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必要なもの

金属音が激しく響く。


「…っらァ!!」


下から斬り上げるも簡単に防がれる。


やはりこの男は簡単には殺されてくれないらしい。


「考え事かい?余裕だ…ねっ!!」


「う…っおッ!?」


足元への注意が(おろそ)かになっていた。


足払いを仕掛けられ転倒する。


(したた)かに打ち付けた後頭部を擦っていると目の前に剣の切っ先。


「…ッ!!」


咄嗟に顔を逸らすと右横に深く剣が突き刺さる。


「~♪」


それに顔を引きつらせ口笛を吹くとにっこりと擬音が付いてもおかしくない笑顔と目が合う。


「喰らえッ!!」


「お断りするよ。」


「てめ…ッ!!」


ディストの顔面に向かって蹴りを放つがひょいといとも簡単に避けられる。


「にゃろう…!!」


頭の横に手をつき、勢い良く跳ね起きる。


事は出来なかった。


「っ!?」


ディストが息吹のコートを剣で突き刺したのだ。


地面に縫いとめられた息吹は起き上がる事が出来ない。


「くっそ…!!」


「紫雲、ストップ。」


「…あぁ?」


サッと手をあげられ息吹は疑問符を浮かべる。


見たところ、ディストは地面に突き刺さっている剣以外武器は持っていない様だ。


「時間だ。」


ディストが視線を空に向ける。それにつられて空を見ると。


「…鳩?」


「うん。鳩。まあ魔法獣だけどね。可愛いもんだろう?ていうか君今凄くマヌケだよ。」


「…っうるせぇ!!」


ポロッポー。


鳴き声をあげて息吹の頭にとまったのは鳩の魔法獣。


なんともアンマッチな組み合わせにぷふー、とディストがからかうと息吹が怒鳴る。


怒鳴り声に驚いた魔法獣が息吹の頭からディストの肩に飛び移る。


「おやおや…。戻って来いとのお達しだ。ふふ…我が儘だねぇ女王様は。」


魔法獣の足についていた紙には至急ソルディアに戻る様書いてあった。


そして、最後のターゲットとなる魔術師の情報も。


彼がソルディアに来るとしたらリグレスからソルディアに連れていく魔術師は50人目となる。


先ほどまで追っていた銀髪の魔術師は技術的にも精神的にも未熟だ。必要ないだろう。


(50人か…。まあギリギリ足りる…かな?)


少ないかもしれないが選んだのは高い技術を持った魔術師だ。


当然魔力も高いだろう。


「さて…帰ろうかな。早くしないと女王様がうるさいからね。」


「待ちやがれ。」


「…おや?逃がしてはくれないのかい?」


地面に深く突き刺さった剣を抜くと起き上がり、こちらを睨み付ける息吹。


「今回は特別だ。逃がしてやる。だが聞かせろ。」


「てめえらは魔術師を集めて何をしてんだ。」


何を今更。


そう言ってやろうかと思ったがまだ言い切る事が出来ないのだろう。


「これくらいは君も知っているだろう?動物と動物の合成獣は知能が低い。その為我々の言うことをきかないんだ。でも…」


「魔術を使えばまた違ってくる。」


「元々合成獣はソルディア出身の魔術師が生み出した存在だ。」


ギロル・アルド。


合成獣を作った張本人。


彼は天才魔術師だった。


だがそれと同時に自らの研究の為なら何を犠牲にしても構わないという変わり者でもあった。


そんな彼はソルディアから追放された。


だが彼が残した資料を解読したのは現在の女王、ルクシアだ。


ルクシアはギロルの資料を解読し、独自の合成獣の生成法を作り出した。


そして彼女は気づいた。


動物と動物の合成獣でも魔術を加えれば知力も高まる。


現在ソルディアでは合成獣が量産されている。


しかしそれにはかなりの魔力を使う。


ルクシア一人では勿論、ソルディアの魔術師を使っても魔術師全員が魔力切れを起こす事が度々ある。


より多くの合成獣を作り出す為には技術の高い魔術師が必要となった。


ソルディアにとってリグレスの魔術師は技術が高く、合成獣の製造には適した存在だった。


「…で、リグレスから魔術師を何人かいただいたんだよ。分かったかい?」


「…じゃあソルディアに拉致された魔術師は…。」


「死んではいないよ。まあ協力しない人達にはキツーイお仕置きがあるけどね。」


「……チッ」


…魔術師の拉致は合成獣の製造だけではない。


「…紫雲。」


「んだよ。」


「止めるなら早くおいで。じゃないと…」


「手遅れになる。」


「…?てめぇは何言って…。」


「…いけない。喋り過ぎた様だね。」


「待てハーツ。」


「なんだい…まだ何か…」


「てめぇは…本当に敵か?」


普段から浮かべている笑みが更に濃くなった気がした。


彼はやはりまだ若い。


突然下らない事を言い出す。


「…さあね。でもこれだけは言っておくよ。」


「僕は君みたいな強い奴と戦えれば後はどうでも良い。やっている事が悪だろうが何だろうがどうだって良いんだ。」


そして、シキがいれば。


「…やっぱりてめぇは嫌いだ。」


「どーも。」


コートの中を探り、目的の物を出す。


紐を引っ張り空に投げる。


すると花火の様な破裂音。


「ああ、そうだ。あの子は良いのかい?シキがまだ帰ってこないから死んではいないだろうけど。」


もしかしたら、虫の息かもね。


「……。」


無言で背を向ける彼を見送る。


もっと。


もっと強くなって欲しいな。


じゃないとつまらないじゃないか。


去っていく息吹を眺めながらディストは微笑んだ。



サブタイトルの必要なものはディストさんにとってのシキの事だったりします。ぬん。


ふ…ふふふふふふふふふふふふ。


テストが終わったぞおおおおおおおおい!これで私を縛るものは何も無いははははははっは!!!


…来週テスト返しあるよ…。やだなあ…。







おまけ

色々比べてみた。


今日のおまけ当番

作者






視力の良さ(良い>悪い)


オーシュ>楓=シキ>>来斗≧我狼>息吹=鈴音≧ディスト>>ルクシア≧涼雅


楓さんは狙撃手でもあるので普通に眼が良いです。シキも暗殺とかが仕事だから眼は良いのです。そしてその上をいくオーシュ君wさすがチートww


そしてちょっとだけ眼が良い来斗さんと我狼さん。それでも標準よりちょっと上くらい。


で、標準の息吹さんと鈴音。ディストさんはちょっと目が悪いくらい。


あとの二人は暗いところで魔術の本を読んでいたら眼が悪くなりましたwwルクシアさんはコンタクト。涼雅さんは普段の生活では必要ないけど本読むときとかは眼鏡かけてます。丸眼鏡じゃないよ!スタイリッシュなやつだよ!!



ついでに↓


声の高さ(高い>低い)


鈴音>シキ>>ルクシア≧楓>>(性別の壁)>>オーシュ≧来斗>息吹≧ディスト≧涼雅≧我狼


鈴音が一番高いです。そしてその次がシキ。ルクシアさんと楓さんはアルトだけど楓さんの方が落ち着いた声で話すから低く感じるんじゃないかな、と。んで、性別の壁を挟みオーシュ君。来斗さんとオーシュ君はそこまで変わらないんじゃないかなぁ、なんて。で、来斗さんより低いのは息吹さん。で、ディストさんのが若干息吹さんより低め。童顔おささなじみーずは涼雅さんの方が若干、本当に若干高かったり。


ちなみに作者の声は普通に低いですww合唱ではアルトしかやった事ありませんww眼はありえないくらい良いですww2.0ですとも。はいww



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