エピソード2-④
ライブラリーオブルイナ、哲学の階の完全開放までできました。煙強い…あと大鳥君嫌いになったよw
冒険者ギルドを出た二人は森へと急いだ。とにかく時間がない。森へ入ると次々に魔物が出てきたが、入り口付近の魔物は弱い。そのためルルはギギルに作ってもらった剣で、タッキーは腕剣で、向かってくる魔物を薙ぎ払いながら森の中を走り、奥へと進む。切り刻んだ魔物はそのまま放置することになった。とにかく時間が惜しいので、素材も肉も魔石も回収している暇がない。
しかし、森の奥地に進むにつれて段々、向かってきた魔物を走りながら切り捨てて先に進む、という訳にはいかなくなってきた。徐々に出現する魔物が強くなってきて、倒すまでに時間がかかるようになってきたのである。魔物と戦う度に足を止めざるを得なくなってきたので、進み方が遅くなってきてしまう。二人は焦る気持ちを抑えつつ、けれどもなるべく早くたどり着けるように心掛けながら魔物と戦い、先へと急ぐ。
そのうち、見慣れた景色がなくなった。ルルとタッキーは一旦足を止め、息を整えることにした。
「ルル、この先はまだ入ったことのない場所だよ。ボクも最初に森で迷っていた時に通ったっきりだ。強い魔物がうようよしてるから、気を引き締めていこう」
「わかってるわ」
二人はお互いに声を掛け合い、気を引き締める。初めての場所で緊張しながら進むと、最初に出会ったのはかなり大型のイノシシの魔物、ミサイルボアだ。今まで出会った個体よりもさらに大きく、クマよりも大きいくらいだ。だが体格に見合わず動きが早く、特に走るスピードが凄まじい。頭のツノの数も多くて長く、突き刺すだけではなく、ミサイルのように発射もする。ツノはかなり鋭く、大きいので当たると命を落としかねない。
タッキーは体を物質変化させ、鉄の盾となった。大きさは魔力を使って、人間の10歳の子供位の体積まで大きくなれる。ルルはタッキーの鉄の盾で守られながら剣で戦う。ギギルの剣は切れ味がよく、硬い魔物の皮膚も切り裂くことが出来た。
だが、なかなか止めが刺せない。そこでタッキーは予め決めてた作戦合図をルルに送り、実行に移すことにする。日頃からよく使う戦術や、「この戦術が通じない場合はこっちに変更する」など、普段から何パターンか作戦を決めて、決めていた合図で実行できるように練習していたのである。
「今度は二人連携攻撃だよ!!」
タッキーはそういうと、ミサイルボアが盾にぶつかる瞬間に、盾の表面に鋭く尖った鉄の突起を出し、ミサイルボアの頭に突き刺さる。
「グオオオ!!」
叫び声をあげ、後ろにのけ反るミサイルボア。そこへ盾の後ろからルルが飛び出し、首の辺りで上から下へと剣を振り下ろす。ミサイルボアの首が半分切れて、下へぶら下がる形になった。すかさずタッキーが盾の形態を右半分だけ解き、右腕をチェーンソーに変化させ、残りの首を完全に胴体から切り離した。
何とかミサイルボアを倒したものの、左半分鉄の盾に変化したままのタッキーの体にはミサイルボアのツノで出来た凹みが何か所か残っていた。
「ヤバイな…そのうち鉄より硬い物質に変化させなければ、盾としての役目を果たせなくなりそうだ」
タッキーはちょっと危機感を覚える。
「ありがとうタッキー。ちょっと時間かかっちゃったわね」
ハアハアと、肩で息をするルル。
「段々倒すのが難しくなってきたね。でも、これはその甲斐があるよ」
と、タッキーが言う。イノシシ系の肉は美味しい。特にこいつは美味しいと、ギルドの資料にあった。なのでこれはやはり持ち帰らねばならない。タッキーはミサイルボアの体を収納ポケットに入れた。ついでなので素材として売れる頭も。
それを見ていたルルは「もう、食いしん坊なんだから」と、ちょっと呆れて見ていた。
「えへへ…せっかくだからね。それにルルだって一休みしなきゃ、でしょ?」
タッキーに言われてルルは、呼吸を整えて立ち上がる。
「もう大丈夫よ。先を急ごう」
すくっと立ち上がったルルを見て、タッキーはちょっと無理してるかな?と思ったが、そこをツッコんだら負けず嫌いのルルは反論してくるだろうから「わかった、行こうか」と、素直に従っておいた。
私「クマよりも大きいイノシシ…おっこ〇ぬし様?w」
母「違うわw」
お読みいただきありがとうございました。




