エピソード2-①
遅くなり申し訳ありません…。一家全員コロナに罹ってダウンしてたり、復活したと思ったら暑さでダウンしたりで、なかなか小説を書くどころの状況ではなかったのです…。
さて、今回からエピソード2になります。引き続きお付き合いよろしくお願いしますペコリ(o_ _)o))
ルルとタッキーが乗った馬車がロドリ村に着いた。早朝に出たのだが、もう昼近い。ルルとタッキーの気持ちはまだ沈んだままだったが、手続きのため冒険者ギルドに入った。すると、ギルド内が何やら騒がしい。
「お願いします!お願いします!」
と、大きな声で周りの人々に訴えかけている男女の声がした。よく見ると、小さな子供とその両親のようだ。子供は3~4歳くらいの男の子で父親の腕に抱きかかえられ、ぐったりとしており、かなり具合が悪そうに見えた。周りには何人かの冒険者がいたが、みんな困惑したり、気の毒そうな表情で親子を見ている。
夫婦の横で、ギルドマスターらしき人物が二人に話しかけている。
「お気の毒ですが、やっぱり無理ですよ」
何が無理なんだろう…と、中の騒動を気にしつつルルは受付に行き、冒険者カードを出しながらアンナに尋ねる。
「お久しぶりです、アンナさん。あの人達、どうしたんですか?」
「お帰りなさい、ルルちゃん。実は…あのご夫婦のお子さんが突発性ラシュー高熱に罹ってしまって…。でも治療するための薬がないのよ。だからお子さんは、持っても明日位までなの。それでその薬の元になる薬草の『ココクル』を採取してきてくれる人を探しているの」
突発性ラシュー高熱は、子供が罹ることが多いラシュー熱が悪化したものだ。滅多にないが時々発症例があり、急に悪化するので命にかかわる。だがココクルで作った薬を飲めば治る病気だ。しかし薬の元となる薬草のココクルは最近不足している。なので当然薬の在庫も少ない。このご夫婦の子供は薬の在庫がないという、最悪のタイミングで突発性ラシュー高熱を発症したようだ。
「ココクルって、森の奥の方に生えてる薬草…でしたよね?すごく強い魔物が多く出る所じゃなかったですか?」
と、アンナにルルが尋ねる。
「そうなの。だから採取は強い冒険者でないといけなくて…。だけど適任者が誰もいないの」
「オスカーさん達のパーティは?」
とタッキーが尋ねる。
「2日前に依頼で森へ入ったわ。でもココクルが生えている所よりももっと奥へ行ってるし、何匹か狩ってこなきゃいけない依頼だったから、後2~3日は戻らないと思うの」
アンナは溜め息をつき、話をさらに続ける。
「ギルドマスターも昔はAランク冒険者だったけど、年を取って引退してしまって…あの人も今はもうあまり森の奥へは入れないのよ」
アンナの話を聞いていたルルが、ふとある疑問が浮かんだのでアンナに尋ねる。
「あの、誰かヒールの魔法を使える人はいないんですか?」
「いないのよ…。ちょっとした怪我を治せる人ならいるんだけど、大怪我や病気を治せる人はいないの」
「マリーさんなら出来たかもしれないのに…」と残念そうにルルが言う。
「ボクも軽い怪我を治すのと、毒消し、眠気覚まししかできないし…」と、タッキーも悔しそうな表情で言う。
「ここは元々冒険者があまりいない村だけど、強い人達はみんな新しく発見されたダンジョンに行っちゃってるから、余計に少なくなっちゃったわ…」
そう言いながらチェックのためにルルの冒険者カードを見ていたアンナは、ある項目を見て驚いて目を見開いた。
「ええっ!?ルルちゃんEランクになったの!?」
お読みいただきありがとうございました。




