エピソード3-⑮
タッキーにジークフリートをテイムしたことを言われて、ルルはやっと気づく。
「あれ…?」
テイムされたジークフリートも
「どうやらそのようですね。私をテイムしても魔力が尽きないなんて、ルルさんは凄いですね」
と、のんきなことを言っている。そんなジークフリートにタッキーは思わず声を発する。
「いいんですか!?ジークフリートさん、テイムモンスターになっちゃったんですよ!?」
「ああ…うん、そうですね」
「いや、うんじゃなくて、テイムモンスターって、ルルの言うこと聞かなきゃいけないんですよ!?」
「そうですね。でも君だってテイムモンスターじゃないですか。それで何か不都合があるのですか?」
「えっ!?いや…別に…ルルは無理なことは言わないし…」
それを聞いたジークフリートはニッコリ笑って
「ま、そういうことですよ。それに面白いテイムギフトが手に入りましたし」
「テイムギフト?」
ルルはキョトンとしている。ジークフリートは「テイムしたルルさんにもギフトがあったでしょう?」と、そう言ってルルのステータスを見る。
「おや?テイムギフトが3つもありますね。今回のはどれでしょう?」
「3つ…?」
タッキーは、数が合わないと思った。自分が初めてのテイムモンスターだと思っていたのに…。
「ルル、ボクの前にも魔物をテイムしたことがあるの?」
「ううん、タッキーが初めてのはずだけど…」
そう言ってルルは考え込む。しばらくして、ようやく何か思い当たる節があったようだ。
「そういえば、去年2つ頭があるヘビの子供を飼い始めた時、今みたいにパアーッと光ったことがあったわ」
「そうか、きっとそのヘビが最初のテイムだったんだね。そのヘビは今どうしてるの?」
「…隣の男の子が殺して食べちゃったわ」
「ええっ!?」
「私が襲われると思ったらしいんだけど、あんまりだわ。私、しばらく大泣きしたのを覚えてる」
ルルは思い出したくないことを思い出しちゃった、みたいな苦々しい顔をしている。
「そ、そうかー…辛かったね…」
ちょっと気の毒になったタッキーだった。
「さあ、話はこれくらいにして、行きましょう」
「はい!」
「気を付けてねー」
そう言ってジークフリートの背中に乗って空を飛び立つタッキー。そんなタッキーたちをルルは手を振って見送った。
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