プロローグ 晴れ時々血雨
とある日の夕方、とある高校のとある教室…それが全ての始まりだった。
「好きです!付き合って下さい!」
どこぞの俳優よりもイケメンに告白する女子…は置いておこう。
問題なのはこの男、西條 終なのである。
運動神経抜群、成績優秀、眉目秀麗と才色兼備、更に性格がいいと言う完全チート人間、それが彼である。
しかしだ、現実にそんな人間存在するはずはない、この評価はあくまでも外聞、外身の話である。
「悪いな、無論お前の事が嫌いな訳じゃないんだ。 (いやいや、お前なんかと俺が釣り合う筈ねぇだろうが!ふざけてんの?これだから頭悪い奴は、脳味噌腐ってんじゃね?)」
ご覧の通りである。つまりは彼は外面だけいい内面はドス黒い最低野郎なわけである。
さて、そんな時だ。
「……………アハハハ…アハハハ…」
「どうした?(んだ?この女…気でも触れたか?)」
「…振られちゃったかぁ…じゃあこんな世界生きる意味なんて無いよね。」
そう言って鞄から包丁を取り出す…
「やめろっ!命を大切にしろ! (ふっざけんな!俺が警察に疑われでもしたらどうするんだっての!)」
「フフフ、優しいのね…じゃあ…」
グサッ
「待っててね?直ぐに私も逝くから…」
そう言って彼女は自分の首を掻き切った。
「……グフ… (ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなぁっ!このメンヘラビッチがぁっ!あぁ…ちくしょう息が苦しい…腹が焼けるように熱い…あぁ、中途半端に刺しやがって…)」
これは天罰なのだろうか?
こうして彼は18歳の人生に幕を閉じたのだった。……この後直ぐにまた幕が開くとは露にも思わずに…
〜
翌日、教室に来た生徒によって発見された二つの死体…
葬式には学校中、どころか日本、そして世界中から葬式に参列するものが現れたとかなんとか。
どんだけ外面よかったんだよって話だよな。