エピソード3-⑭
三人は村はずれの森の近くまで来た。
「この辺りまで来れば、誰にも見られないでしょう」
そう言うとジークフリートは服を脱ぎ始めた。慌ててタッキーはルルの目を手(?)で覆った。ルルはいきなり目を覆われたことに対してびっくりして「何するのよタッキー」と、タッキーの手(?)を除けようとした。しかしタッキーはルルにこの光景を見せまいと必死だ。
「も~、やめてよタッキーったら!」
ようやくタッキーの手を除けるルル。その時ジークフリートはもう上半身を全部脱いでいた。慌てて再びルルの視界をふさぐタッキー。チラッと見えた半裸のジークフリートの姿に(あれ?どうして服を脱いでるの?)と、疑問を抱きながらまたルルはタッキーの手(?)を払いのける。すかさずタッキーは2匹に分裂して、もう1匹のタッキーがルルの目をふさいだ。
「タッキー!!」
またルルがタッキーの手(?)を除ける。そうするともう一方のタッキーが目をふさぐ。チラッ、チラッと見る度にジークフリートは少しずつ脱いでいた。
「変身するところが見られないじゃない!!」
手(?)を除けられる度、左右のタッキーが交互に目をふさぐ。右のタッキーの手(?)が払いのけられると、左のタッキーが目をふさぎ、左のタッキーの手(?)が払いのけられると右のタッキーがすかさずふさいだ。
「変身するところなんて見なくていいから。変身した後で見ればいいんだよ!」
「ええー!?」
ルルが最後に見たのは、全裸のジークフリートの後ろ姿だった。
「そのまんまドラゴンの姿になったら、人間の服は破れちゃうんだよ!」
「あ、そっか」
タッキーの説明にルルはやっと納得した。
ジークフリートは脱いだ服をポケットに収納すると、体全体が金色の光に包まれ、その光が大きくなってドラゴンの姿に戻った。やっとタッキーの手(?)を目から外して、ルルはジークフリートの金色に輝く壮大なドラゴンの姿を見る。ルルはジークフリートの姿を見つめたまま、動かない。
「ルル…?」
タッキーは、どうしてルルが固まっているんだろう?と不思議がる。ジークフリートも心配して「やっぱりドラゴンの姿は怖いですか?」とルルに話しかける。
固まっていたルルは、やっと口を開く。
「素敵…。すごいわ!!きれーい!!」
ルルは目を輝かせてジークフリートを絶賛する。
「「…は…?」」
ジークフリートとタッキー、両方同時に思わず言葉を発する。
「ねえねえ、私とお友達になって!!」
ルルは右手をジークフリートの方に差し出す。ジークフリートは訳が分からないまま、反射的に差し出されたルルの手にチョン、と自分の指を上に乗せた。すると、パァーッと光がルルとジークフリートの体を包む。
「あっ!!」
タッキーはこの光に覚えがあった。
「ルル、ジークフリートさんをテイムしたの!?」
ジークさんのストリップショー、からのテイムー!w
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