます」
物は試しと一覧を表示させると名前、年齢、レベルが表示された。
「これってどうやって消すんだ?」
「1分ほど操作をしなければ自動で消えます。
以上になります、冒険者ギルドの機密中の機密です、必ずお約束を守りますように」
「わかってる、今回の件で俺達のPTはギルドから強制脱退させられるかもしれないと思ったから聞きたかったんだ、しかし、距離の概念無しに勝手に解散されるとなると少々厄介だな」
「確かに、Sランクのアンジェリカ様が加入されていますので簡単ではありませんが、1国全てのギルドマスターが連名で掛け合った場合、事情を知らない他のマスターは容認する可能性が高いですね、PT解散は確かにそうですが脱退させられた場合、ギルドに行けばその旨告げられますので、その後に改めて組まれるしか方法がありません」
「告げてPTを解体し脱退させるではなくて、決定したら則PT解体なのか?」
「そうです」
「疑問点が増えたな、もう1つ教えてくれ、その水晶体から情報を消す事は出来ないのか?」
「消すという行為とは少し違いますが、PT解散を防ぐ事は不可能ではありませんが、特殊な方法をとる必要があります」
「如何するんだ?」
「皆様は肌身離さずカードを常時持ち歩きます、レベルが上がった際にはこのカードを通して強化された魔力情報が再登録されます、そうしなければレベルアップした場合、水晶体による操作が出来ない為です。
お気づきかと思いますが、カードを隔離した後にレベルを1つでも上げれば冒険者ギルドによる操作を受け付けません、再度触れなければ後は安全です」
「触れるって事は肌で触れなければ良いのか?」
「そうです、直接触れなければ問題ありません、クエストを受ける際にカードの提出を求めるのもこの点をカバーする為です、極寒の地ではこの点を克服する為に室内の温度をかなり上げるているのです」
「なるほどな、それで対策が可能なら全員にグリップ力を上げる為とでも言って手袋を全員に装着させる必要があるな。
これで対策が取れるよありがとう。
それでだ、貴女には話しておくが、その時の事情を知っていて、尚且つ俺達にペナルティーを仕掛けて来た場合、ストレイルの冒険者ギルドは潰すからな」
「事情を知ったからにはお止致しません、かの地のギルドマスター達が愚かな行為に走らない事を祈っています」
こうして彼女は帰って行った。
「早急に手を打つぞ、今の俺達はレベルが上がった状態だ、冒険者ギルドに赴く際には必ず嵌めれば勝手に解散が出来なくなるからな」
「当然だにゃ、それで、今日は防具屋にでも行くのかにゃ?」
「とりあえず各自に合ったのを発注するとして、それまでは常時置いてあるのから買うしかないな。
俺はブレイズドラゴンの皮膜で作って貰おうかな、手先だけ赤いって目立つだろ?」
「流石マグロちゃん、一時期金ぴか帽子をかぶっていただけはありますわね、今は変色したライムちゃんをクララちゃんが被っていますが」
「それでしたら私達のトレードマークにしましょう」
「全員同じって訳か、先にこっちを作る様に頼んでおくか。
しかし弱ったな、今の状態だとアンジェの家族の元へ行けばとばっちり飛びそうだし」
「確かにそうですわね、【真摯の断罪者】の身内と思われたら、質の悪い者達なら人質にしかねませんし、最低でも数ヶ月はストレイルに行かない方が良いかもしれませんわね」
「それじゃカラドラスにでも行くかな、馬をゲットしに」
「マグロ様、その前に冒険者ギルドへ護衛成功の報告を行いませんか?」
「それは手袋の問題が解決したらだな、だけど報告はストレイルのギルドへだろ、不味くないか?」
「国を跨いだ組織です、何処の国でも問題無く受け取れます」
「それじゃ帝都で報告を済ませよう、ライネルを結構巻き込んだ形になってるからな」
「その前にカラドラスに関しては今まで以上に注意しないと駄目ですわよ」
「軍事国家と名乗ってる辺り、喧嘩っ早いのか?」
「元は小国でしたわ、此処近年で隣国へ攻め入り取り込む事で今では大陸中央の一大勢力ですわね」
「なるほどな、まぁ、喧嘩を売られたらどんなに高くても買う主義だからな、そのまま叩き潰すさ」
「マグロ様の事ですから大事無いとは思いますが、平気で策略を仕掛けて来るお国柄です、十分ご注意を」
「わかった、発注したら早速帝都経由で向かうぞ、と言いたい所だが、何分土地勘が無い、誰か案内できるか?」
「私が行った事がありますわ、安心して任せて下さいませ」
こうしてフリーサイズの手袋を発注した、2日で出来上がるそうだが通常販売されているオーク革製のグリップ力のある手袋が売っていたので購入し帝都へ転移、そうして来ました冒険者ギルド、護衛依頼を完遂した書状をもって受付へと手渡した。
「確かに確認致しました、【真摯の断罪者】のPTの方々ですね、お支払いに関しては少々お待ち下さい、ストレイル冒険者ギルドマスター5名による連名によりSランクへの推薦状と白金貨1000枚をお支払いする事が決定しております、加えて、スタンピートの魔物素材の販売金額として白金貨15枚と金貨350枚が支払われます」
「ちょっと待ってくれ、ストレイルに関しては俺達は受け取らないと相手へ返事をした、なぜこんな事になっているんだ?」
「わかりかねます、各国全ての冒険者ギルドに対し、お見えになった場合はその様に対処する様通達が出ております」
「散々俺達をコケにしてた連中を庇っておきながら何を考えてるんだか。
拒否したらどうなる?」
「お金はプールされ、お受け取りになるまで冒険者ギルド預かりとなります」
「そうか、なら受け取りを拒否する、先方に突き返しておけ、それとSランクへの推薦も同様だ、受ける気は無いと先方に伝えろ、ついでに、今後一切俺達に構うなと伝えろ」
「承知いたしました、それでは護衛依頼の報酬として金貨20枚が支払われます、また、ポイントが溜まりましたのでAランク昇級試験を受ける事が可能となります、此方は最適なクエストが発生しない限り受ける事が出来ません、参加人数に対してクエストを決めますので来られた際に受ける事が出来るかその都度お伺いして頂く事となります」
Bランクになってたった一度しか受けてないのにポイントが溜まるって、何か小細工したのかね、流石に追及は難しそうだ、仕方あるまい。
マグロは忘れていたのだ、ポイントフルになる様に魔物を降ろした事を。
「俺達のPTにはSランクが1名居る、その場合はその者を外して受ける事になるのか?」
「左様です、Bランクの方の実力を計るクエストですので、Cランク以下の方やAランク以上の方は同じPTやクランの方と言えども参加は出来ません、もし、他にも受ける方がいらっしゃれば共同で事に当たって頂く事になります」
「了解した、時間的な余裕がある際に確認に来るよ、それじゃ失礼する」
「お待ち下さい、今現在帝国内にいらっしゃる冒険者に対し避難勧告が出ております、隣国のエリュード王国が帝国内へと攻め込んでおりサラヴァスに駐留中です、大変危険な状況となっております」
「は? 攻められてるのか?」
「はい、サラヴァスはすでに落ちております、同様に軍事国家カラドラスが此方へ向ける騎士を集約中との噂が入っております、間違いましても北や西へは向かわない様ご注意申し上げます」
「ご忠告感謝する、どの様にするかPTで話し合うよ、しかし、逃げなくて良いのか?」
「もう間もなく退避する時間となります」
「そうか、時間が無いのに対応してもらい悪かったな、その御かげで助かった、ありがとう」
次から次へと問題ばかりだな、ある意味巻き込まれ体質か? まぁ元々騎士が激減してるからな、時間の問題だとは思っていたが・・・
少し早いが食堂へと赴き食事を済ませて今後の予定を話し合う。
「予定が潰れましたわね、どうしますのマグロちゃん」
「如何するねぇ、元々予想はしてたからな、たまたま重なっただけだろ、俺達なら強行しても問題は1mm足りとも無いんだよな」
「それではマグロ様、今の内に国境を越えるのは如何でしょうか?」
「確かにな、帝国からライネル、ストレイルと移動したが国境警備とか通行許可とか無かったよな、街道から外れて行けば行けるんじゃね?」
「確かにそうですわね、本来なら越境し易い場所に街道を作っているのは魔物対策ですが、私達であれば飛べますし、大半の飛べない魔物は無視できますものね」
「それじゃ極力高度を上げない、街道から相当な距離を置く、これで向かおう、そして適当な町があれば見つからない範囲から猫で街道に入り陸地を移動でどうだ?」
「マグロ様、移動速度は兎も角猫での移動は極力避けた方が無用なトラブルになり難いと思います」
「確かにそうかもな、召喚獣連れてたら警戒されるか、なら馬を手に入れたら馬車を特注で発注しようか、今回は中に入ってしまえば後は大丈夫だろうし、のんびり行くか」
「マグロちゃん、攻め込まれる前に入り込まないと国境沿いが厳重になりますわよ、今日中に中へ入り込みましょう」
「それじゃ門の外に転移して少し離れてから北上しようか」
有言実行して1時間もかけずにカラドラスに到着、速度には自信があるからな、仮に認識されようと瞬きする間に消えるのだ。
そしてやって来ました、町から南へ2km、西へ1kmm程度、丁度山の裾に開けた場所が有ったのでそこへ着陸した、魔物が大量に居たが、オークキングに率いられた部隊の様だった、ナイト系の重武装から杖持ちの魔法使う奴まで多彩だ、ざっと70匹ほどか、原形のまま欲しいからと【爆圧水蒸気砲】を久々に使い美味しく頂きました。




