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生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード1
59/123

中間小話~畑のタッキー君・その5~

中間小話畑のタッキー君はこの話で終わりになります。

次回からエピソード2になります。

引き続きよろしくお願いいたします( *・ω・)*_ _))ペコ

 イナゴの大群をご馳走と称して、スライムの大群と鳥類の群が爆食を始めて一時間とちょっとくらい経ったころには、大群だったイナゴは一匹も残らずスライムと鳥達の腹に収まってしまった。特にスライムの食欲はすさまじい物であった。

 イナゴを食べつくしてお腹いっぱいになったスライムや鳥たちは森へと帰っていった。畑作主たちはそれを見て

「やれやれ、今年も畑は無事だったなぁ。スライム様々だよ」


「毎年こんななんですか?」

 タッキーがボブたちに尋ねる。

「ああ、そうだよ。普段は畑を荒らすスライムも、年に1度のこの日だけは役に立つのさ。イナゴをたらふく食べた後の1~2週間は畑に現れないしな」


「へえー」


「まぁ、多少畑が踏み荒らされて作物が潰れたりはするが…イナゴに喰われて全滅するよりかは、遥かにましだよ」

 ちょっと意外な、人間とスライムの共生関係だった。

 そういえば、冒険者ギルドではスライムの買取をしていない。時々畑を荒らすスライムの駆除の依頼はあるが、森に行ってスライムを狩ってこい、という依頼はない。多分この地方では昔から、イナゴ退治に人とスライムは持ちつ持たれつの関係だったんだろう。昔タッキーが住んでいたマリートス村にはイナゴが来なかったので、知らなかったのだ。そもそもこのロドリ村よりもマリートス村は寒いので、スライムも少なかったが。



「ただいまー!」

 畑担当タッキーが振り向くと、森から戻ってきたルルと冒険者担当タッキーがいた。


「お帰りなさい!さっきね、イナゴの大群が来ててね…」

 そう言いかけて畑タッキーはルルがすごい顔で怒っているのに気付いた。


「イナゴ…?大根は根こそぎ綺麗になくなってるけど?虫が食べたようには見えないけど…?」


 言われて畑タッキーはハッと気付いた。植えていた大根の半分以上を先程のイナゴ襲来前に、メス達と愛を育むために食べさせてしまっていたのだ。犯人はイナゴではなくオナゴ…。

 畑タッキーは慌てて

「あっ、いや、これは…」

 と言い訳しかけて、ルルの後ろで冒険者タッキーが体の前で両腕をバッテンして、目を見開いて首を盛んに横に振り、必死にブロックサインを送っているのに気付いた。

(…あっ、そうか、9歳のルルにセッ○○の話題はマズイ!!)


「つまみ食いしたでしょ!?も~~~、こんなに沢山食べちゃって!!冬の備えはどうするのよ!?」

 ルルに責められて、畑タッキーはメスとよろしくやってました…とも言えず…


「ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!」


 と、ひたすら謝るしかなかったのであった。

お読みいただきありがとうございました。

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