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過去と今

「……。」


あれから息吹が気を失い、手当てをするため陣地に戻ってきた。


傷自体はそこまで酷いものではないらしいが止血をしなかったため出血が酷いらしい。


今息吹は医療用の天幕にいる。


楓が付き添いをするから休めと言われたが自分の責任で息吹に怪我をさせてしまった。


それが鈴音には許せず、だが出来る事もない。


仕方なく医療用天幕の外でうずくまっている。


「…私の、せいだ。」


小さく呟いた言葉は誰にも届かない。


自分に力が無かった。


せめて逃げる事くらい出来たら、息吹も怪我をしなかったかもしれない。


我狼の時も伸ばした手が届かなかった。


自分はいつでも、無力だ。


「…っ。」


自己嫌悪に陥り、立てていた膝に顔を埋める。


「ほいっと。」


「わぶ。」


すると頭からかかってきたモフモフとした布。


「寝ないのか?風邪引くぞー?」


鈴音の頭に毛布を被せ、鈴音の隣に腰を下ろす来斗。


「…来斗さん。」


「そんな泣きそうな顔すんなって。大丈夫。息吹の旦那もっと酷い傷負ってきた事あるからさー。」


いやー、あれはビクったわー。等といいながら笑う彼。


「心配…しないんですか?」


「全然。」


「え。」


「ははっ。じょーだん。してるさ。でも、どっかであの人は死なないって思ってんだよなー。」


「信用、してるんですね。」


「うーん…まあなー。」


自分も息吹の事を信じていない訳ではない。だが心配でたまらない。


「仮にも軍人。簡単には死なないって。それに…」


「似てんだよなぁ…。」


「…?」


ふいに来斗の目の色が変わった。


首を傾げると来斗は自身の義手を触って続けた。


「一回腕無くして、死にそうになった時があったんだよ。」


「すげー痛くてさー。仲間は全滅してて誰も助けに来てくんなくて。このまま死ぬんだろうなーって思ってたらさ。来たんだよ。」


「その人が。」


来斗の目がここには居ない誰かを探す。


「そん時、その人も怪我してたみたいでさ。危険をかえりみずーって言うのか?その人がいたから俺は軍に復帰した。その人がいたから…」


「俺は、生きてる。」


いつもとは違う真剣な瞳。


でも、いつもと同じ様に輝いていて。


「来斗さん、その人を尊敬してるんですね。」


「おう!今でも俺の憧れ!」


「んで、その人に息吹の旦那が似てんだよなー。まあそれがどうしたって話なんだけどな。」


「心配ならそれでも良いと思うぞ?でも…。」


「鈴音も信じてるんだろ?息吹の旦那のコト。」


「もちろんです!」


「ならだいじょーぶ!すぐ起きてくるって!」


ニカッと笑う来斗に少し救われた気がした。









「治療完了しました。もう少しで目を覚ますと思います。」


「了解。ご苦労様。」


医療班員の報告を聞き、息抜きの代わりに外に出る。


「よっ。」


「あら…。」


天幕の外にいたのは来斗と鈴音。


だが鈴音は来斗に寄りかかって眠っている。


この時間帯で、しかもあんな事があったのだから仕方ない。


緊張の糸が切れたのだろう。


「なに?嫉妬?」


「いいえ。」


「……。」


鈴音を見つめていたら来斗に何か期待する様な目で聞かれた。即答しておいたが。


ずり下がっている毛布を鈴音にしっかりかける。風邪を引いたらかわいそうだ。


「優しいのね。この子は。」


「…ああ。そうだな。息吹の旦那が心配で心配で堪んないって感じ。」


そんなんじゃ身体もたないよなーとか言いながら笑う来斗。


そんな来斗から視線を外しまじまじと鈴音を見る。


本当にまだ幼い。


この小さな身体にどれだけの悲しみを溜め込んでいるのだろう。


「まあ、楓には楓の優しさがあると思うけどな!」


「さりげなーく褒めてくれてありがとう。釣られないわよ。」


どや顔で言われたので流しておいた。


それでも彼の笑顔は消えない。


何だかんだ言いながらこの男に自分は救われているのだろう。


嫌い、ではない。だが好きでもない。


違う。自分は好きにならないだけだ。


自分にそんな資格はない。


…違う。


本当は。


「…少し休んだら?夜明けまで時間があるわ。」


「あー…どうすっかなぁー…。楓は?」


「息吹隊長の付き添い。」


「ちゃんと休めよー。」


「はいはい。ありがと。」


答えなんて知りたくなくてこちらを見る来斗の視線を無視して天幕の中に逃げた。







「……。」


髪の毛を流している黒いヘアバンドを若干乱暴に取る。


パラリ、と少し長い前髪が顔に落ちてきた。


前髪から覗く瞳は先程まで明るく笑ってた瞳とはかけ離れていた。


今来斗の頭の中を占領しているのは二人の人物。


一人目は。


(息吹の旦那も無茶するよなー…。)


自分も人の事を言えないが、彼はそれ以上だ。


『彼女』がいたなら彼は昔のままだっただろうか。


二人目。


(なんで…昔みたいに笑わなくなったんだろうなぁ…。)


先程まで会話をしていた楓だ。


昔の彼女はもっと表情豊かだった。


だが今では余り笑わなくなったしどこか機械的に仕事を行っている。


昔の様な満面の笑みを決して見せない。


精神的な成長もあるかもしれないが。


みんな、変わった。


「あーもー…やーめた。」


彼等がどんなに変わっても自分のやるべき事は変わらない。


「んー…!」


大きく伸びをし、隣で眠る金髪の少女を見る。


せめて彼女だけでも。


「変わらないでくれよな…鈴音。」


それだけ呟き、自身も休むために目を閉じた。



来斗さんがでしゃばりました。コノヤロー。


嘘です。彼も少しはカッコいいとこ見せないと。


深くは考えないけど色んなコトを考えてる。それが来斗さん!


鈴音は少し不安定になっている様ですね。


まあ我狼さんの事もあるんでしょうが。


息吹さんに我狼さんを重ねてみている所がある様です。


そしてー。


来斗さんが言ってた『彼女』。


近い内に正体が明らかになります。


お楽しみにー。











おまけ。

おまけのネタがないから雑談。


今日のおまけ当番。

来斗&楓




来「俺活躍!」


楓「そうね。」


来「もっとさー、俺のカッコいい出番増やしてくんねーかなあー。息吹の旦那だけじゃなくてさー。」


楓「無理じゃない?」


来「(;ω;)」


楓「とういうかぞくぞくキャラが増えてるけど大丈夫かしら。読者さん達にキャラ覚えてもらえるかしら。」


来「うーん…まだ新キャラ出るしなぁ…。どうだろ?」


楓「その内誰が喋ってるのかわからなくなりそう。」


来「それこそ作者が最も恐れている悲劇!!」


楓「覚えてもらえてるのかしら。」


来「それより俺の出番!!弄られるだけじゃ終われない!!」


楓「…実際、息吹隊長と来斗、どちらが人気なのかしら。」


来「…それ言っちゃう?」


楓「うん。答えは分かりきってるけど。」


来「うわあああああああん!!(泣)」












人気なのはどっちでしょうかねえ…。(´∀`)



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