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オーシュとルクシアの賭け

不審に思いながらも話を続ける。


「如何いたしましょう。女王。」


「…魔術師。」


「…は?」


「リグレスの魔術師は非常に実力があると聞く。」


確かに、ソルディアの魔術師よりリグレスの魔術師の方が実力は高い。


「魔術師を狙うぞ。リグレスに何人か潜入させ、高い実力を持つ魔術師をこちら側に引き込め。」


「…応じなかった場合は。」


紫色の瞳が細められた。


迷いのない声が響く。


「殺せ。」


「…御意。」


「下がっていいぞ。ハーツ。」


「失礼いたします。」


頭を下げ、ディストが部屋を出ていく。


残されたのはルクシアとオーシュ。


「ぷっ…ククッ…。」


「…何がおかしい。」


「えー…全部、ですかねぇ。なんでまたそんなまどろっこしい事するんですか。」


「リグレスとの戦争で魔術は重要だ。合成獣も魔術を加えなければ言うことを聞かない。そしてリグレスが魔術師を戦力として加えればこちらが圧されるのは目に見えている。」


「そこが。」


右後ろに控えていたハズのオーシュの顔が今にも触れそうな程近くに。


「まどろっこしいって言ってるんですよ。」


「…ではどうしろと?」


間近にあるのは金色の瞳。それが細められる。


「俺を戦闘に出す。」


「却下だ。」


確かに戦争は終わる。だが。


「大量の戦死者が出る。リグレスはもちろん。ソルディアにも。」


この男の力は諸刃の剣。


もしかしたら、リグレスもソルディアも両国が滅びる事になる。


「…ちぇー。そんなヘマしませんよ。加減位ちゃーんとしますって。」


「オーシュ。お前の主人は誰だ?」


オーシュの口角が怪しく吊り上がる。


そしてわざとらしく跪き、頭を下げ、ルクシアの手を取る。


「俺は狗。貴女は主人。貴女の命令なら俺はなんだってしますよ。」


「そうだ。それがあるべき形だ。覚えておけ。」


バシッと手を払って言い捨てる。


だが目の前の彼は微笑んだまま怒る素振りも見せない。


「おっと。おやつおやつ~♪」


しかし突然屈めていた身を起こし、部屋を出ていく。


数分でワゴンを転がしながら戻ってきた。


「今日のおやつはショートケーキですよー。」


ワゴンに乗せられているのは美味しそうなショートケーキ。


それを無言で見て、ルクシアは微笑んだ。


「今回も、私の勝ちだな。」


次の瞬間皿が割れる騒音が響き床に落ちたケーキが無残な形になる。


ルクシアが皿ごとケーキを床に叩きつけたのだ。


「おー…お見事ー。でも床に落とす事ないじゃないですか…。」


掃除大変なのに…とぼやくオーシュ。


そして、懐にいれてあったベルを鳴らす。


「お呼びでしょう…ッ!?…これは…?」


現れたのは女王専属のコック。


床に叩きつけられたケーキを見て、目を見開く。


「あっはー。残念。大人しく飯作ってれば死なずにすんだのに。」


オーシュの顔には満面な笑顔。


床に落ちたケーキを片手でわしづかみ、コックに歩み寄る。


コックは目を見開いたまま動かない。いや、動けない。


ルクシアは何も言わずに傍観。


「ア…ガァッ…!!」


「喰えよ。アンタが作った毒入りケーキだぜ?」


ケーキを無理やりコックの口に突っ込む。


その勢いでコックが仰向きに倒れたが、そのまま床に押し付ける形で押さえつける。


コックは目を見開いたまま、悶えるがオーシュは手を放さない。


「ガ…ア゛…ァ…!」


そしてびくびくと痙攣したと思ったら動かなくなった。


「見た目も匂いも申し分ないんだがな。」


ぽつりと床に付着していたクリームを指で拭ってルクシアが呟いた。


「でも毒入りですよ。」


「そうだ…な…ッ!?」


指を襲ったぬるりとした感触にルクシアの肩が跳ねる。


「ん。味は良し!」


ルクシアの指のクリームを舐めとりペロリと自身の上唇を舐めるオーシュ。


「キモい。」


「…や。なんか他に言うことあるでしょ。」


「あの程度の毒じゃお前の身体には異常も何もないだろうキモい。」


「………。」


毒入りケーキのクリームを舐めたというのにオーシュはコックの様に悶える事はない。


「ていうか女王。なんで毎度毎度毒入りって分かるんですか?」


「今回は皿の端に粉がついてたキモい。」


「あ、そうですか。」


「手洗って消毒してこなきゃキモい。」


「…そんなに嫌だったんですか?」


「うん。」


「即答…。」


落ち込むオーシュをルクシアが鼻で笑った。


ソルディアを統べているのは齢18の女王。


そしてその傍らには美しい髪色の…人間?


それとも…。





毒入りケーキはルクシアさんを暗殺しようと考えたコックの仕業。過去にも数回ありました。


オーシュ君は毒入りか否かは一目で分かります。


でもわざとルクシアさんには言いません。二人の賭けですから。


ちなみにルクシアさんが全勝です!強い、強いよルクシアさん!


そして何を隠そうオーシュ君はチートです。


初のチートキャラです。毒で死なないってどゆことwww


おまけ↓









おまけ

オーシュ君がルクシアさんを押し倒した様です(ぇ)


今日のおまけ当番

オーシュ&ルクシア




ドサッ


ル「なんだ。」


オ「うーん…まあ、俺もそういう欲求はある訳で。」


ル「へぇ。この変態が。」


オ「健全なだけですー。男はみんな狼なんですー。あ、オーシュ君の豆知識ー。男が本当にヤりたい盛りは30代なんですってー。」


ル「心底どうでも良い。早く退け卑猥物。」


オ「…寒いと人肌恋しくなりません?ねぇ?」


ル「ならない。」


オ「えー。ていうかなんで女王こんなに動じないんですか。」


ル「女王だからな。」


オ「関係あります?」


ル「いや?」


オ「……。単刀直入に言います。抱かせて下さい。」


ル「やだ。早く退け。じゃないとアレ潰すぞ。」


オ「アレ!?ちょ、怖いこと言わないで下さいよ女王!!」


ル「すきありー(スパーン)」


オ「ぶっ!!ハリセン…どっから出したんですか…。」


ル「教えない。」


オ(ちぇー)



毎度こんな感じ(^o^)/


30代がうんぬんかんぬんっていうのはクラスの男子がしてた話です。


…え?我狼さんと涼雅さん?


いやいやいやいや。ないよ。あの二人に限ってないよwwwまだ来斗さんの方が怪しいよwww







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