14:仲魔ゲット
翌朝目覚めると俺はベッドから落ちていた、きっと命の危機に瀕したのだろう。
3人とも身支度を済ませて食事も済ませ、何故か冒険者ギルドに、中に入るとテーブルで寛いでたりクエストを物色したり、受付嬢の順番待ちしてたりと多数の冒険者が詰めかけていた。
「なあアンジェ、ダンジョンに行くんじゃなかったのか?」
「帝都のダンジョン入口は此処にありますのよ、嘘だと思って付いて来て」
階下へ降りる階段があるのは分かるが、その先は見通せない、何か結界でもあるのかね。
その結界らしき壁、これを超えると状況が一変し、あちらこちらに敵らしき赤いマーカーが見て取れた。
「こんな所に入口がなぁ、それじゃこの階層がスライムだよね、10匹程度を釣っって、邪魔にならなそうな部屋に誘導してもらえるかな」
「魔力感知でこちらも把握済みですわよ、そこはお姉さんに任せなさい、取り付かれない様に注意するのよ」
袋小路の部屋へと誘い込み最終的には11匹を連れ込み鉄を10kgずつ与えながら個別に引き離し、最終的に150kg食べさせる事になるのだった。
もちろん足りない分は作って収納した。
その間にミスリル製作と金では無く白金での資金調達を考えていた、金だと出すのに嵩張るからな、ちょくちょく取り出しては見ていたので特徴は分かっている。
「それじゃ資金から調達するよ、今回は金じゃなくて白金な【プラチナウォ-ル】」
「これが例の資金調達なのですわね、これが白金貨となればどれほどの金額に成る事か・・・」
「アンジェさんも土の魔法を取得されてましたよね、マグロ様の様に資金調達が可能ではないですか?」
「確かに【ストーンウォール】は使えますが、根本的な違いがありまして、効果時間が切れますと、呼び出した石材も消えますのよ」
「セレスの場合は【ウォーターウォール】なら使えるだろ、それは消えるのか?」
「私の場合は飲み水としても重宝していました、行先次第では調達が困難な場所でもこれで切り抜けていましたから消えませんね」
「大体俺と同じ発想だな、飲み水にも利用できるなと思ってたから消えなかったのかねぇ、その辺りがヒントになるのかな」
「それなら建築資材として利用する方向で考えながら発動の練習を通路でして来ますわ、懐くのに1時間程度かかりますし、丁度良い時間ですわね」
「わかったよ、何かあったら呼ぶから、こっちはそれまでミスリル作ったり魔導書読んだりしておくよ」
会話してる間に1分経過してるので収納して売却してみる。
アイテム:白金:14400kg
【コマンド】売却:白金14400kg
白金貨2057142枚、金貨857枚、銀貨14枚、銅貨28枚、売却致しますか?
200万越え??
「ブフォ、ゲッホ、ありえん! 多すぎだろ!」
「マグロ様どうしたのですか?」
「さっきの白金を売却しようとしたら、白金貨200万枚を超えたよ」
「どういう事よマグロちゃん! 経済が混乱してしまうわよ!」
「想像してみてくれ、硬貨1枚が7グラム程度だろ、さっきの一塊で14400kg有ったんだよ、7グラムで切り分けたとしたら桁外れの量になると思わない?」
「そう言う事を言ってるのじゃないわよ」
アンジェの後ろに回り胸元に手を突っ込み胸を揉みながら話す。
「落ち着きなって、俺達が自重して行動すれば変に混乱を招くような事にはならないんだからさ、何なら今度のオークションで競り落とすのはアンジェに任せるよ、引き取りとかは俺が行くからさ」
「ふう、確かにそうですわね、もう胸は揉まなくても落ち着きましたわ、競り落とすのは全員一度は体験しましょう、それも経験ですからね。
奴隷の引き取りにはマグロちゃんに付き添う形でセレスちゃんと私がそれぞれ付いて行って解放するか否か二人で相談しその場で決めましょう」
「それじゃ俺は先ほどのを売却して、ミスリルを新たに作って確保するのと、後は袋に小分けだな、魔導書読む時間は取れないか」
「それとマグロちゃん、例の対応もあるから明日からの中二日はダンジョン下層でレベル上げをしますわよ」
「それは良いけど、対象を絞ってくれないか? なるべくDEXが低いのを 流石に敏捷性が高いのを相手にするには俺の反応速度が心配だ」
「そこは任せなさい、的が大きくて動きが単調な魔物をチョイスするわ」
その後は全量売却し小分けする前に光輝牙槍を取り出して観察後【ミスリルウォール】を開発、収納してみると以外に軽い、体積は同じでも4000kgほどだったのでこの10倍確保しておいた。
この後巾着100枚に白金貨100枚、残りの巾着に金貨100枚ずつ入れ、10枚の大袋白金貨10000枚と金貨10000枚入れておいた。
そうこうしてる間に食べてしまったのかスライム達が周りに集まり、座って作業していた事もあり膝の上にまで乗って来たが少し問題が発生していた、色が違うんだよ、元は青かったのに今はくすんだ銀の色ポイ感じだ。
「セレス、アンジェ来てくれ、懐いたのは良いけど色が変わってるよ」
呼んで来てもらったわ良いが、二人とも目を見開いて驚いてるな。
「ステータスも変わってるが、何より名前が変わってるんだよ、表示するから見てみ」
鑑定
アイアンスライム
年齢:1歳
Lv:2
種族:特殊変異体スライム
職業:スライム
状態:良好
HP:164
MP:44
STR:4
VIT:51
DEX:5
INT:18
LUK:8
EXP:0/3000
スキル
アクティブスキル:溶解5
「変異種になってますね、鉄ばかり食べさせた影響でしょうか」
「ポーションの件といいスライムの件と言い、発表したら影響があるのをポンポンとまぁ開発するのですわね」
「雑食だと思っていたから手短かつ手元にあるのを与えてたんだが、こんな事になるとはねぇ、誰も予想しないって」
「とりあえず魔力を与えて支配下において下さい、結晶化と実体化をお教えしますわよ」
魔力操作で体から放出して魔力を与え11体が仲魔になった。
「対象に触れて言霊を与えるだけです、魔力を込めて【種族名結晶化】実体化させる場合は【種族名実体化】 この子達は変異してますからアイアンスライムになりますわね」
「それは知った人から聞かない限り知らずに、出しっぱなしで運用してただろうな、それでレベルの上がり方はどうなるんだ?」
「主人と同等にとは参りませんね、主人と経験を分け合いながら成長しますが、マグロちゃんに適用されるかは神のみぞ知ると言う所ですかね」
「なるほど、召喚獣を使って有利に戦闘できるが、その分経験が分散するから一長一短なのか、俺の場合は十二分の一になる計算な訳だ、本来なら」
「マグロ様の加護の影響でPT員と同等に取得する算段が高いという訳ですね」
「セレスちゃんの言う通りね、恐らく同時に成長するはずですわね」
「それはおいおい分かるとして、それじゃ資金を配るぞ、バラバラに行動する時もあるだろうし、資金が無く買えませんでしたでは話にならないからな」
これで渡したのは巾着で白金貨10袋と金貨10袋、大袋を各1袋だ。
スライム達を全部水晶化して残りの買い物に向かった、家具屋では食卓のテーブルと椅子を合わせて10脚、テントなどは冒険者御用達の店で最大サイズのゲルを買った、ダブルベッドを5台横に並べて置けるだけの広さがある、寝具類もその時に一緒にだ、そちらは5人分な、何故かベッドだけはキングサイズを3つだ。
後は服屋に行ったがこれが時間が掛かった夕刻まで居座り続けたが俺の分はすんなり決まった、上着が着れないからな。
宿屋で夕食後自分達の部屋へと戻り、明日と明後日の行動とポイントの件を伝える。
その前にスライム達全てを実体化させて、10匹にはミスリル100kgを、1体には金100kg与えておいた。
「あれは気にするな、単なる食事だ、それでステータスだけどポイントって項目が増えてるよな、それってステータスに割り振れるんだよ、HPやMPに直接振ったら実数の10倍になるがお勧めしない、HPならVITにMPならINTに振って増やす方が地力が上がるんでそちらをお勧めする。
それで試してはいないけど、振り直しは効かないと思ってくれ、セレスとアンジェの場合はレベルから1引いて×50の数値だな、今後も成長すればそれだけ振れる数値が増えるって寸法だ。
俺のINTが突出してるのは、INTに全部振ってるからだな、俺にとって魔法が生命線、これ以外に選択肢が無かったとも言えるな。
振り方に対する考え方は様々だ、平均に上げて全体を強化するか、弱点を補う様に振るか、長所を上げるように俺みたいな振り方にするかだな、もちろん様子を見る意味で振らないという選択肢もある。
即決しなくて良いからじっくり考えてくれ、決まったら俺に言えばいつでも振るからな」
「・・・・マグロちゃん、私のMP値を見て思ったでしょ、レベルの割には低いって、それで悩んでた時期もあったわ、最終的には種族が狐族だから当然なんだと割り切っていた。
決めたわ、INTに全部振って頂戴、それで悩みが完全に解消されるわ、本当にありがとうマグロちゃん!」
意外だ、涙もろかったんだな、そんな悩みがあったのか、抱き着いて来て泣いてるからな、俺は腕を回して背中をポンポンと叩きながら全部振った。
ステータス
アンジェリカ
MP:6717→14180
INT:1876→4426(2550)
フリーポイント:2550p→0p
「アンジェ、終わったよ確認してくれ、これで活動中でも1時間当たり990ほど回復するからそれを念頭に、それとセレスに聞いて俺も注意してるんだが、無詠唱だとそのままで運用すると威力が上がらない、再構築が必要だからって、Sランクにも成れば知ってて当然か」
「そんな事無いわよ、私は7年ほど冒険者として活動して来たけど、これほど大幅に成長した事が無かったから意識して再構築した事は無いのよ、明日からの2日間の間に調整するわ」
「そうしよう、やっぱり指輪の効果がすごいな、2割も上がれば1000以上上がってる」
「そうですわね、私など倍以上に増えましたから」
「マグロ様、私もINTに全振りして頂けませんか?」
「セレス、弓だとDEXも重要だと思うが本当にINTで良いんだな?」
「はい、弓だとどうしても弓の性能によって頭打ちが来ます、そうなれば将来的に必ず魔法主体になると思います、将来の事を思うとこの選択しかありません」
「確かに、矢に込める魔力にも限度があるからな、分かったINTに振るよ」
ステータス
セレスティーナ
MP:3300→9360
INT:810→2310(1500)
フリーポイント:1500p→0p
「セレスも確認してくれ、3倍近くになったな、レベルに順当と言って良い感じになった、
それで、明日と明後日でレベルアップを計る?」
「嫌な予感がする以上少しでも上げておくべきね、幸い、私は最下層までの知識があるから見繕って倒せるわ、それにこれだけの面子が揃っていればあれができるのよね。
さぁ、明日も早いわ、寝ましょう、昨日はセレスちゃんにお願いして無理して貰ったわ、今日は3人で寝ましょう! さあ、マグロちゃんは避妊薬を飲んでベッドにね」
「それは嬉しい提案だが、ちょっとあっちを見てみなよ」
そう、スライムが変化していたのだ。
鑑定
ミスリルスライム×10
Lv2
年齢:1歳
種族:特殊変異体スライム
職業:スライム
状態:良好
HP:763
MP:248
STR:4
VIT:250
DEX:5
INT:120
LUK:8
EXP:0/3000
ゴールドスライム
Lv2
年齢:1歳
種族:特殊変異体スライム
職業:スライム
状態:良好
HP:233
MP:190
STR:4
VIT:70
DEX:5
INT:60
LUK:70
EXP:0/3000
「また色が変わってますわね、片方は金ぴかですか・・・」
「金色ですか、何だか趣味悪い色ですね」
「それを言うなら成金仕様だろ、ちょっと頭にのせて帽子代わりにしてみるか?」
ゴールドスライムを自分の頭の上に乗せてみた。
「見た目は兎も角ひんやりして気持ちいいな」
「ふふふ、あははは! マグロちゃんそれは無いわよ、髪の色とマッチして似合ってるとも言えますが」
「飾り餅の逆バーションって所か」
「? マグロ様、飾り餅とは何でしょう?」
「年を跨いで越す際に飾るお供え物みたいなものだよ、今度からゴルスラちゃんは其処が定位置な」
「ゴルスラって酷いネーミングよマグロちゃん、略すにももう少し捻ってライムちゃんとか付けてあげたらどうかしら?」
「良いね、今度からライムな、それじゃミスリルスライムの方は区別がつかないから統一してミライちゃんと呼ぼうかな。
しかし、ミライちゃんのステータスはすごく偏ってるな、将来は盾役が出来そうだ」
「・・・マグロちゃん、猫って好きかしら?」
「あれは癒されるよね、犬は大っ嫌いだけど、犬族だったらきっと買うって選択肢から外してるな」
「なら決まりね、最下層に猫の魔物が居るの、それを使役する気は無いかしら? 馬車に連結するのは無理だけど、馬代わりにはなるわよ」
「それは良いな! ぜひ捕まえて召喚獣にしておこう、5匹だな」
「いえ、7匹よ、ボスも猫なの、ペアで居るからそちらも捕まえましょう、明後日の昼からでいいわね」
予定も決まりアンジェの言う通りに避妊薬を飲み3人で寝た。
翌日はなるべく下層かつ肉として食べられる魔物かつ動きが単調で狙いやすい魔物って事で、階層を数か所まわる事になった、対象はオーガとその変異種であるオーガナイトにオーガロード、Aランク対象魔物で飛んでるから厄介なグリフォンとワイバーンだ、攻撃の際は直線的に突撃するらしく、狙いやすいので対象にしたようだ。
オーガー種は27階層、グリフォンは28階層、ワイバーンは29階層、対象の猫は30階層でここが最下層との事だ。
アンジェがお願いして俺が壁に向かってアシッドランスを放つ。
ダンジョンは傷つけた者へと階層全ての魔物をぶつけるらしく、全ての魔物が向かって来る。
俺は全ての魔物に対してライトニングアローで対処して麻痺を与えて行動力を削ぎ、止めは二人に任せた、階層自体が広い為すべて処理するには2時間ほどかかる、3階層分の殲滅を一日一回のノルマとして後はのんびり食料品やらの買い物だ、調理器具にその燃料など買ってなかったからな。
そして2日目のノルマが終わった頃にはレベルも上がり、俺はLv50にセレスはLv50にアンジェがLv75にスライムがLv50にそれぞれ上がった。
「驚異的な成長スピードですわね、分割されずに3倍とはこれほどの恩恵が」
「まぁまぁ、猫用の餌も嵩張るほど得ましたし早速向かって引きいれましょう、しかし転移門は便利ですね、時空間魔法書が手に入れば移動系の魔法を取得してもらいたいと本気で思いますね」
そう、転移門、ダンジョン1Fに全ての階層へ繋がる門が階層の数だけ設置してある部屋があるのだ。
「それは買ってからのお楽しみって事で向かいますわよ」
場所は移り最下層、今回は倒すわけでは無いので、見た目的に好きな固体を探して餌を与えるだけ、不要な子達には餌を与えて食べてる隙に突破すると決めていた。
ボス二匹はワンダーキャットで全高3mほどでオスが虎柄、メスがヒョウ柄、30階層の一般的な魔物は全高2mほどで名前はワイルドキャット、此方はメスだ、ハンターキャットと言うオスも居たが候補からは外した、見ていない間に増えましたでは洒落にならないからな。
俺は真っ白な毛並みの猫を見つけて餌で釣りボス部屋に乱入、セレスとアンジェも1匹ずつ釣り俺は5匹纏めて餌付け、残り2匹は改めて二人に釣ってきてもらい合計7匹をゲットして来た。