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二人の少女

小柄な人物の顔はフードによって分からない。


だが、手に持っている凶器…ナイフは確認できた。


「…っこ、のお!!」


「きゃ…っ」


扉が開いた瞬間駆け出し玲奈を押し退ける。


そして突き出されたナイフを持つ手首を叩きナイフの軌道を逸らし、蹴りを放った。


だが相手も簡単には受けてくれない。


足が当たる寸前に首を傾げ、鈴音の蹴りを避けた。


結果。


鈴音の足が黒ずくめの人物のフードに掠り、黒ずくめの人物のナイフが鈴音のフードに掠り、お互いの顔が(あらわ)になった。


「!」


「え…おんなの…こ…?」


黒ずくめの人物の正体は赤毛の少女…シキだった。


「っ!」


「わっ!?」


シキも少なからず鈴音が女だった事に驚いたが、すぐに気を取り直し手首のスナップをきかせナイフを投げた。


間一髪の所で下に屈みナイフを避けたが相手は女。加えて恐らく自分より年下だろう。傷つける訳にはいかない。


「ちょ…ちょっと待っ…にぎゃあ!!」


訴えるも目の前に別のナイフが突き出される。


「…っもう!!」


埒があかないのでナイフを弾き飛ばす。


ナイフは思ったより容易くシキの手を離れ、宙を舞い、地面に突き刺さった。


戦っている内に外に出ていたらしく辺りには木が生い茂っている。


「…え!?」


辺りの景色に気を取られた一瞬でシキの姿が消えた。


「…遅い。」


「……ッ!?」


背後から声。


考えるより先に身体が動く。


放たれた回し蹴りを咄嗟に双剣で防ぐが小さな身体に似合わない力に鈴音の身体が浮く。


「…うあ…っ!!」


「鈴音ちゃん!!」


「来ないで下さい!!」


受け身もとれずに地面に叩きつけられた鈴音に玲奈が叫ぶが鈴音は制止する。


目の前の赤毛の少女が狙っているのは玲奈。


ただでさえおされているのに玲奈を守りながら戦える訳がない。


額の汗を拳で拭おうとすると汗よりもぬるっとした感触。


手の甲を見ると真っ赤な血がべったり付着していた。


ぽたぽたと地面に赤い滴が滴る。


それでも赤毛の少女は眉一つ動かさない。


だが、ポツリと呟いた。


「金髪に双剣…そうか、お前が…。」


「!?」


「ディストさんが言っていた合成獣…。」


「…っ。」


ディスト。


ディスト・ハーツ。


彼の貼り付けた様な笑顔は妙に頭に残る。


この少女は彼と、どんな関係が…。


「お前は、人を殺せないのか?」


なんの感情もこもっていない一本調子の声。


「…うん。殺せないよ。」


「弱いな。それでよく戦場に立てる。」


「…うん。私は弱い。」


だから。


「大切な人も、助けられなかった。」


「戦争は弱い奴が死んでいく。お前も死「でも。」」


双剣を握り、立ち上がる。


「今まで人を殺さなくて良かったって思ってる。」


目の前の少女を真っ直ぐ見つめる。


僅かに、少女の眼が見開いた。


だがすぐに無表情に戻る。


「いつまでそんなふざけた事を言ってられるんだろうな。」


ずっと見てきた。人は死を恐れる。


死ぬ間際になればきっと目の前の人物も自分に刃を向ける。


みんな、同じだ。醜い。


ゆらり、鈴音の背後で九本の金色の尻尾が揺れる。


だがディストから事前に聞かされていた為シキは驚かない。


両者のナイフと双剣がぶつかり合った。




鈴音は尻尾が出ると強くなるんだよそうだ。きっとそうに違いない←


まあ実際はすこーしだけ合成獣としての力を出すと無意識に尻尾も出てしまうだけなんですけどね。


鈴音も成長し、少しだけなら合成獣の力をコントロールできるようになりました。あくまで少しだけなので何が起こるかわからないよママン。










おまけ。

雑談


今日のおまけ当番

息吹&来斗


息「…思うんだが。」


来「なんスか?」


息「おまけ当番お前多くね?」


来「…一つ言わせてもらっていいッスか?」


息「あ?」


来「本編での出番がないんスよ。」


息「…あー。うん。まあ、…ドンマイ。」


来「…(泣)」








ごめんよ来斗さんwww



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