エピソード3-③
母が趣味でエコクラフトでザク(シャア専用)を作りましたw
胸部から上だけですが、かなり完成度が高いですw
そのうち、体の柔らかさを利用して細くなったり平べったくなったりするなど、形を変えてキバや爪からスルッと抜け出す術を覚えた。逃げて逃げて、とにかく逃げて、途中にある雑草や木の実の欠片など、とにかく食べて体力を維持していた。ある時、土の上に…小動物のフンが落ちているのを見つけた。
「…これだって、スライムには食料なんだ…」
そう自分に言い聞かせて、フンも食べた。
「…あれ?思ったほど不味くないかも…ニオイはまぁ…なんだけど…」
スライムにとっての食べられるもの…だからだろうか。
逃げ回ってしばらくすると、体がちょびっとだけ大きくなった。そして「毒生成lv1」のスキルが使えるようになり、「マヒ毒」を覚えた。ピュッと出して敵の口に入れられれば相手の体がマヒする。傷口から入ってもいい。皮膚からも一応吸収されるが、効果が出るまでに時間がかかった。しかも覚えたてだからか、小さいからなのか、敵へのダメージは少なく、ちょっとピリピリ痺れてる程度だった。それでも敵が怯んだ隙に逃げることはできる。以前より逃げやすくなった。
「どこへ行けば魔物や動物や虫に襲われなくなるんだろう…」
タッキーは考えたが、自分がどこにいるかもわからない位だから、どこへ行けばいいのかもわからなかった。
「森から出られないかなぁ…」
それからまた数日経つと、今度は「毒」を覚えた。ただ、やっぱり効果は弱くて、ちょっと敵がフラッとする程度だ。「マヒ毒」と「毒」両方合わせて使うと、少し効果が上がった。マヒで怯んだ隙に逃げて、もう一度捕まえようとしてくるのが普通だが、その時敵がフラッとすると、攻撃をためらうのだった。
そのうち体がまた大きくなっていた。ピンポン玉くらいだろうか。その頃に体の一部を腕のようにニュッと伸ばせるようになった。先を尖らせることもでき、それに結構長くも伸ばせる。
使い方はこうだ。
一匹のネズミが襲いかかってきた。その時、腕のように長く伸ばして左目を狙って突き刺す。目をやられると大概の動物には痛手で、攻撃を続けることが出来ない。
「ギィイーーーーッ!」
と叫んでのけ反る。加えて「マヒ毒」と「毒」が弱いながらも効いてくる。敵がのたうち回っている隙に逃げるという訳だ。これはかなり効果があり、ネズミ、トカゲ、ヘビなどはもうこれで怖くない。
しかし、進んでも進んでも森から出られない。それどころか出会う魔物がどんどん大型化している。ウマとかクマくらいの大きさになると、もうピンポン玉大のスライムなど食べ物として狙わなくなるので、脅威ではないが…でも大型の魔物が出る、ということは森の奥の方のはずだ。
「う~ん…この辺から右に曲がってみるかな」
適当に、ちょっと道を変えてみた。
お読みいただきありがとうございました。




