22:更なる打撃
先ずは警告と共に此方の要求を吞めば矛を収める事を伝え、戦局を確認した後会談の場を設ける事となった。
そして場所が移り変わり今の場所は城の謁見の間だ。
「今回は余の判断の過ちにより其方達には大変な迷惑を掛けてしまった、申し訳ない」
「判断が遅すぎたんじゃないのか? おかげでお前の言う事を鵜呑みにした冒険者が足を折って引退したぞ」
「陛下に対し無礼であろう!」
「うるせえよボケ、お前は黙ってろ、それで、此方からの要求を聞く気はあるか?」
「拝聴しよう」
「では、彼に代わって私が要求を述べますわ。
1:正式な謝罪とその公表
2:賠償金を支払う事、一人当たり白金貨2万枚、合計12万枚
捕捉として民に対し重税を課さない事、付け加えれば1%たりとも上げない事
3:皇帝自ら公衆の面前で犯罪判定の水晶を使った判定を受ける事
捕捉として、罪が認められた場合、一般人と同じ扱いとし、その場で刑に処す事
以上ですわ、お返事は如何に?」
「宝物庫を漁った罪人が! もう我慢ならん、騎士団に銘じ即刻殲滅せよ!」
外にまで聞こえたのだろう、城の前に待機していた騎士達が我先にと城へ突入して来た。
やっぱりこうなるのかと少々うんざりしながらも対処する、レベル最適化した【エアブラスト】で面による殲滅
「やっぱりこうなったな、皇帝だけは生かしとけ、今遣ったら面倒な事になるからな」
「穏便にすませるつもりで会談に来たのがこの様な結果では報われませんわね」
「しっかし、何をやらかしたのか理解してない連中の多い事、帝国は滅びたな」
「マグロちゃんどういう事?」
「帝国内の全兵士数が何人か知らないけど、20万も集めて数十人しか残らないなら帝国内の兵力がガタ落ちだろ、その上でこれだけの馬鹿をやらかした事が他国にしれたら、その皇帝には任せられん、我らが統治するとか言い出して攻めて来るんじゃねえの、守りが手薄になってる中で来られたら守り切れるかね?」
「理由はさておき、エリュード王国が確実に攻めて来ますわね、今も開戦してる様な状態ですからね」
「敵対国がありながらこんな真似してたのか、もう終わりだな、此方からの要求は全て白紙にしないか? 要求が通った所で、支払い開始前に潰れるだろ」
「マグロ様の言う事ももっともですね、私も賛成です。
ですが、宿に帰るもこのまま放置では宿まで攻めて来ますし、戦闘は続行ですか」
「そう言う事だにゃ、攻められた時に帝国に居てはまた面倒に巻き込まれるにゃ、数日中に帝国外へ出ないかにゃ?」
「それも良いですわね、マグロちゃんはライネルに行く理由がありますし、かの地に向かうって事で宜しいですわよね?」
「それじゃクララのご両親に挨拶して宿に戻ろうか、って、そう言えばアンジェのご両親はどうなんだ?」
「生きてはいますから大丈夫ですわよ、気遣って微妙な言い回しになったのでしょ? 私はストレイルのナノタル出身ですわ、ですから今回の件には関わってきませんわね」
「名前を聞いてもわからないのが痛いが、しかしクララのご両親が納得されるのなら国外へ連れて行きたい所だが、無理だろうなぁ」
「申し訳ありませんマグロ様、あれほど頑固だったとは私も気がつきませんでした」
「いやいやクララが謝罪する事じゃないよ、引き離してしまう事になるなと思ってるんだ」
「相手あっての事ですから仕方ありませんわよ」
完全に相対しての戦闘だった為に打ち漏らしが0人、完全に叩き潰した。
その帰りにクララ宅へ立ち寄り、無理だろうなと思いつつも説得を試みたがやっぱり無理、宿屋で一泊した後出立し、現在位置は帝都の東門前だ。
「ちょっと聞きたいんだが、サパン経由で向かうんだよな?」
「そうですわよ」
「猫に乗って移動するのは良いんだがどっちに行けば良いか分からないんだ、帝都に来るのも全部テレポーターだったからな、先導してもらって良いかな?」
荒く書かれた地図を持っているくせに忘れてるマグロだった。
そう、猫で移動だ、騎士を城に送る為に調整したらしくテレポーターが使えない、馬車で移動するには遅すぎるって事で猫を乗り物に、クララは急激なレベルアップに慣れていないので猫に危害を加える恐れがある為俺が一緒に乗っている、魔物が出た時の為にとワンダーキャット2匹も護衛として実体化させている。
なにせLv20から→@@@@だからな、ちなみに どれだけ上がってるのか見るなと厳命している。
出だしはゆっくり徐々にスピードアップ、最終的にワイルドキャット達の全力疾走だ、ワンダーキャットの方が足が速いからそちらに合わせる。
そうしてライネルに到着したのは約二時間後、早すぎだろ!
猫たちを水晶化して入場を待つ人々の後ろに並ぶ。
そうして検査を受ける順番が回って来ると俺達を待って居る人物が居た。
「ようこそ龍族と竜人族の国ライネルへ、私はシャル=ヴァンティユ、シャルとお呼び下さい、さんも様も不要ですわ、よろしくお願いしますわ」
「これはご丁寧に恐れ入ります、私はアンジェリカ、アンジェとお呼び下さいな」
「俺は怪盗=マグロ、マグロと呼んでくれればいいよ」
「セレスティーナです、セレスとお呼び下さい、よろしくお願いします」
「ティルアですにゃ、ティアとお呼び下さいにゃ、よろしくなのにゃ」
「シェルアスです、シェルとお呼び下さい、よろしくお願いいたします」
「クララです、よろしくお願いします」
「シャルちゃんもマグロちゃんと同じ翼があるって事は龍族なのですわね」
「それは後から説明致しますわ、先ずは陛下にお会いして頂きます、注意しますが、決して鑑定しない様に、相手の実力を調べる事は敵対に等しいと考えられてますわ」
「ご忠告痛み入る、しかし、なぜ見ず知らずの俺達とお会いを?」
「それも含めてお会いすれば解決しますわ、どうぞ、こちらの馬車にお乗り下さい」
道中、石造りの家屋ばかりだったので質問してみた。
「石材が豊富なのですね、重量があるので切り出しは大変そうですが」
「そうですわね、と言いたい処ですが、その点の疑問は今後ご理解できますわ、と返答させて頂きますわ」
全部答えて貰えないんだな、後から解決するにしても、今教えてほしかったな。
しかし、待ち伏せされた挙句に陛下への謁見を強制か、少し注意しておく必要があるな。
「はぁ」
城の中に案内され、その一室に通される。
城の入り口が特大だった、横幅20mほど高さが30mほど、何が通過する事を念頭に作られたのやら、俺たちが通ったのはその扉ではない、脇にある人用と思われる横幅5m、高さ3mほどの扉だ。
「此方の部屋でお待ち下さい、何か御用が有れば傍のメイドに言って下されば対応致しますわ」
丁重に案内され、茶と茶菓子が振る舞われる。
「なぁ、俺は礼儀作法を全然知らないのだがどうしたものか・・・、とりあえず土下座して挨拶すれば良いのかな?」
「それなら私が先頭に立ちますわ、私の同じ行動をすれば大丈夫ですわよ」
「お願いするよ、今後はその手の作法も覚える必要があるのかなぁ、厄介だな、俺は単なる一般人なのに」
「マグロさんは一般人の範疇に入らないと思いますよ」
「実力だけならそうかもしれないけど、身分だけは貴族とかなりたくないな」
20分程度した頃シャルが迎えに着、シャルの先導の元謁見の間に到着した。
「シャルです、お客様をご案内致しました」
「入れ」
シャルを先頭に入って行き、アンジェと同じ動作をする、右足を1歩引き膝を地につき頭を下げる。
何故か陛下のみで他の側近達がいない、謁見の際は重鎮達が居並ぶものとばかり思っていたが当てが外れた。
注目されるのに慣れてないから好都合と言えば好都合だが。
「よく来てくれたマグロ殿とそのご一行、我が名はユリウス=ヴァンティユ=ライネルだ、ユリウスと呼んでくれ」
「お初にお目に掛かります、冒険者をしております怪盗=マグロと申します、ご尊顔拝謁し恐悦至極に存じます」
「堅苦しい話し方はしなくて良いぞ、普段の言葉使いで構わん」
「ユリウス様、お言葉に甘えまして、崩させて頂きます」
「ここへ呼んだのは、そち自身の事を教える必要があったのでな、無論、それに我らも関係してるゆえな」
「具体的にはどの様な事ですか?」
「竜人族なのに翼が有る、通常の竜人族には翼が無い、変だとは思わなかったか?」
「それは感じていましたが、先日まで滞在していた帝都で龍種である事は判明しましたが正確には把握しておりません」
「結論から言うと、我は雷属性のエンシェントドラゴンでな、この姿は竜語魔法を使い人化した姿だ、我の髪の色が金髪であるのが属性を表している」
「もしかして」
「そうだ、其方もエンシェントドラゴンだ、前例は無いが、そちの場合は通常が人化した姿で、竜語魔法で龍化を覚える必要があるな。
頭髪と翼の色からシルバードラゴンであろう、それを踏まえてだ、そちは転生者であろう」
「・・・それを知るのは我がPTのみ、なせユリウス様が知ってるのです?」
「簡単だ、この世界に存在してるエンシェントドラゴンを全て把握してるのでな、そこへ人化した姿のそちが現れた。
それともう一つ、そこに控えてるシャルは巫女でな、神よりご神託を頂き、そちが来る事を予め知っておった。
それで首都の入口へ迎えを寄越した訳だ」
「なるほど、辻褄は合ってますね、タイミング良く待って頂いてたのも納得できます、それでは我らに何の用があったのでしょうか?」
「事実確認ともう一点あるが、そちらは後程にな。
龍族は服や防具などに特殊な魔法を施さなければそちは着れないからな、不便では無かったか?」
「服を一応買っては見ましたが結局着れず、防具も当然無理で困っておりました」
「そうであろうな、ここでは手に入るから安心すると良い、逆に言えばこのライネル以外では手に入らないとも言える。
予備も含めてかなりの量を買って置くべきだな、ずっと留まる訳でもあるまい?」
「確かに、この世界にやって来たのです、色々な場所を見て観光したいと思っております」
「ならば最低でも装備一式そろえるまでは此方に留まると良い、最適な場所があるからそちの戦闘訓練にも成ろう」
この期を逃したら龍語魔法の会得が困難になるって事だよな、ついでだ、頼んでみるか。
「ユリウス様、一つ、品を出しても宜しいでしょうか?」
「構わんぞ、どうしたのだ?」
ミスリル100kgのインゴットを2個取り出す。
「これを報酬とし、私に龍語魔法を教えて頂けませんか? 一つは紹介料とし、ユリウス様に差し上げます」
片手剣なら精々1,5kg程度、軽く60本は作れる、金額にして軽く白金貨10枚は下らない品なのだ。
「これほどの品であれば断る事はできんな、この後シャルに宿へと案内させる、その宿に明日朝教える者を行かせよう、それと訓練地だが、それなりに広い場所が必要だ、そちらの手配もしておく」
「ご配慮感謝します陛下」
「では、事の詳細はシャルより聞いてくれ、と会談を終わる所だが、本人の希望でな、もう一件ある、そちには嫁がおらぬであろう」
「同じPTにおります女性5名共に私の嫁です」
「此方へ来て一月も経っておらぬであろうに流石はマグロだ、ではシャルを候補に入れてくれ、余の姪に当たる、そちの今後の行動で絶対に足は引っ張らないと宣言しておく」
「受けるかのお返事を今する事はできません、申し訳ありません」
「初対面だしな、それとなく心に止めておいてくれ、それではシャル、後は任せたぞ」
「お任せください、陛下」
退席し現在城門前。
「ご迷惑でしたか? 申し訳ありませんわ」
「いや、それは良いのだが、俺がシルバードラゴンと言われていたが、どんな存在なんだ?」
「そうですわね、陛下と私を例にあげて説明しますわ、陛下は雷属性のドラゴンですが、ドラゴンにとって最大級の攻撃は何と言ってもブレスですわ。
その属性が陛下は雷なのですわ、ブレスが雷だからと言って他の属性の魔法が使えないって事はありませんわ。
そして私は火属性のドラゴンで、ブレスも火属性、ブレスはそれぞれ1種類の属性しか発動できないのですわ。
そしてマグロはシルバードラゴン、決まった属性が無く無属性、ブレスも無属性で純粋な破壊のみですわね」
「見た事も無いから判断つかないけど、威力で見たらどうなんだ?」
「エンシェント種で、無属性のブレスを発動可能なのは、マグロが龍化を取得してない現在ではゴールドドラゴンのみですわ。
そして言えることですが、互いにブレスをぶつけ合った場合、条件を同レベルかつ他の属性でしたらゴールドドラゴンが確実に勝ちますわ、属性を乗せると言う手間が省けてる分、かどうか判りませんが優劣は無属性が上ですわね」
「うーん、唯でさえ強い龍種な上に無属性か、実感が無いが気をつけておかないとな」
「そうですわね、この話は後々にと言う事で、本日は宿屋に泊まって頂きますが、長期滞在されるのでしたら屋敷を購入されますか?」
「それは俺だけの問題じゃないから皆と話し合って決めるよ」
「わかりましたわ、それでは明日の朝に母と共にに参りますわ」
「もしかしてご教授されるのがシャルの母上?」
「確実にそうなりますわね、お父様も教える事は出来ますが、やはり教える事となれば母が上手ですので明日を楽しみにしておいて下さい」
こうして宿屋に案内され10日分の料金を支払っておいた。
昼食には早いので屋敷の件も含めて話し合う事にした。
「俺達を待っていた件は兎も角、警戒が必要だな、特に上層部のだ」
「相手も見ずに嫁にと押し込む魂胆を考えれば、マグロ様の能力を把握する為、もしくは異世界の情報を得てこの世界へ影響力のある品の開発とも考えられますね」
「しかし、俺が虐殺を好む奴だったり変質者だったりとか考えないのかね」
「ですから異常なのですわよ」
「結婚はあり得ないとしてPTへ加入させるのも却下だな、それと考えてるのは奴隷購入だな、この地に奴隷商が居るようなら当たってみるか?」
「今6名ですので後4名ですか、レベルの差も考えるならば早い方が良いですね」
「修行の間は動きの取りようが無いからな、当たるのは後回しとして次は屋敷の件か、この様な事態だから購入は避けるべきだと思うがどうだろう?」
「当然ですわね、購入すれば離れる際の足かせになりますわよ」
「それじゃ見送る方向で、それと俺の修行期間だがシェルには結界魔法の書を渡すとして、皆は何をする?」
「マグロ様が龍になられる際に立ち会いたく思います、私は付いて行きますよ」
この言葉に他の皆も全員一致だった。
「それじゃ相当に戦闘をしたからな、全員開示してみないか?」
「それを待っていたのよマグロちゃん」
こうして互いに確認し合った。




