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生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード3
88/123

エピソード3-⑦

ユミアのアトリエ、ハウジングが沼ですね…。やり始めるとあっという間に時間溶ける…w

 翌朝、ルードウィヒが目を覚ますと目の前をカサコソとタッキーが動いていた。タッキーはルードウィヒが起きたことに気付くと元気よく挨拶した。

「あっ、ルーさんおはようございます!」


「…ルーさん?」


「‟ルードウィヒ”さんでは長いでしょ?だからルーさんって呼びますね」

 ルードウィヒはタッキーの馴れ馴れしさにちょっと戸惑ったが「あ、ああ…」と返事をした。正直、ルーさんなんて軽い呼び方をされたのは生まれてこの方5000年生きてきて初めてだった。そこへジークフリートがやってきた。

「ルードウィヒ、水を持ってきましたよ」


「あっ、ジークさんおはようございます!」

 タッキーはジークフリートにも馴れ馴れしく元気よく挨拶した。


「ジーク…?」

 タッキーの馴れ馴れしさにジークフリートもやっぱり戸惑っていた。そんなジークフリートを見てルードウィヒが話す。

「名前が長いから縮めてるんだとよ。俺なんて‟ルー”だぜ?」


「そ、そうですか…構いませんけど…」

 そんな二頭のやり取りをよそに、タッキーはルードウィヒの前に置かれた水皿を見て疑問を感じ、質問する。

「あれ?食事は?」


「いや、この頃もう食欲があまりなくてな。それに大きな肉や硬い木の実は嚙み切れなくなったしな…」


「じゃあボクが何か探してきますよ!」

 そう言うとタッキーは墓場の外に出た。しばらくして両手(?)いっぱいに小さな果物を持って帰ってきた。

「お待たせしました。おいしそうな果物があったので、取ってきました。食べられますか?」

 ルードウィヒはタッキーが持ってきた果物を数粒口に入れた。

「うん、これなら舌で潰せる。ありがとうよ」

 それを聞いたタッキーは嬉しそうに話す。

「よかった!じゃあもう一回行ってもっと取ってきますね」

 と、再び墓場の外へ行こうとした。それをルードウィヒが止める。

「いや、いいんだ。あまり食欲がなくて、これで俺には十分だよ」


「そうなんですか?少なすぎるかと思ったんですが…」


「そういえば、君自身の食事は取ったんですか?」

 ジークフリートが尋ねる。


「あっ、忘れてました」


「じゃあ次は君自身何か食べてきてください」


「はい、そうします」

 そう言うとタッキーは墓場の外に出た。


 二頭だけになると、ジークフリートはルードウィヒに話しかけた。

「少しでも食べられてよかったですね。ここ2~3日水だけでしたからね」


「ああ…自分でも驚いてるよ。もう何も口にする気なんて起きないと思っていたんだが…ほんの少しでも食べられたし、おいしかったんだよ、本当に」


「よかったですね、いい友達が出来て。ルードウィヒさんあなた、生まれて初めての友達なんじゃないですか?」


「おい、失礼だぞ。俺にだって――」


「いましたっけ?友達?…今まで超絶付き合いが悪かったくせに」


「うっ…」

 言われてルードウィヒは言葉に詰まった。よくよく思い返してみても、友達らしい友達なんて、いたことがなかったのだ。

 

 それからもタッキーは毎日ルードウィヒのために、せっせと食事を運んできた。果物や木の実の他、ネズミなども捕まえてくることがあった。タッキーに運べる量などたかが知れているが、ルードウィヒには充分だった。ルードウィヒはそのお礼代わりに、5000年のドラゴン生の、色々な話をタッキーに聞かせた。その話はタッキーには物珍しい事ばかりで、毎回ワクワクしながら話を聞いていた。


お読みいただきありがとうございました。

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