表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/36

21:帝国からの布告

 翌日、支払いの受け取りと正式な契約を取り交わす為に商業ギルドに来ている。


「これで契約が済みました、これより販売を開始しますがどうでしょう、皆様方もその素材で防具一式を作成されるかと思いますが職人をご紹介しましょうか?」


「それが出来れば良いんですがね、ちょっとこれを見て頂けますか」


 マントを脱いで背中を向けた。


「種族が竜人族となってますが、どうも正確には違う様でして、俺自身、何の種族か分からないんですよ、それにこの翼で防具処か、着る服さえこの一着のみでお手上げな状態でして、とても防具を作れない状態とでも言いますか」


「なるほど、マグロ殿はご自身のルーツを知られないのですな、それでしたら私に心当たりがあります、サパンの東へ数日行くと竜人族が暮らすと言われてる地があるのをご存知ですかな?」


「その事は聞き及んでいます、いずれ行きたいと考えていました」


「その地はライネル王国と言いまして、ある特殊な種族の方が治められています、なぜ知っているかと言いますと、職業柄国を跨いで会議などに出向きますので、かの地にも行った事があります」


「それで、特殊な種族とは?」


「その地を治められている方がマグロ殿と同じように、見た目は竜人族でありながら翼を生やされておりました、よって、その方と同族なのでしょう、結論を言えば龍族で人化した姿です、かの地であればマグロ殿の出自も分かるかもしれません、それに服や防具も手に入る事でしょう」


「それは良い事を聞きました、是非行きたいものです」


「それがよろしい、それでは、行く際にはくれぐれもお気をつけて、かの国の周辺の魔物はこの帝都周辺の魔物よりよほど強力ですからな」


「はい、ご忠告痛み入ります、それでは我々はこの辺で」


 マスターともなれば多忙だ、さっさと退室しないと迷惑が掛かるとエントランスへ下りて来た。


「マグロ様、大変ですぞ! 帝国が、帝国が!」


「貴方は確かポーション作成の時の」


「そうですが、それ処ではありません、アンジェリカ様とそのご一行に対し、帝国の名で討伐令が発令されました!」


 うーむ、やっぱりあれだけ倒されても反省しなかった様だな、こうなったら全面戦争に突入するしか手が無いな、その前に何の罪状なのか確かめないとな。


「それで、何の罪状なのかご存知か?」


「騎士団を手に掛けた殺人罪、宝物庫を荒らした窃盗罪、国家転覆を謀った国家反逆罪です!」


「そうなると、帝国そのものが俺の敵に回ったとして、商業ギルドや冒険者ギルドにも立ち入れない、そもそも町に立ち入れない、そうなるのかな?」


「そうなります」


「それじゃ、その帝国が言ってる事がまったくの嘘だと証明できればどうなる?」


「商業ギルドとしては中立、ご利用も可能になり、冒険者ギルドも強制脱退されずにそちらも利用可能、この様な事例は全くございませんが、帝国と皆様方の間で戦争状態になったと解釈できます」


「なら、此方に犯罪証明の水晶はあるか? 帝国の言う事が本当であれば殺人と窃盗の罪状がズラズラ並んでるだろ」


「確かに・・・少々お待ち下さい、お調べした結果、何も無ければその点を公表いたします」


「まった、調べて各商業ギルドへ情報伝達するのは認めるが、拡散はしなくて良い、そんな事をしたら帝国対商業ギルドになりかねないぞ、それより冒険者ギルドへ情報を流してほしい。

 調べてもらった後に直ぐに行くが、いきなり攻撃されたらたまったものじゃないからな」


 そうして全員が無実なのを証明され各都市の商業ギルドと冒険者ギルドに伝達、帝都の冒険者ギルドへもこの事が知らされ、戦闘行為をしかけない様に冒険者達へと通達された。

 そしてやってきました冒険者ギルド、中に入ると当然ひと悶着発生だ。


「貴様らだな! 犯罪者が何用だ! 冒険者ギルドを巻き込むんじゃねえ! とっとと失せろ!」


「お前なぞに用事は無い、とっとと失せろ」


「何だと! 貴様ぁ!」


 大剣を背中から引き抜き、大上段からの真っ二つになる軌道で切り掛かって来るがそこは相手が悪すぎる、剣の横っ腹を裏拳で跳ね飛ばし、踏み込んでいた右足の膝に前蹴りを放って足をボッキリだ。


「がぁあああ、あ、足が!」


「止せばいいのに、マグロちゃんもやりすぎないようにね、此処はお姉さんに任せなさい、ギルドマスターは居るかしら!」


「それだけ騒ぎを起こせば嫌でも出て来るさ、数日ぶりだなアンジェリカ殿、一先ず此方へ来てくれ」


「待て、聞かれて困る事なぞ1mmも無い、どうせならここに居る全員に知ってもらおうじゃないか、その方が隠し事も無くて全員理解するだろ」


「本当に良いんだな?」


「マグロちゃんがそれで良いなら私もそれで良いわ、それで何処から説明しようかしら」


「それは城に呼び出されて毒を盛られそうになって執事を罠部屋に蹴り込んだ辺りからだな」


「全部って事ね、それじゃ話す前に一言付け加えておくわよ、犯罪証明で何一つ出なかったから全て帝国の戯言なのよ、この点を念頭に入れて聞きなさい」


 近衛騎士と衛兵全滅やら結界の無力化に宝物庫漁ったりと全てを伝えた。


「何というか、まるっきり戦争だな、それなら犯罪証明で何も出ない訳だが、皇帝でもとっ捕まえて犯罪証明でもしてみるか? うんざりするほど延々出てきそうだな」


「それは良いアイデアだな、今から行ってとっ捕まえて来るわ」


「待ちなさいマグロちゃん、今のマグロちゃんなら簡単だけど、それでは終わらないわ、軍部がすでに動いてるのよ」


「それじゃこうしよう、俺達は門の外2km位の地点にゲルを貼って生活する、それを狙って来る馬鹿を全部平らげてから皇帝をとっ捕まえれば奇麗に終わるじゃないか」


「アンジェリカも大変だな、それでどうする? マグロの言うようにとっ捕まえて犯罪者証明をしてさっさとご退場願うのが一番被害が少なそうだが」


「そうそう、付け加えるなら、すでに城には3万人ほど集結してるぞ、それと各門の外にそれぞれ4~5万ほどだな、全部で20万ほどか、ついでに付け加えるなら、その各門から今も城に向かって転移作業をしてるらしく増えてる真っ最中だ」


 そう、あれから緊急招集を掛けたんだろう、テレポーターでせっせと人員を移動させてたようだからな、それと同時に一番近い町から不眠不休で来させたのだろう。


「そう言う事は早く言え! よくそんなに落ち着きはらって居られるな」


「今なら何十万来ようと倒される未来が思い浮かばないからな、大量に人員が来るより、最大戦力一人の方が脅威だよ。

 それより、俺の案が却下ならどうするつもりだ? ここに立て籠もってるのは相手にバレバレだぞ、見張りが500mほどの間隔で密にとってるし、時間が経てば町中で戦闘だぞ」


「何でそう言う重要な事をさっさと言わないのかね、状況がどんどん不利だと言ってる様なものだぞ」


「なら俺に任せるか? 相手も町中の戦闘はなるべくなら避けたいだろ、今後の統治に影響が出るからな、ちょっととっ捕まえて交渉してくるわ、町の外で一戦しませんかと。

 追加で言うが、このままだと帝都の住民までどうなるか分からないぞ」


「・・・マグロの好きな様にしてくれ、俺の手には余る事態だ」


「マグロちゃんの案に乗りましょうか、どっちにしろ一戦交えるのは避けられないものね」


「それじゃ確認するが、【フライ】使って飛べないのは居るか?」


「ティアは飛べないにゃ」「私も飛べません」「私も飛べませんわよ」


「アンジェがなぁ風魔法は得意分野と言ってたから意外だわ、えーと開戦直後だが直ぐにペアになって上空に退避して行動に移してくれ。

 ティアが一番背が小さいから軽いよな、シェルはティアを抱えて西側方面に逃げる敵の殲滅を、セレスはクララを抱えて東側外へ逃げ出してる様なのを狙ってくれ、俺はアンジェを抱えてメイン火力に専念する、場所は西と東からも騎士団を引き付けやすい南門が良いだろう、そちらで一戦するように交渉する、纏まったら一度戻って来るから、それから出かけよう、良いかな?」


 全員了承したので俺は外へ、一人の偵察兵をつかまえて交渉に入った。


「助けてくれーーーー」


「俺はお前に危害を加えるつもりは無い、交渉に来たんだよ、だから落ち着いてくれ」


「ほ、本当なのか?」


「殺すつもりならとっくにお前は死んでるよ、それで交渉したいんだが如何かな?」


「俺に、その様な権限は無い、無いが報告ならできるから聞くだけは聞くよ」


「そうか、なら伝えてくれ、俺達は街中での戦闘はしたくない、だがそちらは一戦交えないと気が済まないだろ、だから南門を出た所で相対しないか? 逃げ出さない様に常時見張りをつけて直ぐに連絡が可能な様に通信水晶でも持たせておけば逃げ出したのもすぐ分かるからな、そう伝えてくれるか?」


「わかった、上官に伝えて陛下へ進言するようにお願いして来る、少し待っててほしい」


 そうして1時間後。


「陛下からの伝言だ、南門での戦闘なら此方も容認する、2時間その場で待機せよ、その間に付近の住民を避難させる、以上だ、それと後方500m地点に居る方が俺の上官で随時離れた位置で監視される、謀った場合には町中であろうと戦闘へ突入するとのお言葉もあった、この条件を飲むか?」


「それで良い、俺の仲間が5名冒険者ギルドで待ってる、連れて来るから構わないよな?」


「それなら私も同行する、余計な者達を連れて来られては困るからな」


「構わないよ、何なら俺のPT員かどうかの確認もギルド職員に尋ねて貰って構わない」


 俺のPTとついでに監視員も含めて南門を挟んで敵騎士団と相対する。


「アンジェリカ殿、この様な事で対面するとはなんと嘆かわしき事、罪を認め投降されよ」


「あら、犯罪水晶での鑑定で私たちの無実は証明されていますわよ、皇帝こそ此方の命を狙った事を認めて退位されては如何ですの」


「黙れ逆賊が! 貴様らの罪の数々を皇宮で確認しておるわ!」


「先に手を出されたのは陛下ですわよ、そのまま死んでいろとでも言うつもりですの?」


「その様な事はしていないと陛下は仰せだ! 戯言はほざくな!」


「皇帝が発言した内容であればすべてが正しいとでも? 正しければ犯罪の経歴が出ますわよ、それすら理解できない程の頭をお持ちなのですか? 実に嘆かわしい事ですわね。

 皇帝に犯罪証明をさせてごらんなさい、私たちの言ってる事が本当だと証明できますわよ」


「皇帝陛下を愚弄するのも大概にしておけ!」


「愚弄などとんでもございませんわよ、本当の事しか話していません、真実から目をそらして死ぬおつもりですか?」


 アンジェを後ろから抱きしめて少しだけ介入する。


「はい、ストップだアンジェ、言いたい事は分かるけどな。

 そこの騎士殿、お尋ねして宜しいか?」


「俺は開戦したくてうずうずしてるんだ、変な事を聞く様ならば、時間が経過していないが即開戦するぞ」


「では失礼して、今回の事なのですが、陛下は兎も角、他の貴族様方はご納得されているのでしょうか?」


「そこは把握していない、緊急招集だったからな、確認などせず陛下御自身の判断だ」


「最後にもう一つ訪ねますが、貴族全員が反対したならば、陛下のお立場はどうなるでしょうか?」


「帝国はあくまでも陛下へ権力が集中している、その権利の一部を貴族の方々が受け運営されている、全員が反対されようとも微塵も揺らぎはせんよ」


「なるほど、ありがとうございました、さてさて、皇帝の命令で騎士が全滅したとしたら・・・どのような結果になるでしょうかねぇ」


「もう我慢ならん!、全員戦闘準備!」


「ではこちらも、開始しますか、やっと西と東門に居る騎士達も合流した様ですしね。

 門に連結、地下10mに渡りめり込んで発現、厚さ1m高さ5m、MP適量【アイアンウォール】」


「流石マグロ様、門を封鎖ですか、それでは開始しましょう」


 各自ペアになり俺はアンジェをお姫様抱っこ、下を見ずらいから少し斜めに飛ぶか? 【フライ】で飛び立つ、3手に分かれ俺達は頭上で飛び回り挑発、なるべく塊になる様に周回して攻撃開始する。


「それじゃアンジェ、俺が熱湯【ウォーターウォール】をばら撒くから、それにどんどんファイアを当ててくれ、多重起動を覚えた第一戦、腕の見せ所だな」


「マグロちゃんと共同作業も良いですわね、外周部から中心に向けて行きますわよ」


 外から内へ追い詰めるように爆撃を投下するかの如く蹂躙攻撃だ、相手は多いが空中への攻撃となると弓と魔法しか手が無い、弓は行きわたっておらず魔法を使える者も全体としては5%程度、一方的に攻撃する事2時間程度、空間把握で生きてるのを確認するも、運良く遺体に遮られて難を逃れた運の良い者達だ、と言っても100人にも届かず80人程度、それでも重症には違いなく時間が経過すれば死に至る。

 空中にいるまま合流して城に居るのをどうするか話し合う。


「ここはケリがついたが城のはどうする? たぶん37000~38000の人数だな」


「監視員が居ましたわよね、彼を通じて警告してはどうでしょう?」


「下手に警告しても逆上しそうな気がするにゃ、賢明な奴なら宝物庫荒らされても見逃すにゃ」


「マグロさん、無駄に命を刈りとるのは忍びないですし、警告されてはどうでしょう、後の判断を皇帝に投げかけられては?」


「警告するとなれば此方の要求を吞んでもらうしかないな、最低条件は正式な謝罪と賠償金の支払い、かと言って税金を上げて穴埋めする様なら即排除、それと公衆の面前で犯罪判定の水晶を使った判定、そして一般人とみなしその罪に対するその場での刑の執行、この辺りか?」


「妥当な所ですわね、賠償額の請求は如何しましょう?」


「俺に聞かれてもなぁ、結局は俺達の命に対する値段な訳だから、半端な要求額には出来ないぞ。

 かと言って俺にこの手の知識は皆無だから5人に任せて良いか?」


 5人で話し合った結果、ドラゴンより安いのはあり得ないと言う意見に纏まり、一人当たり白金貨2万枚を請求する事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ