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11:飛び級試験

 なぜかセレスをお姫様抱っこして【フライ】で西門に到着、そのまま地表すれすれを飛び続けて冒険者ギルドにそのまま乱入した、そう、夕刻にも関わらずだ、すごい人数に晒されるも抱っこしたまま受付嬢へ報告の列に並んではダメだとの決まりが無く誰からも注意されないが、もろに色々と聞こえて来る。


(くっ、あの子はめちゃくちゃ美人だな、羨ましい!)

(いやいや、あの体も凄いって、あの腰の細さであの胸は反則だろう)

(お前、ちょと喧嘩売って奪って来いよ)

(馬鹿言うな! 昨日決闘騒ぎが有って、相手が可哀そうなほど一方的だったんだぞ)

(何処で会ったんだろうな、昨日の決闘の時は登録前だとかで、一人だったよな)

(俺は知ってるぞ、たまたま通りかかってカエラ商店から出て来るのを見た)

『なに!!!!! 知ってれば俺が購入してたのに!』

(声がでけえよ馬鹿、そんな事言ってると、喧嘩売られたと称して決闘申し込んで来るぞ)

(しかし、奴隷の首輪が無いぞ? 逃亡扱いじゃね? ちょっと行って来て捕まえて来いよ)

(嫌だよ! そう言うならお前が行って来い、俺はまだ死にたくない)

(・・・・・)


 ちょっとイラっときた俺は振り向きざまジト目で見てやったら会話がぴったりと止んだ。

 そうして待つ事20分少々、俺の番が来たが開口一番に注意された。


「マグロさん、この様な場所でイチャイチャするのは感心しないわね、女性に飢えてる狼が冒険者には多いのよ、理解したらさっさと彼女を下ろしなさい」


 セレスを降り立たせて対談する。


「わかったよキャロルさん、降ろすからそう睨むなって、それで、お相手は見つかった?」


「良かったわね、有望な新人ならぜひ手合わせ願いたいとの要望でSランクの方がお相手よ、せいぜい注意するのね、時間は明日の朝食後1時間ほどね、その位の時間に来てもらえるかしら」


「それは全力で仕掛けないとあっさり負けそうだね、精々死なない様に気をつけるよ」


 こうして帰宅し、と言っても宿にだが、食事をして今日こそはと避妊薬を俺が飲み事をした。

 俺は死ぬ2年ほど前に病気にかかり、この手の事はした事が無かったのでハッスルしましたとも、そのままセレスの胸に包まれるようにして寝るのだった。


 オークションまであと5日

 翌朝朝食を済ませ出立する、試験が終われば帝都へ向かうからな、挨拶を済ませて冒険者ギルドへ。

 多数が並ぶ中俺たち二人も列へと並び俺達の番となる。


「お早うございます、キャロルさん、お相手の方ってそろそろ到着する時間ですか?」


「お早うございますマグロさんとセレスさん、今は別室で待機して頂いてます、紹介しますので此方へ」


 案内されて個室へ入ると、そこには2人と思っていたが9人待ち構えていた。

 めっちゃ美人さんが一人紛れてるな、他は全員男なのに異色だ。


「お待たせしました、此方が今回の昇格試験を受けるマグロにセレスティーナです」


「遅くなり申し訳ありません、ご紹介に預かりました怪盗=マグロと言います、この度はお手柔らかにお願いします」


「同じくセレスティナです、遅くなり申し訳ありません」


「いやいや、気にする事は無いよ、単に気がせいて早く来すぎただけだからさ、俺はクラン【朝露の結晶】リーダーのアルフォンス=アーデルハイト、今回お二人のお相手を務めるのは俺じゃない、それじゃ各自ご挨拶を」


「それでは私からですわね、今回マグロさんのお相手を務めるアンジェリカよ、全力できなさい、そうしないと実力を出し切って無いと判断してGランクになるわよ」


「次は俺だな、セレスティーナさんのお相手をするアドニスだ、俺からは攻撃しない、避けたり攻撃を受け流したりだ、攻撃の正確さと威力で判断させてもらう」


 挨拶も短時間に、他の6人は挨拶も無し、見学のみに来たのだろう、さてさて、全力で来いと言ってたから一応お伺いした方が良いのかな、死なれても寝覚めが悪いし。

 そうして到着した地下訓練場、何故かギャラリーがわんさかと集まってきている。


「それではマグロさんとアンジェリカさんに対戦して頂きます、くれぐれも相手を死なせない様に気をつけて下さい」


「ちょっと待ってくれキャロルさん、アンジェリカさんに確認したい、俺のレベルは15、本当に全力で魔法を放っても良いのですか?」


「勿論よ、そうしないと試験にならないわよ、最初の一手は貴方に譲ってあげるわ、精々最初の一撃に魔力を全て込めなさいね」


「はぁ、では遠慮なく攻撃させて頂きますが、一つお願いがあります、並ぶ位置を横から縦にして頂けませんか? 後方が観客席では危ないと思うのですが」


「そうですか? ではその要望を吞みましょう、何も変わらないと思うのですが」


 計算しながら魔法を待機させて全弾発射するのも良いかもしれないな、Sランクなら相当高レベルのはず、まぁ実力を信じるとしますか。


「それでは位置に付きましたね、始め!」


 すべて発射直前の状態で待機!【ファイアエクスプロージョン】×10、これで3000、【ライトニングアロー】×100、これで3200、【アシッドランス】×100、これで3700、鉄粉入り【エアランス】×100、これで4200、【ストファボール】×100、これで4800、残りMP76P。

 これを1秒も満たない時間に待機させる。


「それではアンジェリカさん、全弾発射しますので、全力で耐えて下さい、いきますよー」


「ちょっとまったーーー! 私が悪かった! 発射するな! お前の勝ちだ! Bランク処がSランクで良いから願いだからそのまま拡散させてくれ!」


(おいおい、確か二日前の際は数十発だったよな、この数はなんだよ、例えSランクでもあれは捌ききれないだろ)

(何百発あるんだろうな、中には上級クラスの魔法が混ざってるぞ)

(確かに見物客が後方に控えてては、あれの発動は躊躇うな、方向が違うが、確実に建物が吹き飛びそうだ)


「勝者マグロ! そのまま拡散させてください、そうしないと建物ごと吹き飛ぶ」


 うーん、このまま拡散させても俺のMPはほとんど空なんだよな、元々俺の魔力なんだし吸収できないのかね? そう思ったら待機させていた魔法の属性が無属性化し、俺の体内へと流れ込んで来た、だけどこれが苦しい、思わず膝を屈してしゃがみ込んでしまった。


「マグロ様、それは無茶です、適性が無ければ死ぬ所ですよ、返還率が悪い上に体への負担が大きすぎるんです」


「ふぅ、そうみたいだな、こんな事が出来るとは思って無かったよ、単に、元は俺の魔力だし吸収できないかなと漠然と考えただけなんだが」


「ふふふ、あはははは! 実に面白い奴だな! 決めたぞ、私はお前と共に行くわよ! 

 アルフォンスさん、以前の取り決めの通り、私はクランから脱退させて頂くわよ」


「とうとう見つけたんだね、それなら止める事はしないよ、マグロ殿、今後は彼女をお願いするよ」


 何の事かさっぱり分からないが、彼女が俺と一緒に来るとか言ってるな、何でこうなるのかな・・・・

 この事はスルーしてセレスの対戦だな、速度重視のソニックショットから始まり、貫通属性をあげた風属性を纏わらせたストームショット、それまでは良かったが最後の方で発射したアシッドショットが良くなかった、盾に突き刺さり一部が溶け出し盾が薄くなり、廃棄処分となった。

 アドニスさんはこれも経験だと笑い飛ばして弁済費用を受け取ろうとしなかったけどね。

 ちなみに俺が吸収したMPはたったの3割だった。


 俺とセレスは結果が出るまで別室で待機と案内された部屋で休憩中だ。


「まさか発射直前で止められるとはね、服がボロボロになったアンジェリカさんを見てみたかったな」


「マグロ様、お忘れの様ですが、INTだけなら相当な高レベルのステータスに上がっています、あれは例えあの9名で耐えようとしても全員死ぬか良くて重体です」


「そう言えば別に1400P振ったな、待機させて正解だったか、そのまま発射してたら殺してたな」


「マグロ様も意外と抜けてるんですね」


「誰しも欠点の1つや2つはあるよ、完璧超人なんて存在しないって」


「(コンコン)失礼します、決定しましたので手続きに来ました、全員一致でBランクへなる事が決まりました、お二人ともおめでとうございます」


「ありがとうございます、ですがやけに早くないですか? 部屋に入って10分も経過してませんが」


「議論するまでもなく、すでに決定事項という認識でしたので、実際は話し合う必要さえなかったと言うのが本音です、それではギルドカードを提出して頂きます」


 ギルドカードを渡すと職員の方は退出したが、すれ違うようにアンジェリカさんが入室して来た。


「二人ともおめでとう、早速で悪いんだけど、私を二人のPTに入れてもらえないかしら」


「断っても強引に付いて来そうですね」


「あら、分かる? こう見えても私、けっこう強引な所があるのよ、さっきは後れを取ったけど、並みの相手なら蹴散らせる自信はあるわよ、どうかしら?」


「俺一人の判断では決めかねますよ、俺だけのPTと言うわけでは無いですし、セレスが許可出すのなら入って頂いて構いませんよ」


「マグロ様入って頂きましょう、人員を確保する為にオークションに参加しますし、Sランクの方ともなれば実力は折り紙付きです、それにマグロ様の対戦相手であった訳ですから確実に魔法を習得されてる方です、此処で断ってはオークションに参加できない事より損失が大きいですよ」


「なるほど、言われてみればその通りだね、アンジェリカさん此方こそよろしくお願いします」


「それじゃ決まりね、今後の予定はとは聞くまでもないかしら、数日後に開かれるオークションに参加するのね、しかし、資金は大丈夫なの? さっきはレベルが15とか言ってたわね、それでは資金が足りないのではなくて?」


「その辺はおいおい説明するよ、とりあえず登録が終わったらその足で帝都に入って即宿屋を確保する。

 その後の行動だけど、何が出品されるのかを確認しておきたい、それと商業ギルドでポーション作成用のキット一式を購入、それと武器屋と防具屋に行って装備の拡充と値段の調査かな、それと魔道具店で最大MPを増やすのを買いたいかな」


「本気で言ってるのよね? ランクにもよるけどそれだと白金貨が必要になって来るわよ、私もそれなりに稼いでいるけど、そこまでの資産は無いわよ」


「大丈夫、アンジェリカさんの資産を計算に入れて話して無いから、ここで種明かしをして騒がれても困るから、宿屋で話すと誓うから、その話は置いておこうよ」


「仕方ないわね、物は相談だけど、そのアンジェリカさんと言うのを止めないかしら? これから共に行動するのだし、砕いて良いわよ、アンジェと呼んでもらえる?」


「わかったよ、アンジェ、それなら俺もマグロでもなんでも構わない、オイと呼ばれるのだけは癪に障るけど、その他ならマグロちゃんでもマグロっちでもマグロどんでも良いよ」


「それは良いわね、それならマグロちゃんと呼ばせてもらうわよ、そう言えば、お二人はどんな関係なのかしら?」


「そうだな、正確に言えば結婚を約束してる婚約者かな」


「マグロ様は、奴隷だった私を解放してくださった恩人なんです」


「へぇ、マグロちゃんもなかなかやるわね、購入して解放するって話は聞いた事がないわ、それで男気が気に入りセレスちゃんが告白、マグロちゃんが受け止めた訳ね」


「ざっくり言えば、そうなるかな」


「気にいったわ、私もマグロちゃんのお嫁さんになるわ、このナイスボディで誘惑するわよ!」


「確かに美人で体型も凄いけどさ、顔より大きそうな胸を自分で揉みまくってアピールするのはどうなのよ」


「あら、お姉さんのこの胸は魅力的に映らないかしら?」


「ざっくりいえば、映りすぎてるね、俺にとっては凶器かも知れない」


「素直なのねマグロちゃん、ますます惚れたわ!」


「所で、質問なんだけど、アンジェって種族何なの? 耳が見えてるからシッポがあると思ってるけど、それらしいのは見えないし」


「そうね、改めて自己紹介するわ、アンジェリカ23歳、得意なのは火の魔法と風の魔法ね、エクスプロージョン10発を見た時には焦ったわ、それはどーでも良いわね、スキル云々は良いか、後でステータス見せ合いっこしましょう。

 髪の色は赤っぽい茶色、眼の色は薄いブルー、耳は見ての通りね、身長155cm、股下80cm、肩幅37cm、トップバスト97,5cm、アンダーバスト65cm、ウエスト57cm、ヒップ85cm、足のサイズは23,5cmよ。

 最後になったけど種族は狐族よ、シッポは普段は腰辺りに巻く形で出さないようにしてるのよ」


「や、やけに細かいんだな、俺は見ての通りに年齢は16歳な、竜人族らしいが、どうも違う気がしてるんだけど情報が無いからさっぱりだ、東にある竜人族が住んでる所に行けば何かヒントがあるかもしれないと行きたい場所に上げている」


「私はセレスティーナ、アンジェさん、一緒にマグロ様と共に参りましょう」


「勿論よセレスちゃん、詳しい事は宿屋で、ね」


 Bランクに上がった冒険者ギルドカードを受け取りアンジェリカをPTに加入、用事も済んだ事だし帝都に向かった。

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