表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード3
98/123

エピソード3-⑰

 ハインリヒはタッキーの方に向き直って「兄はあなたに迷惑を掛けませんでしたか?」と問う。その問いに対しタッキーは、ルードウィヒと過ごした思い出を振り返りながら

「いえいえとんでもない、ルードウィヒさんはとてもいい方で、楽しく暮らしていました」

 と、言葉を返す。タッキーの言葉に


「「いい方!?」」


 ハインリヒとカサンドラ、二頭同時に驚いて言う。


「えっ…!?」

 これにはタッキーも意外な反応に戸惑う。ジークフリートが口を開いてさらに付け加える。

「意外に思われるかもしれませんが、ここに居た時のルードウィヒさんは、とても穏やかに過ごされていました」


「穏やか…??」

 ハインリヒは信じられないという顔をしている。


「えっ!?違うんですか?」

 タッキーがそう問うと、ハインリヒはルードウィヒについて語り始める。

「兄は昔からドラゴン付き合いが悪いというか、一頭で居たがるタイプでした。ちょっと何か言われるとすぐに怒って暴れるし…僕はその度に相手に謝ってましたねぇ…」


「なんだか、信じられません…」

 そういうタッキーに、ジークフリートがさらに付け加える。

「いえ、本当なんですよ。私もルードウィヒさんがこのドラゴンの墓場に来るまで、一度も話したことがなかったんです」


「そうなんですか!?」

 ここでのルードウィヒとジークフリートは仲がよさそうに見えていたのに…タッキーには意外であった。ハインリヒはさらに話を続ける。

「兄は周りのドラゴンに相手にされてなくて…ルード兄さんの上に兄が三頭居ましたが、三頭ともルード兄さんを見放していました。三頭とももう亡くなっていますけどね。ルード兄さんと話をしていたのは僕位な物でした」


「そうだったんですか…」


「なので、最期に何日かだけでもルード兄さんと仲良くしてくれたタッキー君には、本当に感謝しているんです」


「いえ、そんな…普通に一緒に過ごしていただけです」

 タッキーはちょっと照れながら言う。


「ルード兄さんもいい思い出を胸に、あの世へ行けたと思います」

 ハインリヒが感慨深げに言う。するとジークフリートが唐突にハインリヒに問う。

「ハインリヒさん、あなたは今までを振り返ってどうですか?満足できる生涯でしたか?」


「僕ですか?う~ん…まあまあ…かな?一応結婚して子供も6頭持てたし…妻は先に亡くなってしまったが、最期をこんな美人のカサンドラさんに看取ってもらえるんだから、悪くないと思いますよ」


「あら、お上手ね」

 カサンドラがちょっと照れながら言う。


「いえいえ、あなたは本当に美しいですよ」

 ジークフリートもカサンドラを褒める。


「まあ、褒めても何も出ないわよ」

 と、カサンドラが茶化して、みんなで笑う。

 しかし、タッキーは考えていた。

(美人…??ドラゴンの美の基準って何なんだろう…)

 タッキーには違いがよくわからない。それどころか外見でオスかメスかの判別も付かなかった。

ドラゴンに結婚ってあったんだ…。

あとドラゴンの美の基準もスライムの美の基準も、人間にはわからんw


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ