一緒に、か・・・
「シャーノイさん、アレがディルの街ですよ!」
セレスが嬉しそうに言う。それもそうだろう、街を目指すと言っても馬車がないため歩くしか無いのだ。既に3時間は歩いている。
途中何回か魔物の襲撃を受けたがバンピルが普通に撃退している。その際にセレスから貰った剣を試しに使ってみたが武器のありがたさを痛感した。
しばらくセレスと会話しながら歩いていると街に到着した。とりあえず今日は宿を取って寝ようということで近くにあった『安らぎの木』という宿に入った。中には食事をするためのテーブルと宿の受付があった。セレスは受付に立っていた女将らしき人に話しかける。
「すいません、1週間泊まりたいんですけどいくらかかりますか?」
「ん?二人だったら2部屋で4200ゴルド、1部屋で3500ゴルドだよ、食事は別料金だけどね」
因みにこの世界のお金の単位はゴルドで1ゴルドが日本の10円ほどの価値がある。
「え、え~と・・・どうします?シャーノイさん」
「セレスに任せるよ」
「え?そう言われても・・・」
セレスが困り始めた。そこに女将さんが
「1部屋でいいんじゃないのかい?こっちとしてもあまり部屋が空いてないから1部屋にしてくれると助かるんだよ。安いしね」
と言ったのでセレスは少し顔を赤くしながら1部屋にした。
そして部屋の中でバンピルとセレスはまたまた会話していた。
「そう言えばシャーノイさんって吸血鬼ですよね?血とかは飲まなくても大丈夫なんですか?」
「ん?3日に一回は飲まないと死ぬな」
「え!?大丈夫なんですか?それ?」
「まぁ魔物の血を飲んでれば問題ないからな、不味いけど」
「不味いんですか・・・普通の食事とかって食べれるんですか?」
「食べれるは食べれるけどかなりまずく感じる。あと栄養は摂取できない。」
これは神から貰った知識にあった。
「それじゃあご飯とか食べれませんね・・・今度一緒に食べようと思っていたんですが・・・」
―――一緒に、か・・・
「別に食おうとと思えば食えるから今度一緒に食うか」
「え!?良いんですか!?」
「あぁ、美味いか不味いかは置いといて誰かと一緒に食うのは楽しいしな」
「じゃあ今度食べに行きましょうね!」
「あぁ」
バンピルが最後に誰かと一緒に食事をしたのは8年前位だ。それ以降は趣味がバレたわけではないが多少精神がイカれてた為誰も寄り付かなくなり、食事も一人で取っていた。その為誰かと食事をするのはかなり嬉しいと思っている。
バンピルはこんな楽しい日々が続くと良いなと心の底から思った。




