少子化問題。豊かになると少子化になる論の、決定的な誤り
少子高齢化問題が拡大するに従いまして、主に社会保障、経済などに、様々な問題が浮上してきました。
誰かが、いつか、どげんかせんとならん課題ではあります。
今回は、日本の政策を正しく転換するために、少子化問題に対して、多くの人が抱く、間違いや勘違い。
社会が豊かになると少子化になる論の、決定的な間違いを正して、多くの方に共有していただきたいと思います。
少子化問題の一番の中核は出生率です。
出生率が2を超えれば、人口は維持出来る。
日本の出生率は2025年に1.14となり、日本は、割と盛大に人口崩壊の危機を控えています。
この出生率に一番関係のある、相関性の高い数字が、婚姻率と言われています。
婚姻率は、人が結婚する率です。
結婚すれば子供が産まれるので、婚姻率は、出生率と高い相関を持つのです。
つまり、婚姻率の相関する数字云々は、豊かになると少子化になる論の中核的な根拠となります。
豊かになれば、人は結婚しなくなるハズだ、という論理になりますね。
では、確かめます。
豊かになると、人は婚姻しなくなるのでしょうか?
婚姻率を見ますと、世帯所得に相関があります。
豊かになると婚姻しなくなる論を所得相関に当てはめると、当然、婚姻率と世帯所得は、負の相関になるハズです。
つまり、人は金持ちになると結婚しなくなる。
これ、果たして本当でしょうか?
お金持ちと貧乏人、どちらが結婚してないでしょうか?
日本政府の出す統計から見て、婚姻率における世帯所得の相関は、正の相関です。
豊かになると少子化が進む論は、相関を辿り、婚姻率から世帯所得の部分まで来ると、事実とは、全く逆だという事がわかりますね。
なんと180°違います。
結論から申し上げますと、人は豊かだと結婚し、出生率は増えるのです。
つまり、豊かになると少子化は解決してしまいます。
しかし、こんな反論もあるでしょう。
豊かになる論の主語は、人ではなく、社会です。
では、社会として考えてみましょう。
社会が豊かになると、人は貧困に喘ぐのか。
それとも、社会が豊かになっても、人は豊かにならないのか。
これらの命題の整合性を考えると、いわゆる、合成の誤謬が直ぐに思い浮かびます。
合成の誤謬は、個人の視点では正しい行動であっても、全員が同じ行動をとることで社会全体では望ましくない結果を招く現象のことです。
出生率において、個人と社会の間では、合成の誤謬が起きているのでしょうか?
この答えは、どの層が結婚してないか、婚姻率と世帯所得の相関を見れば、正体が見えて来ます。
多数派である、中間層と貧困層の婚姻率の低さに注目してみましょう。
結論は非常に簡単です。
人は現実には、貧乏になればなるほど、結婚しなくなり、子供を産まなくなるのです。
資本主義では、社会が豊かになればなるほど、格差が広がっていくと言われています。
そして資本主義において、多数派となる貧困層は子供を増やしません。
出生率の中核は、実は格差問題だったのです。
我々の思っている豊かと、資本主義における豊かさには、定義の違いがあります。
それはたとえば、社会主義的な人生の豊かさと、資本主義的な経済の豊かさの差です。
この定義の違いこそが、社会が豊かになると少子化が進む論の勘違いの元凶なのです。
正しくは、社会が豊かになるとではありません。
資本主義が深化し、社会に格差が広がれば、少子化になる。
という事になります。
人が格差の相対的下位に位置する事は、我々が思う以上に、婚姻に対する心理的なネガティブ要素が大きく、格差が大きいと感じる社会的な自覚要素が大きければ大きいほど、人は自主的に婚姻を諦めるのです。
ですから、もし我々が少子化を改善したければ、格差の自覚要素を減らさなければなりません。
そして、我々が少子化を改善したいのならば、多くの人が認知している、社会が豊かになれば少子化が進む論を是正しなければなりません。
資本主義が深化し、相対的貧困層が多数派になり、格差による相対的貧困が多数派に自覚されるようになれば少子化が進む論に、変化させるのです。
社会変革の大きな要因の一つに、イデオロギーの変化があります。
世界を新しく変えるには、正しい認知と、正しい認知に沿った政策と、そして変革が必要になります。
今の資本主義社会における、助長された格差の宣伝は、我々の社会の持続に、少子高齢化となって、致命的なダメージを与え続けていると推定されます。
さて、皆さんに質問です。
我々は、ここまで少子化の進んでしまった日本社会をこれから良くするために、どう変えていけば良いでしょうか?
数年前にですね、男女年収別生涯未婚率というのを根拠に、少子化の原因は女性の上昇婚にあるのだという記事が話題となりました。
非常に興味深いグラフでして、今も検索したら出てきます。
そこで、私は女性のせいにしている意見ばかりだった某匿名掲示板に、グラフを読み取る限り、男性の所得格差を0にして、女性の婚姻率の極端に下がり始める所得をあげてしまえば、少子化は全て解決すると書いたんです。
逆説的には、男性の所得格差の拡大が少子化の加速の原因であるや、女性は自由恋愛出来ていないなど、面白い論点はたくさんあったのですが、某匿名掲示板の住人はどう反応したでしょうか?
日本はこのまま滅んだ方が良い。
日本はこのままで良いんだ、もうリベラルは日本をほっといてくれ。
少子化は問題じゃない。
どうやら、論理に穴はあっても、いざ結論を出されると、グラフを読み取る能力は同じだったようで、某匿名掲示板はそんな阿鼻叫喚になったんですね。
そこで私は悟った訳です、あゞ、少子化問題の真の問題は、問題解決への対策ではなく、我欲にあったのかと。
男性の所得格差を縮めて、女性の婚姻の下がってる下位層の所得を、結婚出来る所まであげる。
結論からすれば、確かにリベラル的な話ではあるのですが、純粋にグラフからの同意出来る結論を出しただけで、何で全く別の話であるイデオロギーの話にならなければならなかったのか。
きっと世界中で同じような我欲の問題を水平に抱えて、身動きのとれない状態なのが、少子化問題なのでしょう。




