エピソード2-⑰
新年あけましておめでとうございます。
今年も母娘共々よろしくお願いしますペコリ(o_ _)o))
次の日、マリーがいないのでルルとタッキーは依頼を受けて森へ入った。小型の魔物には剣の魔法は必要ないが、少し奥へ入ってワイルド・キャットなどに出くわすと、やっぱりルルは一発で3~4頭魔法で氷漬けにしてしまう。タッキーは用心のために1回森に入るたびに、ルルが倒れないように20本くらいハイグレードな魔力ポーションを用心のために持って行くが、大体半分は使ってしまう。これでは依頼料が入ってもポーション代で大赤字だ。
そしてこんな現状ではあるが、これでもルル自身は魔力弱め…を意識しているつもりだ。
「えいっ!」
と剣を振ると、たちまちツインテール・フォックスと言う魔物は丸焼けになった。
「あ~、やっぱりちょっと強かったわね」
と、のんきな声で言うルルの言葉を聞いたタッキーは
「ちょっと!?やり過ぎもいい所だよね!?せっかくの毛皮がパーじゃないか!売れば売れる素材は大事にしてよね!君の魔力ポーションだってお金がかかるんだから!!」
「ごっ、ごめんなさい」
ルルが申し訳なさそうにタッキーに謝る。最初の頃、やり過ぎて怒られていたのはタッキーの方だったが、今ではすっかり逆になってしまった。
数日後、ギルドへ行くと「ちょっと来てくれないか」とギルドマスターに呼び出された。冒険者ギルドの執務室にルルとタッキーが入ると、ギルドマスターは言いづらそうに話を切り出した。
「…実は、ドライアド達から苦情が来てるんだよ。二人がこの頃森を荒らし過ぎだって…。もう少し、控えめにできないかな…?」
ドライアドとは、森に棲んでいる精霊で森の環境を整えたり守ったりしている。そのドライアド達から二人に苦情が相次いでいるようだ。
「…努力します…」
ルルが小声で答える。
「…大変だろうけど、頑張ってくれ」
「「…はい…」」
ルルとタッキーは力なく項垂れながら執務室を後にした。
二人が執務室を出て少し後でギルドマスターはふう…と溜息をつく。実は、ギルドマスターはあれでもやんわりと二人に話を伝えていたのだ。実際には代表のドライアドが物凄い剣幕で冒険者ギルドに乗り込んできて
「ちょっと!!この頃の森の荒らしようは何!?もうメチャクチャじゃない!!まるでドラゴンが怒り狂って暴れた後みたいになってるじゃないの!!森が元通りに再生するまで、どれ位かかると思ってるのよーーー!!!!」
と、言うような怒り方だったのだ。
「普通は魔力があって、魔法を使いたくても弱い魔法しか使えなくて、血の滲むような努力をして上級の大魔法を使えるように頑張る者なんだが…その逆かぁ…かえって難しそうだな」
ギルドマスターはそう呟くと椅子に座ったまま、頭の後ろに両手を組んで背もたれに寄りかかりながら頭を上げて、天井を見上げながら考えこんでいた。
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