エピソード1-④
「植えて…育てるの?そんなことができるの!?」
「大丈夫、できるよ。増えるのはゆっくりだけどね」
「本当!?じゃあやってみて!」
次の日の採取では根をつけて取ってきた薬草をタッキーが耕した土に植えた。
「これでヨシ!!」
タッキーがポンポンッと植えたところの土をたたく。
「本当はもーちょい土をよくしたいんだけど…ま、この薬草は荒れ地でも育つしね。あとは水と肥料を時々あげればいいよ」
「肥料って…?」
「それはもちろん、ボクの○○〇!!」
ルルの顔がちょっと曇る。
「あっ、大丈夫大丈夫!!小さくてぽろぽろしてるし、ボクがやるからさっ!!」
「そう…なら、いいけど」
ホッとするルル。
「肥料はね、落ち葉を集めて…とか食べ物の残りとかからも作れるんだよ」
「へぇ~~。なんでも知ってるのねー」
「ボクの特殊能力さっ!!」
(…とっても便利な言葉だ…)
「でも、ここに植えてて誰かに盗られたりしないかしら」
心配そうにするルルにタッキーは「ボクの分身に見張りをさせるよ」と言った。
「分身?」
分身とは何だろうか。疑問で頭がいっぱいのルルの目の前でタッキーは2つに分かれ、分身の実演をして見せた。
「えええ!?タッキーが2匹に増えた!?」
「ボクはね、分身が作れるんだ。その分小さくなっちゃうけど」
「どっちもタッキーなの?」
「そう。でね、またくっつくこともできるんだよ」
タッキーは自慢げだが、ルルにはなんだか珍妙な生き物に映っていた。
タッキーはスライムになる前は農民だったので、畑仕事は得意だ。12歳で死んでしまったが、農作業は大体親の手伝いをして覚えている。
(また農業ができるんだ…うれしいな)
タッキーは久々の農作業に張り切っていた。
スライムって、う〇〇するんですかね…?ちなみに母にこれ聞いたら「ファンタジーだしw」って答えが返ってきましたw
お読みいただきありがとうございました。