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29:大暴走

 6名への対応はその場の職員に任せSランクで会議に出ていた者達は会議室へと戻って来ていた。


「職員に確認をとったが6名の死亡が確認された、彼らの資産を確認しマグロへと手渡される事になる。

 マグロ、あれだけの実力に差が有るのなら殺さずとも生かす手立ては無かったのか?」


「だから開始前から言っただろ、手加減が下手だと、手だろうと足だろうと狙えば切り飛ばす、そうなったらエリクサーでも使わないと奴らは使い物にならんぞ、それにだ、俺に喧嘩売って来たのは奴らだぞ。

 繰り返して言うが、ランクが低いからと上から目線で対応しない事だな、実力が有ろうと加入していない者も居る事を念頭に置き接しろ」


「ふぅ、まぁ今更咎めても仕方があるまい、彼らが仕掛けた事には変わりないからな、マグロは火の粉を払っただけだ。

 1つ聞きたいが、マグロのPTメンバーの戦力はどうなんだ?」


「俺も入れて6名だ、攻撃手段は省くとして、ステータス的には俺と同等だが戦闘に慣れていない者が1名、回復に特化した者が1名、後の4名だが俺も含めて全員が遠距離主体だな」


「マグロちゃん、クララちゃんは初級魔法ですが覚えましたわよ、それとティアちゃんも雷魔法を覚えました、後は数さえ放てば熟練度も上がって他の魔法も使えるようになりますわよ」


「すまない、俺の知識が抜けていたようだ、6人全員遠距離特化+回復も出来る」


「あれだけの近接戦闘しておきながら遠距離特化か、途中動きが見えなかったぞ」


「近接戦闘の手ほどきは受けて無いからずぶの素人だよ、ある意味魔法で戦闘しなくて良かったかもな、下手したらこの建物ごと壊しかねない」


「なるほどな、次にだが団体での戦闘経験はどうだ? 指揮を任せても運用できるか?」


「団体を相手にした事ならあるが、運用はした事が無いな、精々今のPTに指示を出した程度だ、不慣れの者がするより手慣れた者がする方が被害は抑えられるだろう」


「そうか、ならば戦闘に慣れてる者を分散させ主力になってもらう方が良さそうだが、何か提案は有るか?」


「俺の知識では抜けがあるかも知れないから少しアンジェと話をさせてくれ」


「良いだろう、補足が必要ならば我らも知識を貸そう」


「それは有りがたいな、俺のウォール系の魔法で一時的にダンジョンに蓋をする事は可能だと思うか?」


「長時間でなければできますわね、ダンジョン内部と判断されてる場所はどういう訳か生き物以外、かつ異物と判断された物は自動的にダンジョンへ吸収されますが、金属なら半日程度なら可能でしょう」


「ふむ、異物云々は置いといてそれなら一時蓋をしてスタンピートを分断、地上部を殲滅した後ダンジョン出口に罠を仕掛けたうえで解き放ち、出て来る魔物を片っ端に殲滅する、これならどうだ?」


「可能ですわね、分断した後の殲滅速度と罠を仕掛ける時間が肝でしょうか、その罠が何か聞いても?」


「単純だよ、穴を掘るだけ、後は勝手に落下して死亡した死体処理するだけ、もしかして、あまり深く掘り過ぎるとダンジョンに繋がったりするか?」


「それは俺が説明しよう、以前、別の出入り口を設けられないかと検討した人物が居てな、そのダンジョンへ向けて掘り進めたのだが、何故か到達せずに一階層以上の深さになるまで掘り進め断念した事がある」


「なるほど、別空間にでもなってるのか、それなら罠設置後、スタンピート処理した後に穴は塞げばいいな」


「スタンピートの分断か、一気に地上部を殲滅しないと近隣の村へ行きかねないな」


「そっちは空中から処理するから大丈夫だ、完了し次第罠まで設置したら迎えに来るよ」


「本当に大丈夫なんだな? 分断しましたが倒せませんではカスタルで迎え撃つ以上の被害が出るぞ」


「そうか、なら一人連絡役を俺のPTに随行させてもらえれば良い、ギルド間で連絡してる手段が有るんだろ?」


「予備の通信水晶を持たせよう、連絡役は不要だ、そちらのアンジェリナ殿ならば使えるだろ? それに連携の取れない者を連れていて支障が出ましたでは洒落にならないからな」


「それじゃ早速行動に移そうか、予定では夕刻前には此方へ一度顔を出すよ」


「ちょっと待ってくれ、俺達の事を忘れてもらっては困るな、地上に出ている魔物の殲滅戦には参加したいのだが」


「ふむ、上空から一気に殲滅するからな、遠距離攻撃が可能な者なら連れて行っても構わないが、頼むから此方の指示には従ってくれよ、そうじゃないと命の保証が出来ないからな」


「そうなると飛行手段も必要か、【フライ】の魔法を使える者以外は無理だな」


「飛ぶ手段には当てがあるからそこは気にしなくて良い、必要なのは移動しながらでも当てる腕が有るかどうかだ」


「速度はさておき、移動してる物体の上から狙い撃ちが可能な者は手をあげろ」


 流石Sランクと言った所か、2名程度と思っていたが5名も居た。


「それではマグロ殿もPT員と合流して南東門からリスタルへテレポーターで移動後、一気に接近して入口周辺を排除、マグロ殿の魔法で入り口を塞ぎ上空から一気に殲滅で宜しいか?」


「OKだ、それでは移動開始しよう、夕刻までには罠設置まで完了したいからな」


 こうして行動に移し移動しながら説明をする、粗方終わった所で。


「ティアは近接戦闘行けそうか?」


「問題無いにゃ、気配を消せば遣り放題なのにゃ」


「なら無理をしない程度にな、まぁ近接戦闘の予定は無いからどうなるか分からんけどな。

 クララ、必ずPT員の誰かと行動を共にするようにな、俺も気にかけるようにするからその点だけ注意してくれ」


「わかりました、邪魔にならない様にお傍に控え遠距離からしとめます」


 こうして地元のSランク冒険者の案内の元リスタルへ到着した。


「衛兵さん、外壁の上に行ける通路は何処かな? 案内してもらいたいんだけど、それと今起こってるスタンピートの発生源はどの方角?」


「問題のダインジョンは若干北寄りの北西です、外壁門上へご案内します付いて来ていただけますか」


 他のSランク5名は何の意図でそんな場所に向かってるのか不思議がっているが嫁達はピンときたようだ、こうして案内され俺は【フライ】で飛び上がり町の外側へ移動し龍化する、そして体が壁に接触しない様にして翼を外壁門上の通路に乗せかけてホバーリングした。


「龍族! しかもこのサイズはあり得ない! エルダードラゴンも精々50mサイズ、彼は300mを優に超えている・・・」


「奴らが喧嘩を売った相手が龍族だったとはな、これならば手加減とか言っていたことが頷ける」


「そんな事は良いですわよ、さっさと乗れと睨まれてますよ」


 頭を縦に振り意思表示をし、早く乗る様に催促する。

 全員が背に乗ったのを確認しゆっくりと目標方向へと飛び立つ。


 そして到着早々マグロの姿を見た魔物達が恐慌状態へ陥り、問答無用とばかりに入り口付近の魔物を【エアブラスト】の多重起動で吹き飛ばし、更に入口目がけて奥行き10mの【アイアンウォール】で完全に封鎖、後は連なる魔物を蹴散らすべく高度20m程度で滑走しながら中央と左右方向の3方向へ多重展開した【ライトニングブラスト】を発動したまま維持し、その道に沿って飛んで行く簡単な作業だ。

 魔物の行列を焼き尽くし若干速度を落として旋回、戻りに打ち漏らしを【エアアロー】ですべて処理してダンジョン入口へと到着、全員を下ろして人化した。


「これで地上部も奇麗さっぱり倒したな、ちょっと休憩しよう、流石にMPを使い過ぎた」


「結局何もしませんでしたわね、あの速度では攻撃のしようがありませんわ」


「我らは必要なかったな、あれだけの速度の中で敵を倒すなど流石に無理がある」


「そう言えば昼を食べてなかったな、出来てるのを出すから食事にしよう」


 テーブルと椅子を10脚取り出しパンやら串焼きやらコップにデキャンターを取り出して振る舞った、一人分足りないが何故か俺に抱っこされる形でアンジェが座り、俺もそれならばと太腿撫でたり胸を揉んだりしながら食事を済ませた。


「誰か俺の代わりに穴掘るか? ざっと500mほど」


「わ、我々は遠慮しておこう、到底無理だ」


「マグロちゃんしか無理ですわよ、それにただ掘るだけでは崩れますわよ」


「確かにそうだな、表面を金属で覆って、飛んでる魔物用に枠組みも必要かな、結構回復したからそろそろ作業するわ」


 そう言い残してダンジョン入り口前へ、地面に手を付け穴を掘る、入口から正面方向へ50m、横幅200m、深さ500m、発動後即収納、MP適量【アースホール】

 足元がすっぽりと消えそのまま落下しながら【フライ】を発動、今度は掘った壁と床に対して厚さ5cmのミスリルを【ミスリルウォール】で貼り付け、地上に戻り、先ほどのミスリルウォールに接続する形で高さ20m、柱のサイズ10cmで30cm間隔、南西の一ヶ所のみ50cm間隔で牢屋をイメージし、ダンジョン入口のみを開けた状態で一気に作成した。


 ゴキブリホイホイならぬ魔物ホイホイの出来上がりだ。

 ついでにダインジョン入り口の裏側に【ミスリルウォール】で壁を張りゲルを設置した。


「流石マグロ様、見事な出来栄えです、これなら飛行する魔物と言えど出る事は出来ないでしょう」


「流石に苦労したけどやれば出来るものだな、アンジェ、冒険者ギルドに連絡を入れて罠設置まで完了した事と、倒した地上部の魔物をどうするか決めてくれないか?」


「【ゲート】で移動し、直接話す方が早くありませんの?」


「流石にMPがカツカツなんだよな、仕方ないMP回復薬でも飲んで向かうか、それじゃ一度戻るから全員来てくれ」


 高級MPポーションを5本飲み干して【ゲート】を発動、それを見たSランク冒険者が驚愕していたが無視して入るとそこはカスタル南東門のテレポーター前であった、直接乗り込んでも良かったが一応入出の管理をしてるだろうと考えての場所の選定だ。

 冒険者ギルドに到着して帰還した事を告げるとそのまま会議室へと案内される。


「ただいま戻りましたギルドマスター殿」


「皆無事な様で何よりだ、そしてそちらの4名がマグロのPT員なのだな?」


「そうだ、アンジェのみSランクで残り全員がBランクだな、背の高いハイエルフがセレスティーナ、同じくハイエルフでシェルアス、猫族のティルア、人族のクララだ」


「まだ名乗っていなかったな、俺はサイラス、カスタルのギルドマスターの職を頂いてる、今後ともよろしく頼む。

 して、首尾はどうだ?」


「我らが行く必要すらなかった、マグロ殿お一人でダンジョンを塞ぎ敵を殲滅し罠の構築も完了した、あれならば空中戦に特化した魔物も簡単に仕留められる」


「サイラス殿、そっちは蓋を外せば順次魔物の処理が出来るんだが、地上部を覆いつくしてる魔物は如何する? 流石にあれを回収するのはかなり骨だぞ」


「ダンジョン産でしかも出た直後ならば魔石持ちか、捨て置くには惜しい素材だな、しかし所有権はマグロ達のPTにある、どうする?」


「アンジェどうする? 所有権を放棄しても問題無いんだが」


「それでは2割を私たちの取り分として残り8割を差し上げますわよ、それで回収班を組織して頂けないかしら?」


「良いのか? 良ければ緊急依頼で来た者達を向かわせて回収に当たらせよう」


「遺体が必要無いならある程度固めて道の脇にでも山積みにでもしてらえれば回収終了後にでも焼却処分しておくよ」


「ならば素材を剥ぎ取り不要な部分は定点的に山ずみにしておく、処理は任せるぞ」


「ではその様に、俺達は戻って罠利用を開始するよ、それと監視員も配置するなら連れて行くぞ、ただし、寝泊まりするのは貸さないからな、自分達で用意してくれ」


「それなら俺を含めてSランクの者達を全員連れて行ってくれないか?」


「食料も無しに来るのか? 確かにリスタルからは近そうだったけど、テントの構築とか時間が掛かるだろ」


「その辺りは心配しなくても大丈夫だ、俺の片腕の此奴に後方支援も含めて手配してもらう、俺は現場で陣頭指揮にあたる、そう言う事だ」


「それなら身支度を済ませてくれ、俺達はすぐ行けるからな」


「20分時間をくれ、身支度を済ませて来る」


 20分と言っていたが15分程度で身支度を済ませて戻って来たのでその場で【ゲート】を発動し、ゲルの真横まで転移した。


「これは便利だな、それであの牢獄のようなのが罠なのか」


「魔物サイズに合わせて柱が30cm間隔だな、俺の出入り用に一部50cm間隔にしてる、そこしか出入りできないって寸法だ、それじゃ蓋を外して罠利用開始するぞ」


 そう伝えて【フライ】で接近、鉄の塊を収納して蓋を開け罠から退避した。


「面白い位に落ちて行くな、この高さじゃ助からんだろ」


 川の流れるがごとしと言う感じに滝のように落ちて行く、足元に気がつこうと後ろから押されて落ちるしかないからな、ちょっと浅すぎたか? 簡単に満杯になりそうだ。


「いや、下敷きになって死ぬ奴も居るだろうけど、死体がクッション代わりになって生き延びる奴も居るはずだよ、そうしたら罠全体に電撃通して丸焼きにすれば掃除も楽々ってね」


「これなら人的被害も最小限も最小限、0で終わりそうだな」


「最下層付近はかなりの上位ランクが居るそうだよなこのダンジョン、どんなのが居るんだ?」


「そうだな、解ってる範囲で一番しぶとく生命力の強いのがヒドラだな、サイズ的にも全長20mとかザラだと聞いた事がある」


「それって頭がいっぱいついてて首の長いのか?」


「その認識であってる」


「それじゃそのクラスの魔物が出始めたら中へ出向いて直接戦闘しないと倒せないな、落ちた程度じゃ再生するだろ」


「それは如何かな、どの程度の深層から向かって来ているかによるな」


「その時はその時か、彼らSランクでその魔物も狩れるか?」


「スタンピートの規模で来られたらひとたまりも無いさ」


「わかった、それも念頭に入れておく、それじゃ俺達は休ませてもらう」


「ゆっくり休んでくれ、後の監視は此方でしておく、緊急の場合は起こすからな」


 皆とゲルの前に移動し猫達を実体化、今夜は休ませたうえで朝食を食べさせ、万全の状態にする事にした。


「マグロちゃん、猫は出さなくても良いのではなくて?」


「いや、猫達も休ませて万全の状態にしておく、さっきの会話から突入する必要があるかも知れないからな」


「マグロ、猫を使わずとも皆でボコれば大丈夫にゃ」


「確かにそうなんだがな、休息は必要だろ、食事とかお手洗い休憩とかな、その時に狩ってもらうつもりだよ」


「なるほどにゃ」


「と言う事で、今日は夕食食べて寝るだけだ、ちょっとうるさいけど我慢して寝てくれ」


「それが問題ですわね、叫び声やら悲鳴やら、寝られる気がしませんわ」


 うーん、地下室でも作るか、その方が防音対策にはなるだろ。


「そうだな、ちょっと地下室を作って来るわ、ここよりマシにはなると思う」


 こうしてゲルの脇に【アースホール】で地面に穴を掘りつつ階段状に加工、地下10mほどに到達して今度は横方向へと掘り進めて部屋を作り、厚さ1cmの【ミスリルウォール】で補強した、部屋の角隅に5cm程度の空気穴を設置するのも忘れない。

 猫を全部入れても余裕で寛げる空間の出来上がりだ、そして皆に伝えて引越しした。



 



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