中間小話~畑のタッキー君・その2~
案の定前・中・後編で終わりそうになかったので、少し変えましたw
あと、タッキー君の体の色の設定を載せ終わったあと母が「スライムってツルツルな体してるから…まりもっていうより、まりも羊羹じゃね?w」と言っていましたw
畑は少しずつ大きくなり、植えている薬草の種類も最初の2種から4種に増えた。それにつれ、畑を荒らす動物や魔物も増えてきた。最初はネズミくらいだったが、野菜もちょっと植えるようになるとリスやウサギ、そしてネズミ型の魔物のフォレスト・ラット、ホーンラビットなどが来るようになった。野菜と言っても、まだ長ネギと大根位だが、ネギはともかく大根は狙われがちなので、24時間注意深く警戒するようにタッキーは心掛けている。
夕暮れ時、タッキーは気配を察し、じっと動かず、耳(?)だけを澄ましていた。その時カサッと右斜め後ろで微かな音がした。すかさずタッキーは音がした右斜め後方に、腕を針のように細く尖らせて草むらの中に突き刺した。
「キーッ!キーッ!」
刺さっていたのは、ただのネズミだった。
「なんだ、ネズミかぁ…それも小さいな」
そう言うとタッキーはパクっとネズミを口の中に入れ、食べてしまった。こういったネズミやリスなどの小動物は基本、タッキーのおやつとなる。
しばらくするとカササッと、今度は前方から音がする。再び腕を針のように伸ばして、音がした前方の草むらに素早く突き刺した。
「お、今度はホーンラビットか。これは売れるな」
タッキーは喜んで収納ポケットにホーンラビットを収納した。
この日の夜は他に2匹のホーンラビットを仕留め、ホクホク顔になるタッキーだった。
次の日、畑担当のタッキーは2匹に分裂し一方は引き続き畑の見張りを行い、もう一方は冒険者ギルドへ向かった。昨日畑担当が仕留めたホーンラビットと、ルルと冒険者担当タッキーが採ってきた薬草やウサギを納品するためだ。
ギルドでの用事を済ませると、今度は野菜や肥料などを売っている店へ向かった。日々ちょっとずつ荒れ地を耕し、また少し畑を広げることが出来たので、今の畑にない物を植えたいと思っていたのだ。この店の店舗の片隅には様々な種や苗も売られている。タッキーは何にしようかな?と、それらを眺めていると、店の主人が声を掛けてきた。
「おや、タッキーいらっしゃい。何か探しているのかい?」
「こんにちは。はい、新しく少し畑が広がったので、また何か野菜を植えようかなと思って」
「そうかい。確か今は長ネギと大根だったね。長ネギと大根は、一度薬草を植えたそのあとの場所に植えてたんだったね。今度は耕したばかりの場所かい?」
「そうです。なので、荒れ地に強い野菜がいいかなと思うんですけど、何かありますか?」
「そうかい。初めての場所なら、まずジャガイモなんかどうだい?肥料は必要だけど、瘦せた土地でも生育できるよ」
「なるほど…。そうですね、初回の畑に植えるのにいいですね」
「よし、じゃあいくつか品種があるから、実際に種イモも見て決めてくれ」
そう言うと主人は、いくつかの種イモを持ってきてタッキーに見せてくれる。
「これなんかどうだい?病害虫に強い品種だよ。味もいいよ。ただ、収穫量が少し少なめだがね」
と、少し小ぶりの種イモを指さした。
「そうですね…初めてだし、それにします」
「毎度。ネコブセンチュウ対策に、こいつも一緒にどうだい?」
そう言って主人が、今度はマリーゴールドを差し出す。
「はい、じゃあこちらも一緒に頂きます」
こうしてタッキーは種イモ10個とマリーゴールドの苗15本を購入した。
(帰ったらマリーゴールドの根から出る成分と同じものを作れないか研究してみよう)
ジャガイモ、現実でも沢山品種ありますよね。ちなみに母は『マチルダ』という品種を好んで植えてました。
店で初めて『マチルダ』という品種のジャガイモが売られているのを見た当時の母は、思わず「マチルダさーーーーん!!」と叫びたくなったそうですw
お読みいただきありがとうございました。




